《改行表示》64.《ネタバレ》 当時は洋画ばかり観ていたから、もしかしたら初めて劇場で観た邦画かもしれない。お金の掛かってない邦画はテレビやレンタルで観るもので、わざわざお金を払ってまで…って考えで。 原作本が出る時にたまたまラジオで「中学生同士が殺し合う小説」って聞いて、何とも悪趣味な内容だなって思ってた。それが社会現象になって、映画化が決まって・・・テレビでは当然、肯定的な意見なんて取り上げられず、青少年への悪影響ばかりが取り沙汰されていたと思う。やはり中学生が、それも同じクラスの友だち同士に殺し合いをさせるという内容は、間違ってもコメンテーターが実名で「これ面白いですよ」なんて言えない時代だったと思う。 当時ネットとかあまりやってなかったから、私もテレビとかで言われる通り、表面的な話題性だけの、中身のない作品だろうと。当時流行っていたエヴァの亜種のように、気分が滅入るような殺し合いをネチネチ描写したものだろうと思っていた。 ただ怖いもの見たさと興味はあった。私ももう大人だし、この作品を通して何を思うんだろうか?アニメ以外で劇場で観る邦画は、どんなものか。 アクションはやっぱり当時の邦画だなって思った。銃の効果音こそ『バキューン!』では無くなってたけどリアルってほどではなく、まだ撃たれて死ぬ時、「ギャーッ!」って手足をバタバタさせて踊るような演技指導の時代だったから、当時流行ってた韓国のアクション映画に比べて、ひと昔前の作品感。 内容には引き込まれるものがあって、楽しい修学旅行から一転して、軍人に銃を向けられる非日常感。そこに退職したキタノが現れて、淡々と状況を説明される違和感。目の前でいきなり女生徒と親友を殺される恐怖と驚き。このあと時々国信のことを思い出すのがリアル。 有無を言わせず始まる殺し合い、出席番号順に名前を呼ばれ、自分のバッグを抱え、武器の入ったバッグを投げ渡されて、次々と走っていく場面の緊張感は、この映画イチの名場面だと思う。武器のバッグをキタノに投げ返す女の子が忘れられない。42人の生徒たちの個性、それぞれが考えを持って状況を捉えていることが、この映画を単なる“悪趣味な殺し合い場面集”と違うことを感じさせる。 単純に42人の殺し合いだから、2時間の映画では駆け足の殺人シーン・ダイジェストになるかと思ったけど、短い時間ながらそれぞれの個性をよく出せていたと思う。分厚い原作に細かい設定があったからこそだと思うけど。 どう見ても大人な川田と桐山も、殺し合いに参加する目的の、怪しい転校生(留年設定)として、案外違和感なく受け入れられた。何でも出来て安心感のある川田の関西弁キャラクターがホッとさせてくれて、主人公のサポートと、鑑賞者に状況を伝える重要な役割を担っていた。もし七原と中川が状況に振り回されるだけの映画だったら、観ている側も状況を理解するのに余計な時間がかかるし、生徒たちの掘り下げも浅くなっていたと思う。 ~『バトル・ロワイアル 特別編』につづく~ 【K&K】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-01-16 15:59:21) |
《改行表示》63.リアルタイムで映画館で観た勢で、公開前から国会で議論されたり、その年に少年犯罪が多かった事などから批判を浴び、それがかえって話題を呼んでいましたね。 初見時の私はやはり衝撃的な内容に驚きつつも、映画だからこそ体験できる非日常的な地獄絵図に血湧き肉踊っていたのも確かなのでした。 とにかく内容は単純で、ひたすら殺し合いが行われるんだけど、ビートたけしの存在感がこの映画を圧倒的に面白くしていると感じた。 ちなみに好きなキャラは相馬光子で、彼女の生に対する執着が凄いし、ただ奪う側に回りたかったという単純明快さは清々しいまでの悪女っぷりで最高だった。 逆に嫌いなキャラは千草で、戦闘能力はなかなか高いものの、悲劇のヒロインを気取り過ぎている点や、いちいち言動が大袈裟で、キャラを作りすぎている点が痛かった。 あとはまあ早々にゲームから降りる奴やなんとか運営を倒そうとする奴や殺人ガチ勢など色んな奴らが出てくるので面白い。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 8点(2017-11-30 20:22:30) |
