36.《ネタバレ》 再見。面白い。もっと手取り足取りのラーメン指導だと思ってましたが、最後の決め手は自力で獲得させていたのですね。見直しました(2つの意味で)。チャーハンのエピソードはいいなあ。ご臨終の後も食べてたんですね。「あったかいうちに食え」。ご飯の作り手になった今、ものすごいいい言葉です。なお「これはラーメン・ウエスタンだ!」という惹句について。当時からピンときませんでしたが、あらためて本作の見方を狭めてしまっているように思います。それだけではない、もっと変てこな映画ですし、また見た後の感想として、ああメインのストーリーはそうだったんだなと観客が気づけばいいことを、あらかじめ教えるなよということですな。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 8点(2023-10-09 20:52:35) |
35.《ネタバレ》 『お葬式』に続く伊丹十三の監督第二作目ですけど、この初期二作はサブカル寄りの視点が濃厚で次作『マルサの女』からは社会派的な作風に変化します。でもこの『タンポポ』こそが伊丹の作家性がもっとも色濃く出ているんじゃないかと私は感じます、海外でも評価が高いというのは納得です。 世はあの『美味しんぼ』の連載が始まったころ、膨らみ続けるバブル景気の熱気の中で日本人の関心が食に向き始めてきます。その中であえて伊丹が今でいうB級グルメ的な位置づけだったラーメンをテーマに選んだところは秀逸な観点で、これこそまさに食のサブカルと言えるでしょう。設定やディティールは“ラーメン・ウェスタン”と称するだけあって西部劇のカリカチュアと捉えることができ、登場人物たちを漫画チックなキャラにマッチした撮り方だと思います。ストーリーと並行して挿入される食にまつわるエピソードというか小話がこれまた絶妙。駆け出しの頃だった役所広司を始め、豪華な大物たちがショートコントみたいな寸劇を見せてくれるとはなんと豪華なことでしょう!でもまだ無名だった役所の白服の男の存在感は大したもので、とくに洞口依子との牡蠣のエピソードはヤバいですね。初期の伊丹作品では劇中に一か所はフェティッシュなエロをぶち込んでくるのがお約束ですけど、その中でも直接的な脱ぎや表現はないこのエピソードがエロ度最高峰じゃないかと自分は思います。そして食の映画でもっとも大事なのは、その料理がいかに美味しく見せるかということです。その点では本作でのラーメンは、たとえ深夜に鑑賞していても食べたくてしょうがなくなるまさに“飯テロ”と言ってもいいんじゃないでしょうか。今や定番のネギラーメンは、本作がきっかけで全国に広まったという説があるそうです。あとあまり認識されていないようですけど伊丹十三は音楽のセンスが絶妙で、役所広司のエピソードでのマーラーの使い方は『ベニスに死す』に匹敵するんじゃないでしょうか。 製作から35年経ちましたが、いまだ本作を超える食がテーマの映画は日本映画界では撮られていないのが現実です。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-12-18 22:14:38) |
34.最初、じいさんがラーメンの食べ方を説明するシーンがめちゃめちゃオモろかった。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-05-15 22:38:10) |
33.最近の映画で、「世知辛い世の中だけど、美味しい食べ物で人を幸せにしよう。自分のすぐそばにある豊かさに気づこう」みたいな胸糞悪くなるような映画が多くて、食にまつわる映画というのは避けてました。1発ネタだけで勝負してる風に思えちゃうんですね。しかし、実際観てみるとこれがなかなかどうしてどうして(笑)。凄く楽しい映画でした。「食」が題材の映画ではあるんですが、様々なジャンル映画の魅力をこれでもか!と、この一本の映画にありったけブチ込んでいます。西部劇、アクション、友情、恋愛、親子愛、犯罪、美、シュール、生と死、そしてセックス!まるで「これが映画だ!」と言わんばかりです。「映画」で「食」の魅力を表現するのではなく、「食」を通して「映画」の魅力を表現しようとしているようにも思えてくるんです。このへんが、ただ「食」を題材にした「だけ」の映画にはない魅力だと思います。「威勢がいいだけで1ヶ月で抜かれる店」とは違うぜ!って気概を感じます。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-01-23 01:44:52) |
