《改行表示》8.《ネタバレ》 ものすごく壮大かつ長尺ではありますが、そのわりに主要登場人物が少なく、しかも単純なストーリーなので、なんとなく最後まで楽しめました。要するにエジプトの神とヘブライの神の代理戦争ということで。いくら旧約聖書の物語とはいえ、ここまでコケにされたエジプト側は面白くないと思いますが、どう折り合いをつけているんでしょうか。 主人公2人がかっこいいのは当然ですが、もっとも人間味あふれるのはダタンですかね。さまざまな物語に登場する小悪人の原型のような感じ。モーセやラムセスは身近にいませんが、ダタンならどんな組織にも何人かいそうです。 と思っていたら、「約束の地」でリアル戦争が始まりそうな様相。やっぱり「神は死んだ」のか? 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-10-10 02:37:27) |
7.むかしむかしあるところに… ヘブライ人という人々が住んでいました…。とお話を始めるのが本来なら適当かと思います。本作品はエジプトナイル川のほとりで「ファラオ(王)がわたし達ヘブライ人の男の子を皆殺しにする命令を出したけれどこの子だけは。。。」と母と娘が生まれたばかりの男の子(後のモーゼ)をバスケットに入れて川に流すシーンから始まります。ヘブライ人(ユダヤ人)はナイル川の恩恵で生産性が上がったエジプトに労働力として移住してきたようですが、この民族は他民族と異なり、原始多神教ではなく唯一絶対神を信仰し、後年世界宗教となるキリスト教とイスラム教の間接的な始祖、ひいては法律や科学の基礎を築く民族になるのです。さて、お話しはほとんど終盤までユル・ブリンナー演じるファラオがこれでもかこれでもか、と言わんばかりにモーゼとヘブライ人を弾圧する内容に終始しますが、その過程でモーゼの杖が毒蛇に変わったり、モーゼが神の声に導かれたり等々、それはモーゼとヘブライ人達が「そうだ。われわれは神に選ばれている。われわれは世界の創造者たる唯一絶対神を敬う民なのだ!」と民族の自覚を獲得していく過程なのです。そして最後近くで神からの十ヶ条の戒めを与えられたモーゼが「規則なくして自由はない!」と宣言しますが、これこそ現在、宗教を問わず国家の基本となっている法治主義の起源なのです。数々の奇跡のスペクタクルが目を楽しませてくれる作品ですが、現在先進国に住むわたし達が当然と受け取っている考え方の源流を探ってみると面白いです。 【かわまり】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-03-29 01:17:12) (良:2票) |
《改行表示》6.この映画を見たのは小学校か中学校のとき、もしかしたら学校でまとまって見に行ったのかもしれない。画面の美しさ音響のすばらしさ、映画の圧倒的な迫力。私の子どもの頃は白黒の日本映画が普通で、カラーの映画(その頃は総天然色映画と言っていた)や外国映画は珍しかった。 この映画に匹敵するのは「風と共に去りぬ」、この2つの映画は何度もリバイバルで上映され、何度も鑑賞した。 「十戒」も長編だが、特撮技術を駆使し、見る者を飽きさせない。子どもながらに最後までおもしろく、目が釘付けになった。 内容の理解も、見る回数を重ねるうち徐々に深まっていった。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-01 06:56:14) |
5.後半宗教的なエピソードに入ったあたりから、確かに一歩下がる自分はいました。とはいえ、映像的にも現代に全く引けをとらない迫力で、時間の長さを感じることなく最後まで楽しむことが出来ました。音楽も秀逸です。 【njld】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-05-31 01:24:16) |
4.「映画は見世物」という精神を終生貫いた、サイレント時代からの巨匠デミル監督が晩年にこしらえた超大作。多分スクリーンで観ていたら、絶対もっと評価は上がったはず。王様ブリンナーも、無駄に色っぽいアン・バクスターのお妃もすこぶる魅力的で、こういう映画にありがちな説教臭さが少ないのが一番有難い。紅海が真っ二つに割れるシーン、子供だましと思いつつ何度観ても興奮してしまいます。自分は「ベン・ハー」よか断然こっち! 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(吹替)] 8点(2007-02-24 16:20:31) |
3.壮大なテーマの映画は、しょせん「映画」という枠から出られないために、人間の頭が想像する壮大さを超えられないのが常だと思います。原作が映画化されても原作は超えられないというヤツです。もちろん例外もありまして、本作もそのひとつだと思っています。本作の特撮は果たして陳腐でしょうか。安っぽいCGよりよっぽどリアリティがあるとは思いませんか。宗教がテーマだから入り込みにくいでしょうか。モーゼという純真な男の一大冒険叙事詩とは捉えられませんか。彼の葛藤と成長がよく表現されていると思います。ということで、私は「ベン・ハー」よりこっちが好きです。オススメ! 【えいざっく】さん [地上波(吹替)] 8点(2004-10-02 09:09:29) (良:1票) |
2.映像の技術的には明らかに陳腐であるのに、その画面から今尚ものすごいパワーが溢れてくる。黄金時代と言われた当時の娯楽映画界のエネルギーがそのまま注ぎこまれているように感じる。もはや50年近くも前の映画である。スゴイ。アメリカの娯楽映画の歴史の大きさを感じる。 【鉄腕麗人】さん [地上波(吹替)] 8点(2003-10-07 00:52:47) |
1.宗教をテーマにした映画だけれど、人間の欲望をあからさまに書いた映画でもあるような気がしました。キリスト教徒じゃなくても結構楽しめる作品だと思うのですけどね。全編現代のCGで作り直されたら興ざめな気がします。やはりこの時代に作られた映画だったからこそ素晴らしいのでしょうね。【余談】まぁ、宗教的な話になるのでしょうが、十戒で「人を殺すなかれ」と言ってるのに、『神』を信じてない者達がどんどんと神の奇跡によって殺されるというのは腑に落ちないのですけど、、、、。これは映画の脚本とは関係ないのでしょうけどね。依怙贔屓をして、そんな心の狭いのが『神』でいいのかい? 【kazoo】さん 8点(2003-09-01 16:31:16) |