秋津温泉のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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秋津温泉

[アキツオンセン]
1962年上映時間:112分
平均点:6.47 / 10(Review 15人) (点数分布表示)
公開開始日(1962-06-15)
ドラマラブストーリー青春ものロマンス小説の映画化
新規登録(2004-01-20)【おばちゃん】さん
タイトル情報更新(2024-10-31)【イニシャルK】さん
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監督吉田喜重
キャスト岡田茉莉子(女優)新子
長門裕之(男優)河本周作
日高澄子(女優)お民
神山繁(男優)津田
小池朝雄(男優)大崎
名古屋章(男優)島村
殿山泰司(男優)六助
草薙幸二郎(男優)軍人
高橋とよ(女優)芸者
桜むつ子(女優)芸者
小夜福子(女優)お澄
穂積隆信(男優)新聞記者
下元勉(男優)軍医
吉田輝雄(男優)新聞記者
鶴丸睦彦(男優)新聞記者
田口計(男優)軍人
西村晃(男優)闇屋
清川虹子(女優)酒場の女将
山村聡(男優)三上
東野英治郎(男優)船若寺住職
宇野重吉(男優)松宮謙吉
吉川満子(女優)お内儀
葵京子(女優)湯本の女給
芳村真理(女優)陽子
谷よしの(女優)
原作藤原審爾「秋津温泉」
脚本吉田喜重
音楽林光
撮影成島東一郎
製作白井昌夫
企画岡田茉莉子
配給松竹
美術浜田辰雄
衣装岡田茉莉子
編集杉原よ志
録音吉田庄太郎
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5.《ネタバレ》 男は生きていたくなかった。空襲で家族と家を失い、天涯孤独の身となり、おまけに肺結核を病み、心は虚無に満ち、死場所を求めて秋津温泉にたどりついた。そこで出会った女はよく笑い、よく泣く性質だった。終戦の玉音放送のあと二時間も泣き続ける女を見て、男は生きる希望を持った。激しく深い感情の表出を目の当たりにし、人間の神秘さ、生命の奥深さを感じ取ったのだ。わが人生もすてたものではないと思えた。女の献身的な介護のおかげで、男は健康を取り戻した。二人は惹かれ合っていたが、互いに愛を告白することなく別れた。男は作家を目指したが、すぐに壁にぶつかった。周囲の勧めで結婚もしたが、心は満たされなかった。再び虚無の世界に堕ちた男の足は、秋津温泉は向いた。再会した二人。男は心中を持ちかけ、心根の優しい女は同意する。心中の直前に女がげらげらと笑い出し、心中は自然と取止めとなった。女の屈託のない笑いが男を救ったのだった。歳月が流れた。女は独身を通し、温泉旅館を経営していたが、田舎暮らしには飽き飽きしていた。時折訪れる男を待つだけの生活にも疲れ果てていた。永い孤独が精神を蝕んでいた。女は再会した男に心中してくれと頼む。男は世の中に不満を持ちながらも、それなりに順応できるようになっていたので、死は慮外の事だった。男を見送ったあと、女は自死する。男は女に二度救われたが、女を救えなかった。片思いと知っていながら一人の男を思い続ける女の愛の不思議、片田舎に埋もれた儚くも哀しい女の一生、虚しさと悔悟に苛まれる続けるであろう男の今後の人生。鑑賞後、様々な事がさめざめと想起された。原作は間違いなく良い。映画もほどほどに成功している。しかし何かが足りない。人を死へと突き動かす”魔の瞬間””心の闇”というものが描かれていない。美しい風景も心理描写も、どこか平坦なのだ。立体的で影のある「心の襞」が伝わらなければ、この手の死を扱った作品に重みがでない。男優には”影”がなく、その演技から「苦悩」が伝わってこなかった。顔も凡庸で、この役には不向き。この役には女の死に値するような容貌が必要。女優は健闘している。気になったのは桜の木の下で手首を切るという過剰な演出。それまでのさりげなさが台無しだ。最終場面は不自然なほど花びらが散っていた。花びらを散らしているADの姿が浮かんだほど。
よしのぶさん [DVD(字幕)] 7点(2013-02-11 09:32:12)
4.桑田佳祐、、いや違った、長門裕之がこの役にマッチしているかは別にして、男女の愛のもつれ、腐れ縁を美しく叙情的に描いている。