《改行表示》32.《ネタバレ》 かなりぶっ飛んだスーパー喜劇ですね。 なるとがペタッ。 (^w^) ここから始る怒涛のコメディ。 レストランでのメニュー選びのシーンで、最後、上層部たちの顔が変に色付けされてて まっ赤っか。 (^w^) うちの子に(おやつ) を与えないでくださいねって (猿のこどもか 君は。) (^w^) それに加えて役所と黒田福美、乳首にお塩を少々、レモン汁をジュワッと。良い子には見せちゃダメなシーンなんだが、そもそも伊丹十三作品、良い子だったら見ないだろうさ そこらへんは まあさ ヨシとしよう。なにかといろいろ面白かった。 でも、あとそうそう、大事なことだね エンディング、、 お乳にむしゃぶりつく赤ん坊のお顔というか お乳そのものをずっと眺めていたい次第ではあったが 画面左半分に流れ出してきたエンドロールのキャストだって確認したいわ お乳だってじっと眺めていたいわ 右見て左見て大変だったわ 最後、ほんと大忙しだった。 でも、一番馬鹿受けしてしまってたのって、スーパーに陳列してあるパンやらチーズやら食材を 手当たり次第に揉みしだいて逃げゆくあの婆さんだったんだよね。あのババアめコノヤロが! (≧∇≦) アハハハハ! 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-08-29 21:42:20) (笑:1票) |
《改行表示》31.《ネタバレ》 いや~面白いなぁ。邦画でもこんな面白い映画があったんだ。 食を扱った映画なら、変に真面目に作るよりこんなタッチで作ってくれたほうが好き。 本編と関係ないエピソードがまた面白い。ちょっとエグいのもあるけれど、単なる箸休めを通り越してすごく味がある。 泣き笑いしてしまうお母さんチャーシュー編も良いけれど、僕が感心したのはこどもアイスクリーム編で、「オヤツを与えないでください」と書かれたカードをぶら下げた男の子が、欲しそうに左手をニギニギしてしまうシーンだ(笑)まさに本能の成せる技が面白いなぁ。 ちょっと後半がダレ気味なのは残念だが、ハッピーエンドなのも後味が良い。 観るとお腹がすくこと間違いなし、監督の才能を感じさせる作品。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-08-22 20:09:09) (良:1票) |
30.《ネタバレ》 伊丹十三監督的「食」のイメージ いわば監督の頭の中を具体的に映像化した というんですかね それは食を通じての人の生きざまを表したかったのではないかと 主軸となるラーメンの話しとその間、間に挿入されるエピソードのどれもが興味深く、かつ意味深 山崎努はじめ多くの個性豊かな演者達と独特の映像美 間違いなく「伊丹ワールド」がここに広がっていると ある意味確信的な出来栄えであります でもなぁ合わない人には全然合わないかも 良くも悪くもこの頃を知ってる人じゃないと面白くないのかなぁ ※基本麺類大好きなのでラーメン食べたくなっちゃいますね! お腹すいてる時に観たら…ヤバイです(笑 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-01-02 13:33:16) (良:1票) |
29.食べることはエロチックである。性と生と死の縁で、私たちは食べることをやめられないのだ。笑いあり涙ありエロありベタあり、これがラーメンウエスタン!なんじゃそりゃ!あーラーメン食べたい。 |
《改行表示》28.小さい頃あの映画を見て、自分で初めて作った料理が オムライスでした。 【ナラタージュ】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-01-19 21:22:20) |
《改行表示》27.久々に見たらラーメン食いたくなった。 あっさり醤油。 【きいろくま】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-01-06 11:15:14) |
