2.ジャッキーのカンフー映画(ほぼ)引退、ジェット・リーのスタント代用が当たり前になっているこの頃、現状香港映画界で唯一のアクション俳優はドニーしかいない。思えば最初「ドラゴン・イン」「ワンチャイ天地大乱」で名を知っていたが私にとっては単に悪役としての薄い印象でしかなかった。本当の凄さを思い知ったのは中国滞在中に見た主演のTVシリーズ「精武門(ドラゴン怒りの鉄拳)」。普通カンフー映画=体技はカメラの早回しを使用する・人が殴られたり蹴られたりする時は大げさな吹き飛ばされ方/殴られ方をするといったルールがあるが、彼が武術指導を行ったこのシリーズ、体技はすべてリアルスピードでスタントマンは(多少の加減はあるかもしれないが)本当に蹴っ飛ばされふっとんでいるのを見て、その内容(中国国内のTVにおける日本軍の扱い方、ほんと気が滅入るけど)はともかくこの作品だけは本当に本物だった。でドニーの片腕・谷垣健治氏曰く、「ドニーが『人生が完全に変わってしまった』と述懐した」「イップ・マン」シリーズもいいが彼のB級アクション代表作としてはこっちをあげたい。話の筋道や流れなどどうでも良い。この作品にはブルース・リーの体技のスピードや技の切れ、ジャッキー・チェンの神業的なアクションスタントと同等の「痛みの伝わる」カンフー・シーンを観ることが出来る良作として上げておく。もちろんDVDは、廃盤。もう少し日本のソフト会社、頑張ってくださいませ~。