3.《ネタバレ》 舞台は違う。アンヘラは出ない。でもこれを1本のゾンビ映画として見た場合、私はかなりよく出来た作品だと思いました。
無駄とも思える冒頭20分の結婚式のくだり。この20分と後半60分の惨劇の対比。日常が侵食される恐怖。これこそがゾンビ映画の醍醐味。
厨房。披露宴会場。中央管理室。中庭。教会。地下道。教会を除く全ての場所にゾンビが登場。すべての場所に惨劇とドラマを用意。短い尺の中、これだけの要素をテンポよく盛り込んでくれたことに拍手を送りたいです。
クララを助けに行ったコルドと、脱出するクララのニアミスは焦燥感を募らせます。再会を喜び合ってキスをするのは勘弁してって思います。どう考えたったそんな場合じゃないでしょ。
ラファやナタリー、スポンジ・ジョンや調査員、そしてアトゥンなど、モブキャラの存在感が良い。それぞれの壮絶な最期も良い。
監視カメラの映像で見るバス襲撃の惨劇、更にはその背後のTVに映る、『1』のアパートのニュース映像。これはシリーズの特性を活かした名シーン。ゾンビパニック映画としても屈指の名シーンだと思います。
ラストの切な過ぎるバッドエンドも申し分ない。
あえて意見を言うとしたら、叔父さんがゾンビになってからの展開が早すぎる気はします。1作目では、少しずつ感染者が増えていく恐怖というものが描かれていました。こちらでは、あっという間にサバイバルに突入し、あとは『戦う』『逃げる』の繰り返し。1作目にあった、マジョリティから徐々にマイノリティへと追い詰められていく恐怖は感じられなかったですね。