1.《ネタバレ》 日本のアニメの影響力の大きさがベースにあるとはいえ、100分程度で十分「ハイジ」を味わえる魅力がこの作品にはある。小作品ながらアルムおんじ扮した名優マックス・フォン・シドー、神経質で高圧的なロッテンマイヤー役にジェラルディン・チャップリンを起用。アルプスストーリーとアムステルダムストーリーにそれぞれ配置、見事に功を奏している。彼らは限られた分数を収めるべく、ほんの少しのシーンで演じる役の背景や人物像を端的に表現してくれるのだ。そしてやはり主人公ハイジ役のエマ・ボルジャー。顔パンパンの女の子がとっても可愛くいとおしい。おそらく撮影現場でもスタッフ・キャスト陣から可愛がられたに違いない。ファインダーを覗いた監督は演技とは違う彼女の天真爛漫さにほれ込んでいるのではないか、そう思えるほど生命力にあふれているのだ。