2.私はこの映画は最近の邦画にしてはよく出来たと思いますよ。
まず、暗い内容でもあるのに暗くはない、軽くもない。
見やすいのです。客観的に描かれていてドライなんですが、
邦画の戦争モノ(時代が敗戦後)としては暗くない。
難を言えばバンドのメンバーがみんなお坊ちゃんみたいで、
伝わってこないというのはありますが・・
この題材で別にリアリティもいらないし、
とにかく暗い邦画は(人間ドラマは別にして)
好きじゃあないんで・・ 心配しましたから。
うわ、また不幸なコドモが出てきた。と見ながらでも暗くない。
やはり製作側が戦争を知らない世代ということもあるか。
洋画を見ているような錯覚さえ途中からしました。
淡々と自分らのアイデンテイを見つけようとしている彼らは、
アメリカ兵らとは全く違うのです。
戦争に負けた方は平和を手にし、勝った方は命をひきかえに。
実際私は見ていて、ああ負けた何もないところから、
この時代の人らは這い上がってきたんだ。
でも這い上がろうとする敗者の意地がある夢があると感じた。
でも負けてくれてよかったとも思う。
自分がその時代の人じゃないから言えるのだけど、
アメリカ兵を置き換えると勝って命と引き換えはごめんだ。
そんな思いで見ているとふとある洋画を思い出した。
「太陽の帝国」スピルバーグの映画。舞台は1941年。
この映画と同じで主人公は客観的に見るしかない、
イギリス人のコドモ。さすがにこちらがうまく演出しているが、
言ってることや立場は似通ってはいる。