71.《ネタバレ》 アンジーのローラースケートがチャーミング【8点】
実話(ゴードン・ノースコット事件)をベースにしているだけに実に生々しく異常な世界の描写に
成功している。
クリスティン(アンジー)の子どもウォルターが行方不明になってから精神科に収容~解放される
まで実にもどかしく理不尽な扱いの数々が映画の半分以上を占めている。
1863年「奴隷解放宣言」1865年「南北戦争」終結を経て60年以上が経過し、自由と正義を重んじ
ていたはずのアメリカの1920-30年代がこんな世界だったなんてあまり知られてないのかもしれない。
実に酷い世界だ。行方不明の子どもに警察がなりすましを指南。母親が間違いを指摘すると精神病院送
りなる。病院では警察が正しい事を認める書類にサインしなければ病院から出してもらえない。医師に
逆らうと電気ショックを受ける。警察本部長も事の真相をもみ消そうとするという悪辣な話。
しかし物語中盤以降は、牧師等が支援団体となり有能な弁護士により警察の不当な行為が断罪されてゆく。
また連続誘拐殺人の犯人も捕まり絞首刑の場面まで映像化されている。実際はどうなのかしりませんが
かなりショッキングなシーンです。2時間以上の尺がありながら長いとは感じ無かった。
とにかくクリスティンを信じて欲しい、病院から出して欲しい、ウォルターが見つかって欲しいと願いながら
見ている自分がいました。
最終的にはたぶんウォルターは殺害されていたのかもしれませんが、事実は判明しませんでした。でも証拠が
無い以上母親は生存を終生信じる続けたそうです。なんとも辛い事件です。