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《改行表示》26.《ネタバレ》 以前、タンポポ と ナインハーフ のえろいシーン、 どっちがエロイか、人と話したことがあります。 この映画、同じ年に作られたんですね。 伊丹十三とエイドリアン・ライン、もしかして知り合いで、 これらのシーンを自慢しあったのかもしれません。 伊丹十三、若いときは、海外の作品に、 出演して、海外の知り合いも多いですからね。 黒田福美さん、きゃしゃな体で素敵です。 暇があったら、ナインハーフの冷蔵庫の前とベットのシーン タンポポのホテルのベットのシーンとタマゴのシーン 比べてください。 【オドリー南の島】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-05-27 11:59:09) |
《改行表示》25.《ネタバレ》 メインストーリーも面白いがしつこいぐらいのサイドストーリーもなかなか見所がある。「スーパーの店員(津川)VSおばあちゃん」の物語が一番好き。 ホームレスが作ってくれるオムライスは本当に美味しそうに見える。お腹が空いている時に見るとやばいですね。 【湘爆特攻隊長】さん [地上波(邦画)] 8点(2006-04-12 23:40:43) |
24.《ネタバレ》 食を楽しむと言うものを素晴らしい表現で伝えてくれますよね。伊丹作品に纏わる役者さんたちの若かりし頃が見られて良いです。あ!この人は○○に出てた人だ!とか。個人的にはカキをむいてくれる尼さんが洞口依子さんと分っただけでも(マルサの女2で、ちょいエロ役で出てました。えっ!?スワロウテイルにも出てましたっけ?)ですね。残念なのは、ところどころの料理・食材が美味しそうに見えない部分ですね(ザルそばとか)。でもオムライスは美味しそう。 【お好み焼きは広島風】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-02-19 08:20:57) |
《改行表示》23.《ネタバレ》 ◆冒頭のラーメンの先生から、伊丹さんの食に対する姿勢がわかります。いまでこそ、飽食の時代でみなさんおいしいものを求めていますが、それと比べても知識としてはまったく劣らないあたりが凄い。◆配役もぴったりで、それぞれの演技力が素晴らしい。ワインのことについて語るホームレスや、役所広司が死ぬシーン、中でも特に大滝秀治のあの演技はすごい(笑)。◆あとエッチなシーンもいいですね、下手なAVよりどきどきします。伊丹さんは、エロスのつぼをおさえてますね、高尚なエロスといったかんじです。◆ただ、ちょっと過剰な演出が目に付きました。特に、スパゲッティのシーン。ちょっとあれは露骨過ぎます。◆血のついた牡蠣と山芋の腸詰はあまり食べる気になりませんが、食を中心にこれだけの映画を作れる伊丹監督の巧さに8点を献上させていただきたい。 【もりたろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-02-03 22:02:25) |
22.自分はラーメンが嫌いなのですが、見た後即効でお湯沸かしました(食べながらやっぱり後悔したけど) 一度でいいからあのエビのやつ、やってみたいな・・・(←変態) |
21.《ネタバレ》 伊丹十三監督の第2作。久しぶりに見たが、やっぱり面白いし、さびれたラーメン屋を立て直すメインストーリーに人々の食に関する群像劇を絡めて構成されているが、それがいかにも伊丹監督らしい着眼点で描かれていて、伊丹監督の食に対するこだわりのようなものも感じられる。「ラーメン・ウエスタン」とも称される映画だが、冒頭のゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)が「タンポポ」に入った後の店の雰囲気がいかにも西部劇の悪役がいそうなガラの悪い雰囲気だったり、このメインストーリーである「タンポポ」の立て直しのエピソード自体も西部劇を意識しているようでなるほどと感じる。このメインストーリーの合間にあるのがその他の人々による食に関する群像劇で、この部分もメインストーリー以上に面白く絶妙で、これがあるからラーメン屋のサクセスストーリーというだけではない幕の内弁当のような楽しさがある映画になっていると思う。その中でもやっぱり井川比佐志演じる男が今わの際の妻(三田和代)に炒飯を作らせるエピソードは今見ても印象に残るし、炒飯を食べる家族を見つめて笑顔を見せる妻がなんとも切ない。