《改行表示》60.《ネタバレ》 一生に一度は見るべき名作ですが、人生の後半に差し掛かってようやく鑑賞できました。かなりの長時間作品でしたので見る前は腰が重たかったのですが、一度見始めるてみるとあっという間、噂通りの素敵な作品でした。(4KTV録画にて) 字幕必須ではありますが、導入部も非常にスマートで分かりやすい。もちろん中盤の人集めも楽しくてワクワクさせられますが、「7人」は少々多すぎてキャラ渋滞が発生していたように感じました。勘兵衛(志村喬)、菊千代(三船敏郎)、久蔵(宮口精二)、勝四郎(木村功)、七郎次(加東大介)の5人で十分で、五郎兵衛が平八を見つけてくるという、無駄な人物が無駄な人物をつれてきた感はぬぐえませんでした。 菊千代の演技が少々鼻につきますが、でも彼のおかげで緩急のバランスが良くなっていたのもまた事実。また彼が実質的な主人公で、最後の最後で壮絶な見せ場が待っています。「絶対何か問題が起きるだろうなぁ」という、志乃(津島恵子)と勝四郎のパートも面白くて目が離せませんが、何となく最後は適当に終わってしまいました。(まあ男と女ってこういうものなのかもしれない) 終盤の戦いパートも非常に丁寧に描かれていて、順に墨で×をつける流れや大雨の流れは心底胸アツでした。 オチのつけ方が賛否ありそうな流れでしたが、まあ・・「侍ってカッコいいよね」で終わらせてもいい映画じゃないでしょうか。定年したらもう一度ゆっくり見たい名作でした。 【アラジン2014】さん [地上波(邦画)] 8点(2024-03-21 17:20:26) |
59.《ネタバレ》 3時間半以上の大作ですが、面白くて一気に見てしまいました。長さを感じさせません。30軒やそこらの山奥の農村集落の狭い世界の話なのですが、とてもスケールが大きく感じられるところが魅力です。三船敏郎のオーバーな演技や、農民たちがどっと笑うところなど、必ずしもリアルとは言えないところもあるのですが、映像に妥協がなく密度が濃いので、安っぽくならないのですよね。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-08-22 19:08:03) |
《改行表示》58.《ネタバレ》 遠い昔に見た。 音声が聞き取れなかったので、字幕にして何となくは理解できた。 改めて思えば、アメリカ西部劇のプロットそのままだったりする。 (だから後の『荒野の七人』として上手くリメイクできたわけ)。 娯楽映画としての要素を全て揃えており、今見ると流石に古臭さはあるものの、 この泥臭さと洗練されてなさが人間の立体感を浮き上がらせている。 動と静の緩急が上手い。 村に平和を取り戻したものの自分たち侍を"負け戦"と称する、 儚さと寂しさと悲哀が漂うエンディングはアメリカでは作れない味わい。 時代の移り変わりに順応できない侍たちは死に場所を求めていたのではないか。 |
《改行表示》57.《ネタバレ》 三船敏郎がハマリすぎ。 志村喬めっちゃ味ある。 白黒映像だからこそ映えるあの農村の小汚い雰囲気。 まさに泥臭い殺陣。 とはいえ俺は好きだからこの評価だが 昨今の早いストーリー展開や劇的な展開で慣れている人には向いてないだろうな。 【Dry-man】さん [インターネット(邦画)] 8点(2019-03-10 12:50:14) |
《改行表示》56.午前十時の映画祭にて4Kデジタルリマスター版を鑑賞。TV・DVD・劇場含めて今回が初見なのでリマスター以前の画質を知らないため、リマスタリングの恩恵をどのくらい受けているのかは不明です。非常に面白く、3時間の長丁場もダレずに楽しめました。でも、日本映画最高傑作(人によっては全世界の映画で最高傑作との評価も)と名高い本作ではありますが、日本映画最高傑作か?といわれると私にはそうは思えません。確かに素晴らしい映画ではありますが、64年も前(2018年現在)の映画を未だに超えられていないということはあり得ないと思うんですよね。逆にもし本当に他の日本映画が七人の侍を超えられていないのなら、そっちの方がよっぽど日本映画の危機なんじゃないかと思います。 追記:見終わった後、映画の内容に関係なく、少し寂しさ・切なさを感じました。たぶん(風景だけではない、生活様式も含めた)日本の原風景を今はもう見られないことへの寂しさ・切なさなんでしょうね。 【MASS】さん [映画館(邦画)] 8点(2018-07-10 16:52:59) |
《改行表示》55.村での雨の中、馬を使っての決戦シーンは迫力! 菊千代が、決戦のときに、刀を数本地面に刺すところはお気に入り。 三船敏郎が、用心棒、椿三十郎とは違う、ひょうきんなキャラクターだったが、 相変わらずかっこいい! 【へまち】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-08-20 02:08:00) |
54.「生きる」と並び称される黒沢作品だが、個人的には「生きる」の方に断然軍配を上げたい。率直にいってこの作品は私には長すぎて中だるみしてしまう。もちろんつまらないわけではないが、世間での評価に今一つ納得できないでいる……。というわけで映画の方にあまり感動できなかったのだが、何かの本でみかけたこの映画の志村喬の写真に私は大変驚いた。「生きる」の志村しか知らなかったので、この映画で侍大将を演じていると知って「あの地味な印象(生きるの主人公)しかない役者が侍大将?」という違和感を(映画を見る前は)感じていた。ところが写真の志村を見て私はうならされた。風格があって堂々たる侍の姿がそこにある。たった一枚の写真でなるほど侍だと思わせるこの姿、いやはやこの役者は凄いなぁと感服させられた。 【空耳】さん [インターネット(字幕)] 8点(2016-10-22 16:10:19) (良:1票) |