《改行表示》62.《ネタバレ》 この作品が公開された時、ちょうどこの映画の主人公たちと同じ中学生でした。映画そのものよりも、R指定にするかどうか、過激がどうのなどと、大人たちがバカみたいな喧嘩をしていたという印象が残っています(映画冒頭の テロップにも唖然としますね。教師への暴行シーンがあるから?なめんなよ)。かといって、自分も映画自体には興味がなく、スルーしていましたが、最近になってようやく見ました。なんだ、面白いじゃないですか!原作を読んでる読んでないで評価はかなり割れているようですが、原作未読のオレは好きですね。キャラの描き方も、これくらいが丁度いいんじゃないでしょうか。Wikipediaで設定を読んだだけですが、キャラがスーパー中学生ばかりで、こんなもん描かなくてもいいだろうとすら思ったくらいです。明確には描いていなくても、キャラの奥行きを想像するのびしろはあったような気がします。柴崎コウの「奪う側になりたかった」という独白も、「それまでは奪われる側だった」という彼女の過去が垣間みれます。ちょっと生々しいシーンもあるけれど、彼女が一番好きなキャラだなあ。昨今ではあまりみられないヒリヒリ感が映画全体に漂っていて、意外や意外、大好きな映画になりました(この映画を「大好き」なんて言い方したらまた変な目で見られる?)。もし今バトル・ロワイアルをするならば、対象者は就活生とかになりそう。つくづくゆとり世代って他の世代から厄介者扱いだなあ(自分もゆとり教育世代のハシリです。) 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-13 14:01:23) |
61.小説、漫画、映画と全て見たが、よくまとめてるなぁというのが印象です。キャスティングも悪くないです。藤原竜也は上手い!! 【zack】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-12-03 11:22:24) |
60.《ネタバレ》 この映画は兎角暴力の場面がクローズアップされがちですが非常に強いメッセージ性を感じました。生徒たちはこれでもかというほどの仕打ちで死にまくりますが、まず、何故このような状況に陥る羽目になったのか。この辺はさすが深作欣二監督、丁寧に描かれています。なのでどちらかというとキタノに同情してしまった。今の若者はその場のノリなどで理不尽なことでもせせら笑いながらやれたりしてますが、最後のキタノの「人を嫌いになるってことはそれなりの覚悟が必要なんだ」というセリフとともに深作欣二監督は現代に警鐘を鳴らしたかったのではないでしょうか。 |
59.原作未読。映画のみの感想だが、これは凄い。中学生同士が殺し合うという内容に、公開当時は国会をも巻き込む騒動になった。だが、蓋を開けてみればいつもの深作節全開のバイオレンス作で、言われるほどの不道徳な作品ではなかった。安藤政信と柴咲コウの有無を言わせぬ暴力性、疑心暗鬼から生じる灯台での死闘。タランティーノが熱狂するのも頷ける。ただひとつ、七原ばっかり何でそんなにモテるんだ!? 【フライボーイ】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-11-29 17:13:36) |
《改行表示》58.もう、ちょーーートラウマ!!中学生のとき見て、修学旅行に行くのが怖くなり、また首から血が出るシーンを見て、すごく憂鬱になったのを覚えています。 でも、久々に見なおしたら、これ、実は泣ける映画だったんだなと気づいた今日この頃でした。 【SAKURA】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-02-19 21:46:47) |
57.《ネタバレ》 自分がこういう状況下に置かれたら・・・。三村的な行動を起こすかな、桐山も悪くない。守る守ると言ってて具体的な行動を何も起こさない主人公には全く感情移入できません。 【郭嘉】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-03-27 23:56:56) |
56.この映画好きっていうと人格疑われるかもしれないけど、それでも私はこの映画が好きだ。絶対にあり得ないシチュエーションの中で繰り広げられるリアリティ。人間誰でもあんな状況陥ったら、友達にも刃を向けるんでしょうね。愛する人も殺しかねない。そしてやはり凄い存在感をはなっていたのが栗山&柴咲コンビ。二人ともギラギラしてました。おかげでヒロインの女の子の顔すっかり忘れてしまいました(失礼)そして何といっても安藤政信!!!めっちゃかっこいい!!セリフ無しであれほど狂気に満ちた演技するなんてすごい!アクターズスタジオ生かおまいは!!いやいや惚れましたよ。藤原も良かったです。あとOPはかっこよすぎて鳥肌たちました。タランティーノが惚れるのもすっごく分かります。単純に良い映画でした! 【Ronny】さん 8点(2005-03-03 03:04:07) (良:1票) |
55.初めて見た深作欣二のバイオレンス映画だったのだが、70歳の老人が監督にしてはパワーを感じるし、面白かった。僕はこの映画を遺作だと思いたい。生徒役の俳優に関してはこの映画で初めて見た藤原竜也や柴咲コウ、栗山千明などが印象的。とくに相馬光子役の柴咲コウは怖すぎて今でもテレビなどで彼女を見ると相馬光子を思い出してしまう。桐山役の安藤政信もそれまで見た映画の印象とは違う一言も喋らない狂気に満ちた生徒役を好演している。それから、説明ビデオのシーンとビートたけしの役名が笑える。 【イニシャルK】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2005-03-02 22:51:36) (良:1票) |
