1.《ネタバレ》 歌って踊って恋する楽しいミュージカル映画のお手本のような作品ですね。まず最初に錨のマークが出てきた時から早くもやられてしまいましたが、「後髪を引かれる思い」での他の乗組員たちのブスッとした表情や、フランク・シナトラの「大人になったら分かるって言われたけど今でも分からない」という台詞には笑わせてもらいました。影の使い方もおしゃれでユニークだし、「どうだ凄いだろ」と言わんばかりにピアノの鍵盤を追い続けるカメラワークにも唸らされるものがありました。そして「トムとジェリー」のアニメパート、決して使い回しなどではなくこの映画のために作られたというのが凄い。一ファンとしては感泣ものです(ジェリーがジーン・ケリーに比べてやたら馬鹿でかくなってたけど)。他にも「どこが山賊やねん!」というジーン・ケリーの華麗な衣装など見所は多いです。しかしながらこんな簡単な内容であるにも関わらず2時間20分という上映時間はさすがに長い!この手の映画は個人的にせいぜい2時間前後が限界で、それ以上だとどんなに華麗な動きを見せられても逆に鬱陶しくなってしまいます。手法は目新しいけど話自体は極めて凡庸だったので平均の7点、良質のミュージカル作品ではあると思います。