《改行表示》53.邦画嫌いだったためこの作品を見るのが今更初めてです。 また比較的映画を見てるにもかかわらず三船敏郎の演技を今更初めて拝見しました。 まるで漫画に出てきそうなふてくされた表情が印象的で脳裏に焼き付いてはなれません。 ほんとインパクトが凄い。もっと見てみたいと思います。 内容云々について書き連ねる資格は私にはありません。 こんなレベルの私ですが、今後もレビュー投稿することをお許しください。 【午の若丸】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-12-01 16:20:27) |
52.1990年代に地元でリバイバル上映されそこで初見でした。劇場でこの作品を観れたのはラッキーだったかも。確かに長いし音声も古くて聞き取りにくいのは仕方がないのですが、面白かった!迫力も満点でした!家の小さなテレビで観てたら途中で退屈してた可能性も無きにしも非ず、劇場で最後まで観られて良かった! 【movie海馬】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-09-17 15:11:07) |
《改行表示》51.《ネタバレ》 ちょっと長かったがその分、武士と百姓のそれぞれの事情や、いきさつなどの描写が十分で面白かった。実際の戦のシーンはちょっと長すぎる気もするが、侍たちが半分やられちゃうには、充分な時間をかけないと不自然だものな。意外だったのは、ポスターにも大きく描かれている菊千代が、大した手柄も立てずにやられちゃうことだが、これは重大な意味を持っていると、私は考えている。 ちょこっとだけ気になるのは、武士たちが村を守る事になってから、百姓たちが兵隊になるところが唐突に映る。結局は兵隊がいないと戦えないとか、自分たちで戦わなければ村は守れない、とか言うシーンはあって然るべきだと思う。 さてしかし、最後に志村喬が言ったように、本当の勝者は百姓たちだ、と言うのは興味深い。彼らは、自分たちでも少しは戦うが、戦いの主導と主戦を、侍たちに依頼している。 戦いを他人に頼んで安全を確保する。長老の知恵は、現在の日本の知恵だ。それは数百年先んじていた知恵だったのか、現在の政策が数百年遅れているのかは分からぬが、今日本は自ら侍になるべく動き出している。 菊千代の死の意味は重大と前述したが、百姓から武士になった彼のように、日本がならねばいいのだが……。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-05-21 15:00:53) |
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《改行表示》50.ストーリー自体は単純ですが、侍と百姓達それぞれのキャラクター設定がしっかりしており、素直に面白いといえる映画です。 セリフが聞き取りづらいのと、207分と上映時間が長いのはちょっと難点だと思った。初めて見たので、もう一度見ればまた評価も変わるかもしれないけどね。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-11-04 11:06:44) |
《改行表示》49.高校生の頃、映画好きだった父親が薦めてくれた作品。 先入観もなく観ていたので前編が終わったところでええええ!と驚いたものです。 父親曰く「当時は映画館で前編が終わると途中で休憩時間が入ったんだ」との事。 また当時の映画で太陽を撮るのはタブーだったのを黒澤が破ったんだとか あの頃の時代劇は紋切り型のチャンバラだった中でリアルな殺陣を見せられて驚愕したもんだ…等々 黒澤明の凄さをリアルに感じた世代の説明はとても熱かったです。 そんな感じで、当時隣で父親が解説してくれなければ意味がわからない事も多かった点、万人に受ける映画というわけではないかもしれないです。 実際、友人に勧めてみたところ最初の数分で「何をいってるかわからないし不気味」という理由で離脱されてしまいなんて勿体無い…!と内心歯噛みしましたから。 父親のおかげで最後まで面白く観れたという思い出の映画、いまは亡き父に感謝。 【どぶん子】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2012-06-15 16:49:18) |
48.いろいろと内容の詰まった面白い作品だが、やはり長すぎて前半がだれるので、他の黒澤作品に比べると少し評価が下がります。 【ashigara】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-07-10 17:27:40) |
