2.《ネタバレ》 あまり前作の「ハンニバル」の映画が好きじゃない私としては、この「ハンニバルライジング」の方が、原作や「羊達の沈黙」のレクター博士に抱いたイメージに近かったので、なかなか面白かったです。(脚本もトマスハリスなので、そのせいもあるのかな)
もちろん、レクター博士の後々のあまりの怪物殺人者っぷり
を考えると、この作品でのハンニバル君は、まだまだ、控えめ・初心者な部分がたくさんありますが、年齢や、人生で唯一「癒し&愛」を与えてくれたレディ紫の存在を考えると、この時期が最後の人間→←怪物期だったのかな、とそんなに殺人のぬるさに関しては気になりませんでした。完全に怪物化して、超人化したハンニバルよりも、
こういう人間らしい部分を残したハンニバルを見せてもらって、ますますレクター
博士の事が好きに、というか、気になります。
妹を食べられた過去については、あれが後の全てのレクター博士の素ではないでしょうね。ただ、、前に本で読んだのですが、レイプされた女性のなかにはその後、わざと
売春や援助交際などをして、自分の身を汚そうとする女性が居たり、虐待を受けて育った人間の方が、普通の人より自分の子供を虐待する率が高かったりするようです。
なので、必ずしも、人間は「やられた傷」を再生して生きていこうとするより、
深すぎる傷をうけた人は、その傷を自ら掘るような事をして、生きていくしかないという場合もあるようで、レクター博士は、確かに、人間であることをすて、
再生する道も捨てて生きていく道を選んだのでしょう。
レディ紫を演じたコンリーが大変魅力的で、ただし、日本テイストについては、
中国と混ざっていて、日本人からみたら違和感はありました。