|
54.序盤から引きこまれて観るのをやめられませんでした。中学生が殺し合うというテーマは問題じゃないか、とかはなぜかまったく考えなかったというか、そういうひまもなくどんどん映画が進んでいきました。暴力アニメで嫌悪感を感じる作品はたくさんあるのだけど、この作品にはそれがなく、ただ「死」を隣り合わせにして生々しく痛々しく輝きを増す「生」の姿がそこにありました。何度も眉間にしわをよせつつ胸が痛むような感覚を覚えました。不謹慎と言われるかもしれないけど、必死で生きる姿って美しいなあ、とただただそれを感じたのです。なぜでしょう。深作びいきなのかなあ。 【クリロ】さん [DVD(邦画)] 8点(2005-02-01 12:58:07) |
53.何を書いていいのか分からないし、既に色々書き尽くされてると思うのでシンプルに。…怖かった。色んな意味で怖かった。でも、救いがない訳でもなく、涙する部分もたくさんあった。いいとか悪いとかは個人の判断だし、見ること自体には価値があるんじゃないかなと思いました。はい。 【あかりん☆】さん 8点(2004-09-05 16:58:33) |
52.モラルを問われる映画だけど、私は嫌いではありません。なぜならある種のカタルシスを感じたからです。中学生同士が殺し合う、確かに前代未聞ですね。しかしその悲劇の舞台となった無人島は緑にあふれ、空や海は青く澄んでいました。そんな場所で、学校という小さな社会の中で生きてきた彼らはその象徴である制服を真っ赤な血に染めて戦いました。そこには一人一人の個性やドラマがありました。そして時には切なく時には壮絶に、みずみずしい若い命がたくさん散っていきました。そしてEDのモノクロの集合写真、それはまだ何も知らなかった頃のもう戻ることのできない思い出。青春の残像です。残酷だけど、どこか切なく美しく清々しい。けれどそれは映画の中だけのカタルシスです。もちろんこんな悲劇が現実に起こったら吐き気がするだけです。若い命が散るのは悲しいことです(感動的なBGMも流れないしね!)。だから見るなら現実と虚構をはっきり区別できることが前提です。リアリティは確かにないけど、コミック風青春映画ととらえて私は良しとしました。 【ピンク】さん 8点(2004-08-28 16:47:11) |
51.柴咲コウかなり恐かったなあ。リングの貞子より全然恐い。やっぱ人間て恐いよ。 【rainbow】さん 8点(2004-06-26 08:21:39) |
【ゲソ】さん 8点(2004-06-10 02:39:27) |
|
48.予想どおり点数割れてますね・・・。僕は不謹慎かもしれませんが、素直におもしろかったです。映像とテンポとそしてクラシック音楽が世界観を確立してます。これほど音響効果が印象に残る映画ってあったかな?くらい。映画を見たあと読書なんてしない僕が、あんなぶっとい原作を一気に読んでしまった。アイツも強いけどコイツも強そう・・・誰が勝つの?みたいな。主人公がのらりくらり勝つのは分かってますが、優勝候補同士の対決やら、一般学生の極限の心理状態やら見所満載。現実世界でしちゃいけないこんな事、映画にしてみたって良くないです?それを現実にしちゃいけないよってことで。そこは見る側の問題なので、作品としては全然アリ。 【ぷりとさね】さん 8点(2004-05-03 09:11:01) |
47.あえて高得点なんですが、いろんな意味で騒動が起こってた割には、中味は・・・報道の通りの映画じゃないじゃん?というのが結論です。報道側はちゃんと映画を観て報道してたのでしょうか?いかにもな映画が出来て、とりあえず叩いとけば主婦層の視聴率も取れるだろうな。この程度だったと思います。殺しシーンを繰り返せば、バイオレンス映画で危険だと思わせるだけの効果はあるでしょう。国会議員の試写にまで発展したし。とはいえこの世代に込めたメッセージは、具体的にはない作品。だけど感動の押し売り映画を見せるより余程見て欲しいから、この点数です。で、最近この映画を例の少女が借りてたというのをちょっと意図的に報道してますね。少女にとってはしょせん「コロンバインのボウリング」だったんでは?(わからないかた、ボウリングフォーコロンバインのほうを見てください) |
《改行表示》46.点数情報にある点数のバランスを見ると、この映画の特殊性が分かりますよね。突飛ではない設定の柔軟性に、驚きの映画です。 【オドリー南の島】さん 8点(2004-03-15 14:16:28) |
45.設定がおもしろい。皆の死に様を見て、自分がこの状況ならどうするかって考えさせてもらいました。あと武の演技は素晴らしいのひとことに尽きます。 【ふくちゃん】さん 8点(2004-02-26 11:18:38) |