《改行表示》47. ストーリーは単純なのに、しっかりと心情描写されたシナリオ、モノクロスタンダードサイズなのに、迫力とリアル感たっぷりの映像、うまいだけでは言い表せない、シナリオと映像にぴったりマッチした各役者の演技、それらすべてをシンクロさせる監督・スタッフの技量と、どれをとっても一級品である。 日本映画史に残る名画、という世間の評価を意識せずに見ることはもう不可能ではあるが、今回もう5回以上の鑑賞となるのに、これだけの尺のものを最後までしっかりと見てしまうだけでも、名作という証拠か。 台詞も、色々考えさせる名台詞が揃っているが、「そっ首落とされようとする時にひげの心配するだか?」が何回見ても一番印象に残る。 【nobo7】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-05-04 00:30:30) |
46.《ネタバレ》 若侍(木村功)が農家の娘(津島恵子)と契ったことを糾弾する集会が開かれようとしたときから降り出す雨は、集会を中止する(批判的思考を封じる)だけでなく、死闘の空間(こうなれば誰も逃げられない総力戦体制)を脚色する。そう考えるとモンダイな雨の映画であるが、この雨はいまや福島原発事故のことではないのか・・・・というふうに真面目にクロサワ映画を扱っても滑稽でしかないか。 【ひと3】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-03-24 20:50:32) |
45.《ネタバレ》 「世界のクロサワ」による日本を代表する名作、この作品を観ずして邦画は語れません。魅力的なエピソードを経て集められた屈強な侍たちはそれぞれ個性が光っています。重厚な人柄で戦況を冷静に見つめるリーダー格を志村が好演、坊主頭を触るクセや笑顔が意外とチャーミング。豪胆で破天荒な侍を三船敏郎が怪演。他にもリーダーに弟子入りした多感な若侍、忠義心厚い武骨な侍など個性的な面々。七人の侍で生き残ったのはわずか三名。用心棒探しから農村での戦闘準備・百姓たちとの交流、白熱の合戦シーンまで207分間余すことなく楽しめました。モノクロ映像と早口なセリフで分かりにくい場面もあったがそれを充分補うストーリー完成度、傑作。 【獅子-平常心】さん [地上波(邦画)] 8点(2010-12-11 01:34:24) |
44.傑作です!長さも感じさせない充実した内容にハリウッドがほっとかないのも無理がない。木村功の演じる若い侍が尊敬してやまない、宮口精二の剣豪侍の役は特にカッコ良かったです。 【白い男】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-10-05 00:16:13) |
43.完成度は抜群でした。文句のつけようもなく面白かったです!ただ、時間がちょっと長くてだれてしまうところもあり、そこが残念でした。 【アフロ】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-03-15 04:51:15) (良:1票) |
《改行表示》42.《ネタバレ》 長い映画だ。百姓達が七人の侍を雇い、村を略奪に来た野武士と一戦交える。ただそれだけの話なのだが、侍一人ひとりの個性、百姓達の意識、そして異なる身分同志の交流と反発、様々なテーマを取り扱い、しかもそれらをきちんと、しかも適度なユーモアを以って描き出すにはこれくらいの時間はやはり必要なのだろう。確かに削るべき場所がほとんど見当たらない。 この作品を観て一番思ったのは、最後に勝つのは百姓なんだろうけど、自分は武士でありたいなあということだ。まさにラストの勘兵衛の台詞は「武士は食わねど高楊枝」の考え方がストレートに表現されており、苦笑を浮かべながらも彼は満足(仲間を失った悲しみはあるが)だったのではないか。他人を守り、そして黙って立ち去る。そこに武士の本懐が垣間見えて、僕もそんな人間でありたいと思った。偉ぶらず、人のために役立つことができる人間でありたいと思った。 そして、今だったら、それぞれ誰が演じるだろうと考えた。勘兵衛は寺尾聰、勝四郎は妻夫木、久蔵は寺島進、菊千代は…。いない。彼の演技はアクが強くて普段はあまり好きじゃないけど、三船敏郎って凄いなと改めて感じた。彼の最期のシーンはアクションなのに涙が出そうになった。百姓を捨てきれない男の怖ろしいほどの執念が見えた。 長かったけど、観て良かった。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-02-16 23:10:39) |
41.『七人の侍』言わずと知れた世界のクロサワの傑作。だけどこの分かりやすいタイトルが作品の評価を相当高く上げ、また観る者を少なからずミスリードしている。この話はいったい誰の物語なのか。まぎれもなくそれは侍でも百姓でもない菊千代だ。この作品は七人の侍の話としてみると、圧倒的な菊千代の存在感で影が薄まる侍がいて、それが脚本の不備として気になる。ところがはじめから菊千代の物語としてみると見事にしっくりする。この作品のタイトルが『七人の侍』でなければ、むしろ今以上に評価が高く、内容どおりの真っ当な評価がされたのでは。リメイク版『荒野の七人』が本作と比べて物足りない理由の説明がつく。タイトルに忠実に七人を描こうとしているから失敗している。(マックイーンが菊千代ならまた違っていただろうが)/竹林が風で揺れる音や水車の音等々。ちょっとした些細な演出が作品に多大に貢献することを知っていた数少ない監督だろう。ラストのどしゃぶりはやり過ぎのような気がするが、それはご愛嬌。 【michell】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-02-01 19:41:32) |