4.おそらくはタイタニック号からの生還者の証言をなるべく忠実に取り入れたのであろう、ドキュメンタリータッチの構成。氷山との衝突から沈没までの描写に映画の多くの時間を費やし、主人公の二等航海士を始めとした乗組員たちの救命作業が、克明に描かれてゆきます。さらには救助に向かうカルパチア号や、比較的近くにいながら事故に気づかなかった船(=カリフォルニアン号)の様子なども描かれて。
もちろん、完全にすべてが事実という訳にはいかないでしょうが、40年後にわざわざタイタニック映画を作る必要ない程度には、よく盛り込まれているかと。
またもちろん、ミニチュア感あふれるミニチュア撮影もありますけれども、傾く船、迫る水、転落する人、といったスペクタクル色も十分で、ドキュメンタリー調の語り口と合わせて、クライマックスに向けた盛り上がりは、なかなかのものがあります。
突然思い出したように挿入される仰々しいBGMは、ちょっとどうかと思う面もありますが・・・。