内容的には「雪国」とそっくりだが、「雪国」のモノクロ映像と比較してしまうと、どうも不満が残る。
映像は綺麗ではあるが、もう一つ雰囲気に欠ける。
ただカラー映像で映しているだけと、私は感じた。

そしてメロドラマといえば音楽。
確かにメロドラマっぽい音楽なのだが、どうも音楽が一人歩きしていて、映像にマッチしていないように感じた。
「乱れ雲」の様に、もう少しストーリーに華を添え、音楽と映像とストーリーの相乗効果をもたらすような音楽がほしかった。

だが、ストーリー的にはメロドラマの王道をいくもので、卒がない。
なかなか濃密で、満足はできた。

話の内容はいいだけに、演出面でもう少しプラスがほしかった。

ただし、それとは別に、主演ふたりの演技は素晴らしくうまかった。
にじばぶさん [DVD(邦画)] 7点(2008-09-07 22:10:42)
3.美しい映像、しみじみとしたストーリーで、味わい深いです。岡田茉莉子が長門裕之に惹かれる気持ちに理解しがたいところがあるのですが、作品の出来にとって致命的ではありません。おそらく世の中に一番受け入れられた吉田喜重作品と思います。
ジャッカルの目さん [映画館(邦画)] 7点(2007-12-22 13:45:26)(良:1票)
2.岡田茉莉子の映画出演百本目となる記念の作品てことらしいけど、この映画の岡田茉莉子の美しさは現代の日本の女性には欠けている。いや、欠けているというよりは欠けてしまった。失われてしまったと言った方が良いかもしれない美しさ、それはただ単に外見から溢れ出る美しさだけでない内面的な美しさ、人間の持っている感情表現の仕方にしても見せ方にしてもそう、上手く説明出来なくて申しわけありません。とにかく全てにおいて美しい。そんな岡田茉莉子ともう一人、これは確かにミスキャストかもしれない長門裕之の二人の互いの気持ち、お互い好きなくせにそれをなかなか言い出せない二人、相手のためになら死ねるという二人の気持ちが秋津温泉の地を背景にして、何とも美しい映像と共に見せる。話としての暗さ、最後も何か納得いかない結末ではあるけれど、美しい四季の香りと美しい音楽によって描かれていて、この映画はそんな美しい映像だけでも見ていて損はないと思う。それにしてもこの映画の岡田茉莉子の美しさときたら、言葉で表すのが難しいぐらいの美しさだし、岡田茉莉子という女優には温泉がよく似合う。そんなイメージを抱かせるそんな作品です。
青観さん [DVD(邦画)] 7点(2007-09-09 14:49:23)(良:1票)
1.戦争をはさんでつかず離れずの微妙な男女関係の17年間が秋津温泉を舞台に描かれる。17歳の明るく健康的な新子(岡田)が17年後に疲れ果て絶望の末にたどるラストは痛ましい。はつらつとした女学生からしっとりとした女性まで美しく魅力的に
見せる岡田茉莉子が終始素晴らしい。これは成島東一郎の撮影も効果的だったかもしれない。斜め頭上から、あるいは下から、ロングショットでと変化のある構図が印象的で美しい。若いときの着物姿に真っ赤なマフラーとか赤の使い方も素敵。
ただこの相手の周作(長門)という男が無責任でいい加減なのに彼女はずっと執着し続けて身を滅ぼす、というのがなんだか腑に落ちない。
出合った頃心中を持ちかけるほど生きる気力のなかった男は新子の生気に助けられたのに、17年後に立場が逆転した時男は新子の気持ちに気づく風もなく適当な慰めを言う。そんな周作は腹立たしいが長門裕之のダメ男ぶりは悪くなかったと思う。

キリコさん 7点(2004-11-27 19:49:02)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 15人
平均点数 6.47点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
416.67%
5426.67%
616.67%
7533.33%
8426.67%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review1人
4 音楽評価 7.00点 Review1人
5 感泣評価 7.00点 Review1人
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