1.《ネタバレ》 日本もようやく法科大学院が根付いてきたので、この映画の理解がしやすくなってきたかも。日本に法科大学院がなかった頃の公開で、米国のロースクールの位置づけの基礎知識がない人に、誤解を生ませた映画です。これは「大学」ではなく「大学院」の映画で、しかもハーバード・ロー・スクール(HLS)という、「世界で一番有名な法科大学院」を舞台としています。言うまでもなく、HLSは世界の英米法(コモンロー)では最高峰。ここで優秀な成績を収めれば、英米の法曹界のエリートになれます。この辺の予備知識がないときつかったのです。そういった大学院の内実を恋愛絡めて描こうとした意欲的な作品です。これはアメリカではかなり好評だったらしく、テレビ・シリーズにまでなりました。好評を博しただけに、勉強の映画でありながら、迫力もありスピード感もあって引き込まれ度は高いです。細かいところで「あれ?」と思うところもあるし、One Lなのに、恋愛を絡めた描写などは非現実的かなと思いますが、演技もなかなかしっかりしています。また舞台となるHLSの建物や周辺の情景描写などは美しく、それだけでも楽しめます。「ある愛の詩」と同じキャンパスを舞台にしていますので、比べてみるのも一興かな。