1.《ネタバレ》 『悪魔のいけにえ』のつもりで見ると、『あれ?なんか違うじゃん。』ってなるかもしれません。
でもサスペンスホラーとしてみると、かなりよくできた良作だと思いますよ。
タイトルもう少しわかりやすくしたら、また違ったかも。『悪魔のいけにえビギニング~そして伝説へ…~』とかだったらわかりやすい。くそダサいうえにパクリですが。
短めの尺に見所たくさんつめこんで、ホラーファンにはサービス満点。テンポ、スピード感も丁度良い。最後まで見ると、やりきれないドラマ性まで感じられちゃう。ヒーローがダークサイドに堕ちるまでの悲しい物語?
とにかく狂人しか出てきません。唯一まともそうだった保安官ですら、ソーヤーママと金で裏取引。挙句に豚のエサにされちゃって。
ジェドはジャクソンなのかバドなのかっていうのを曖昧にしているのも面白い。それくらいバドの存在感が際立っています。
この映画が面白いのは、加害者が被害者に、被害者が加害者に、コロコロ攻守交替するところでしょう。
まずはマッド・ドクター。次がアイザックとサイコパス彼女。主導権を握る人間がどんどん変わっていくわけです。
そしてその2人を殺っちゃうのがバドってのも面白い。バドが凶行に及ぶときの演出はラスボス感漂わせていて、完全にミスリードを狙っています。
終盤になるとハートマン保安官が娘を殺された復讐を果たそうとめちゃくちゃします。
もう殺人鬼たちのバトルロワイアル状態。『毒を以って毒を制す』のノリが好きな人ははまるはず。
こんななかにほうりこまれた一般人代表のナース、リジー。
最後は自分をずっと守ってくれたナイト様からのまさかの首チョンパ。合掌。
個人的には大好きなノリで、ホラーのなかではなかなかの力作で傑作です。