13.《ネタバレ》 コロナパンデミックのご時世なので、思い出して5年ぶりに鑑賞。
致死率30%の強毒で、潜伏期間が数日ある為に感染爆発するヴァイルス。
年齢による重症化率の差は無く、感染から10日程度で脳細胞が崩壊し死亡。
例によって中国から始まるのだが、最初のスプレッダーがアメリカへ帰国して死亡するが
帰国途中の中継地で浮気してしまい、広範囲に拡散。
多数の有名俳優が、WHOやCDCを始め、政府関係者や研究者の面々を演じる構成の為
ストーリーはぶった切のドキュメンタリーの様相だ。そこがイイ。リアルな趣がある。
ヴァイルスの感染拡大のパニックの流れと平行に、フリージャーナリストが暴走して
デマを広め、投資家を誤誘導させて経済市場も感染爆発へ。自身は5億円も稼いでしまう。
ただ、政府のワクチンが偽物だと決めつけ、効かない薬草レンギョウを大々的に推奨した
事で、この先膨大な訴訟が待っているらしい。
医療は崩壊、葬儀もできず、警察もオーバーフローし、食料の配給も滞り、強奪や強盗も横行。
街はスラム化し、引きこもるにしても銃で武装が必要な状態へ。
ワクチンができても数が足りるわけもなく、奪い合いどころか、誘拐してワクチンと交換要求する
事件が多発・・ どこまでも腐敗して膨張する人間の業に、辟易する映画ではある。
実際こーなるだろうという、よーくできたシナリオですが、マスクや防護服の不足の話は無い?
死亡率が高いので、今流行っている新型コロナを恐れない若者たちは、この映画では少ない。
一応ですが、何か月も自宅待機でのストレスの描写はあるが、セレブの広い自宅でピンとこない。
下層の国民の生活の方を描いて欲しかった。
ふと思うのは、ここまで荒廃してしまったら、公共事業が維持できていたのかという疑問。
電気ガス水道は来ていたのだろうか? 「死にたくないから他人と離れたい」じゃ、仕事に支障
きたすのは、民間人だけじゃない。その辺の掘り下げが今一つかなあ。
でも、よくできた映画だと思います。残念なのは2011年の公開時期が、大震災の後であり話題に
なれず、記憶に残らずに公開終了していた点かな。 今こそ再評価されるべき貴重な映画です。