深夜スーパーに現れた老婆(原泉)とスーパーのマネージャー(津川雅彦)との攻防も面白いが「スーパーの女」を先に見ていると津川雅彦の役柄が正直屋の五郎の若い頃のように見えてしまうのも面白い。タンポポ(宮本信子)の息子にせがまれてホームレスが作るオムライスは相変わらず美味そうだ。大学教授を騙って詐欺を働く老人役が中村伸郎だったのは今回見て分かったが、彼のインテリ系イメージを逆手に取ったうまいキャスティングだ。そして狂言回しとして登場する白服の男(役所広司)のエピソードは黒田福美や洞口依子とのエロシーン(生まれて初めて見た濡れ場シーンだったので強烈に覚えていた。)が今見ても強烈なインパクトを残している。(黒田福美は同時期に戦隊もので悪役やってたのがこれを見ると信じられない。)料理映画だけあって登場する料理はどれも美味しそうに描写されていて、そのあたりも抜かりはなく、見たのは数日前だったが、見る前の夕食にラーメンを食べ、深夜寝る前に見たのだが、思わずまたラーメンが食べたくなってしまった。(2022年9月18日更新) 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2005-04-17 11:47:01) |
20.日頃思ってる事なんですが、映画っつーのは「時間ゲージュツ」としての側面がある以上、「あのシーンがよかった」みたいに映画をコマギレに味わうのは邪道であって、やはり映画全体の流れや構成の中でのそのシーンの位置付けに着目すべきだと思う訳ですよ(そうでなきゃ、映画は単なる「思いつき」の集合体に過ぎない事になっちゃう)。でね、そう思っちゃいるんですが、それでもやっぱり「あのシーンが好き」とかって、つい言っちゃう訳なんですな。邪道だろうが何だろうが、やっぱり楽しいですからね、そういう話するのは。しかし、特に本作、コレに関する限りは、もう堂々とコマギレにでも何にでもして、「どのエピソードが好きか」語り合いましょうよ。盛り上がりまっせ。多分、それが許される映画じゃないですかね。え、私ですか? 井川比佐志が奥さんの最後の料理を食べるハナシですな。クダラナイのなんの、もうバカ受け。それから、エピソードについてではないですが、何とも仰々しい音楽の挿入が、これまたアホでよいですねえ(リスト作曲 レ・プレリュード =前奏曲。人生とは死への前奏曲に過ぎないんだそうだ。ラーメンと何の関係が。あっはっは。なかなか深いぞ)。 【鱗歌】さん 8点(2004-11-23 03:00:52) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 「不味いラーメン屋を行列のできるラーメン屋に変身させる」というわかりやすいストーリーに、色々な食にまつわるエピソードをからめた傑作。脇役にこれでもかと出演する大物俳優や個性俳優を見ているだけでも楽しめます。ですが、食通向けの映画なら、細部もキッチリ描いて欲しかったです。(例えば加藤嘉のラーメンの食べ方、大滝秀治が注文した天ぷらそばに、天ぷらが入ってないのでは?と見える所など) 【カロ】さん [地上波(邦画)] 8点(2004-06-04 12:46:52) |
18.生きて行く上で絶対的に必要な“食”を、個々のエピソードで対比させる演出は実に見事だ。同時に“食の定義”をこれだけの構成をもって描いている作品は無いでしょう。食への執着とこだわりをタンポポ(宮本信子)を主軸として主観的に描き、そして一方では客観的に…そして淡々と描く本作は、伊丹作品の中で最も素晴らしい。“食欲と性欲は同じだ”…と誰かが昔言ってましたが、エロティックな描写も上手に演出しています。食のマナーに対するアイロニー表現も加わって、伊丹作品の中でもそのレーゾンデートルは高い。更に、名の有る俳優陣の演技を余す所なく活かしている作品も滅多にありません。劇中での食への追求はそのまま伊丹監督の作品創りへの追求と見て取れますね。 【_】さん 8点(2004-03-13 00:29:16) |
17.伊丹作品で一番の傑作だと思う。当時ブームとなったグルメ、食に対する執着の浅ましさを、色々な形で皮肉っているのだが、それで終わりにせずに、食べるという行為がいかに人生を豊なものにしているのか、という部分も表現しているところが好き。なんだかんだ言っても、最高の食事はお母さんの母乳だ、という終り方も最高。 【なおてぃー】さん [地上波(字幕)] 8点(2004-03-09 23:45:36) |