1.第1作から13年、今回も監督と脚本を手掛け(さらに製作総指揮も)、ラリー・コーエンのライフワークみたいになっちゃってる、この悪魔の赤ちゃん3部作。いや、まだ続編を作りそうな気配も濃厚な終わり方なのですが、こういうのは一種のお約束なのであって、実際は第4作は作られず。残念なようでもあり、当然のようでもあり。
もはやバーナード・ハーマンもリック・ベイカーも全く関わっていない(前者はとっくに鬼籍に入っているし)と思うのですが、クレジットには一応、名前が出てて、一作目の遺産を厚かましくも見事に食いつぶしていっている感じがいたします。
今回は、悪魔の赤ちゃんが、人道的なんだか何なんだかよくわからない措置を受けることになって、どこやらの無人島に送り込まれる。で、そこで成長し人知れず増殖しているのを、再び捕まえに行く、という、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の先駆けのようなオハナシ。もちろん、悪魔の赤ちゃんたちが船で本土に上陸してくるのも同じですね。
悪魔の赤ちゃんが5歳にして巨大化しており、こうなるとかなりカッコ悪い着ぐるみでの演出になってしまうのですが(だもんで例によって、暗がり、出し惜しみ、チラリズム)、まだ悪魔の赤ちゃんが赤ちゃんの状態の時(よくわからん言い方だが)には、ストップモーションアニメの手法も使われていて、こういうのは見ててエラく楽しいもんです。
島の描写では悪魔の赤ちゃん目線の一人称カメラも使われ、不気味かつチープかつ胡散臭い雰囲気が漂います。
悪魔の赤ちゃんがこっそりヘリに忍び込んでいて、操縦士が襲われると何故かヘリが空中で爆発したり、終盤、屋根の上で警官隊と死闘を繰り広げると、警官たちが面白いようにコロコロと投げ飛ばされて激ヨワだったり、トホホなシーンが続出しますが、中でも一番ワケがわからないのが、マイケル・モリアーティ演じる赤ちゃんの父親がキューバに漂着するも、キューバ人たちと意気投合して早々に解放される、という展開。ストーリー上は全く無意味ですが、あえてこういうシニカルなエピソードを挟んでくるのがまさに、一筋縄ではいかないところ。
インディー魂、おそるべし。