《改行表示》9.《ネタバレ》 彼を単なる猟奇的犯罪者、サイコパスと言ってしまえばそれまでだが、ストーリーが実に秀逸であるからして、映画作品として十分に評価に値すると言えよう。 まずは主演二人の演技が自然で、わざとらしさがなく、この悲劇的な話をリアルに感じさせてくれる。 並の作品ならば、終盤のスコップで殴った場面で彼女はなんとか逃げ延び、ハッピーエンドとなるだろう。 だがこの作品はそんな安易なストーリーを語らない。 そこがこの作品の魅力だろう。 舞台になるお屋敷だが、庭に地下壕がありそこには隠し扉がある。 お屋敷の周囲は緑豊かではあるが、近くに家はなく孤立した立地。 このお屋敷が厳かでありどこか不気味で、本作に絶好のロケーションだ。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-05-25 23:22:18) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 テレンス・スタンプ演じるフレディー・クレッグが良いね。自分のことを知ってもらえれば「Maybe, 君はオレを好きになる」と本気で考えてる訳でしょ…。初日はルンルン気分、最終日にはむしゃくしゃして噛み付く。どうしようもない。それなりに隙があり、やりようによってはうまく逃げられそうなところも面白い。そのためにどんな受け答えが正解なのか? どんな態度でいるのが正解なのか? そんな目線で見ていくとミランダに非は無いことは重々承知ながらも、もう少し賢さ…というか狡猾さみたいなものがあればまた違ってたんだろうな…と。女優さんが好みのタイプじゃなかったけど、引きつった表情等は良かったと思うんで減点材料にはせず、8点です。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-05-31 23:36:09) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 これは怖いですね。皆さんがおっしゃっているとおり、身近な人間として潜んでいそうといった恐怖や、あるいは自分の中で共感出来る部分に主人公の影を感じてみたりと他人事では済ませられない怖さがあります。何よりも怖いのは最後の最後、主人公とヒロイン(ヒロインと視聴者)の価値観の違いが浮き彫りになる場面からの流れです。女は男に対して自分という人間に対する愛情を疑いもしなかった。加害者と被害者という立場の違いはあっても、同じ人間同士という土俵で話していた。しかし男は女に対して単なる蒐集物としての愛着しか感じていなかった。視聴者の感じていた男の視点に関する違和感がここで明かされ、どんでん返しとなっています。さらに続けて、ヒロインは一体何人目の被害者だったのだろう、という疑問まで浮かんでくる結末には脱帽しました。第一級のサスペンスだと思います。 【kirie】さん [地上波(吹替)] 8点(2011-01-19 23:17:40) |
6.《ネタバレ》 あのフレディの部屋、内装の色彩、その不気味な美しさに息をのむ。ミランダ(サマンサ・エッガー)が如何に逃げるか、その心理的駆け引き。しかしフレディ(テレンス・スタンプ)の発言を、僕は何気に聞きながらも唖然とする。それは“敬意を払う”であったり、“娼婦と同じだ”と罵倒したり。臆面もなく、この言葉を発する男の精神世界が本当に怖い。ミランダは最初から貼り付けられた蝶も同然なのだ。強烈なアングルと共に、サマンサ・エッガーの演技力に唸る。死の淵を彷徨う彼女の顔は壮絶だったが、息絶えた顔をカメラが正面から捉えることは無かった。よって、文字通りの体当たりで汚れ役を演じきったこの主演女優には、痛々しさよりも巧さが印象を残す。ワイラー監督は女優の扱い方に、厳しさとともに配慮がいき渡っているのだなと感じる。だからこそ、またいつか鑑賞しようと思える。 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-11-21 22:27:03) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 物凄く嫌な、救いの無い終り方をするんですが、確か3回位は観てます。子供の時に観た時はさすがに犯人が気持ち悪く思ったものですが、今観ると、主演のテレンス・スタンプの目の演技に圧倒されますね、ミランダが“今すぐ結婚しましょう”と言った瞬間のあの表情の変わりようには背筋が凍りました。しかし、何回観ても最後はやるせない気持ちになりますが、ここまで気持ちが入り込む作品もなかなかないと思います。好きではないけど心に残る作品です。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-02-12 23:14:41) (良:2票) |
4.徹底したイギリスタッチ。ジリジリするサスペンス、ファーストシーン、網を持って蝶々を採ってるテレンススタンプをロングで撮った平和な光景、そしてカメラ、でも採った蝶をガラスの瓶に入れてコルクの栓で、ふたをしてしまう。たったそれだけでドキリとさせる、またこの男のどこか歪んで壊れてしまってる愛情の怖さが、はっきりこっちにも伝わってくる。そして救いのないラスト。今日のストーカー犯罪の到来を予言した不吉な傑作。 【ひろみつ】さん 8点(2003-10-27 23:47:50) (良:1票) |
《改行表示》3.むかしNHKでやってて2回観たの。で、大学の頃ジョンファウルズ(だったっけ?)の原作が新書で出ててそれも読んだの。理解されたい愛されたいって言いながら自己中に暴走してるようで、子供心にも「なんかちがう」っていう違和感を覚えつつ、なんか惹かれるのでした。『ボクシングへレナ』とか『完全なる飼育』なんていうほかの監禁ものに対し、ラストで再びワゴンを流すこちらの主人公には底知れない深い心の闇をかんじるの。そしてそれに対してかすかに共鳴している自分の中の闇の部分に気づくのかもしんない。 でね、やっぱり「恋」と「愛」は別物だなって思うんだよね。 【ごりちんです】さん [地上波(吹替)] 8点(2003-07-26 14:34:35) (良:1票) |
2.映画に流れるサイコ的な空気がいい!今となっては古いが、充分楽しめる。 【ケララの狸】さん 8点(2002-12-20 10:31:21) |
1.30年ほど前に観た記憶がありますが、すごいインパクトが残ってます。再度観たい作品の一つですね! 【S500】さん 8点(2002-05-20 06:53:52) |