6.《ネタバレ》 マイケル・チミノの監督デビュー作。
本作から始まって、「ディア・ハンター」が絶賛され、「天国の門」で地獄を見て、
「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」でプチ復活もありましたが、その後はパッとしなかった。
今となると、この人のこういうスケールの映画をもっと見たかった気がしますね。
全体的にコメディタッチにまとめられながらも、ニューシネマ的な哀愁が漂う凸凹コンビの男2人が中西部を行くロードムービー。
年長者と勢いのいい若者、そんな2人のコンビぶりは、本作の前年製作の「スケアクロウ」と重なって見えた。
刹那的な生きザマのライツフットを魅力いっぱいに演じて見せたジェフ・ブリッジスですが、
それだけに彼に待ち受ける運命を思うと、どこかおどけたような作品の空気そのものが悲しさを誘います。
大らかな中西部の風景と大らかな作風の中に漂う、笑いと哀愁が入り混じったような空気感がたまらない一品です。