1.《ネタバレ》 テンポの良さも引き継がれているし、成長したクロエちゃんもカッコイイバイクを乗り回して大活躍。全体的に前作よりエグみが増していて、より下品により陰惨になっている。レッドミストが主人公に復讐するという2作目としての流れはスパイダーマンのそれではあるが、彼のブチ切れっぷりは清々しくて楽しくなってしまった。悪者軍団もバカバカしくって、こういう頭の悪さは好きだ。
ただ、前作に比べて、音楽の使い方とか細かいセンスの部分が足りていなくて、キック・アスならではの持ち味を削いじゃっている部分は多かったか。
ところで、現代のヒーロー物では、ヒーローが自身のアイデンティティで悩む描写は避けて通れなくなっている。キック・アス君は軽い気持ちでヒーローになっただけなので、その辺りは描写してもいいが、ヒット・ガールにその描写はほしくなかった。殺人マシーンとして育てられているのに哀愁がなく、精神的にもぶれずに最強である彼女に我々は惚れたのではなかったか。苦悩したら、それはただの普通の戦士だ。ヒット・ガールだけの最高の持ち味を一つむざむざ削ってしまうとは…。
ジム・キャリーは仮面しているシーンも多いし、ほぼ見せ場なく退場。これをジム・キャリーにやらせる意味なくない?
終わり方もまとまってはいるんだけど、暴力(私刑)を肯定し続けておいて、「最後にそれ?」っていう。
などなど文句をつけたいところも多いけど、とてもおもしろかったよ!!
前作のキック・アスに思いればある人ほど、2を好きになれないかも?