7.《ネタバレ》 よくある恋愛ものかと思ったが、ありきたりではないラブストーリーが面白かった。
婚約者がいるのに香港で出会った女とセフレのような関係になる男は、純愛ものの主人公らしくはない。
そこに、綺麗ごとに収まらない人間臭さが感じられた。
婚約者にとっては、とんでもない不埒な男だろうけど。
婚約者に嫌な面が描かれていれば男への同情もできたのかもしれないが、あれでは男に同情の余地はない。
ただ、それが嫌悪感にはつながらなかったのが救い。
大陸から出てきて香港ドリームを抱いた二人の日々が貧しくも眩しい。
マギー・チャンは綺麗とは思わなかったが、表情が良い。
その演技力に魅せられる。
大晦日に初めてキスした時や、再会して別れ際に自分の気持ちが抑えきれなくなった時など、素晴らしかった。
エリック・ツァンは腹黒いヤクザ役かと思ったが、悪ぶって別れてあげようとする男気にシビレた。
その男気のせいで、逆にレイキウは別れを告げられなくなってしまったが。
シウクワンとレイキウは、惹かれあっていながらもフラフラとスレ違いの繰り返し。
じれったくてフラストレーションが募る。
それが、ラストにニューヨークの街角でバッタリ再会するなんて、どれだけ天文学的確率なんだか。
でも、そこに目をつぶってファンタジーとして楽しむのも悪くはない。
見つめ合う二人の笑顔に拍手。
外国が舞台なのに、昭和の臭いがする映画。
テレサ・テンの歌が効いているせいもあるのだろうか。