1.《ネタバレ》 正直なところ見事に騙されました。まさかまさかの展開がラストに待ち受けていました。(以下大いにネタバレです)
殆ど予備知識なしに鑑賞したので、難病の少年が不気味な医療施設に入院してワケの分からない治療を受ける。しかし、その医療施設はひとりのマッドサイエンティストが営んでおり、少年は生体実験の材料にされてしまう。難病の少年だからこそ体内に持っている成分。その成分を取り出すことでサイエンティストは恐ろしい薬物を作り出していて…みたいな物語を予想していました。
実際、始めのうちはその線で観ていたのですが、ところがところが幽霊さん登場。あれ?これって幽霊話?イカレタ医師が実験的治療を繰り返し、犠牲者の霊が彷徨う館?外から語りかけて来るヘイリーも実は幽霊?中に入ると血まみれになる?
でも、話が進むうちに幽霊さんたちってイーライの味方?何かを伝えてくれようとしている?そもそも医者やスタッフだけじゃなくて父親も怪しい?何も知らない母親は協力させられている?
更に進むと、あれ?医者もスタッフもシスター?え?ここは教会関係?もしかしたら悪魔崇拝?黒魔術?イーライたち被験者は生贄?そもそもイーライには病気なんて無い?
そしてクライマックス。あれ?シスターたちは悪魔と対峙している?え?イーライって憑依されてる?えええええっ!?イーライは悪魔の子だったの?悪魔パワー全開??ということは、父親は悪魔の子であるイーライを不憫に思いつつもシスターたちに協力して悪魔の子退治を目していたの?父親の方が善玉的存在?
あぁ、完全に騙されました。途中、自室から逃げ出したイーライが母親とスキンシップするシーンがいくつかありましたが、その度に「外気を遮断したって、たとえ親だからってベタベタしてたら何かしら感染しちゃうじゃん!」などと呆れて見ていましたが、そもそも免疫不全がないなら関係ないし、両親ともそのこと知ってるし。ただ、冒頭のシーンとか旅の途中で絡まれるシーンで実際に発作起こしてるのは何でかな?という疑問も残ったりはしますけれど。
結局、「オーメン」的なストーリーだった訳ですね。「666」の痣はないまでも生みの親が認めてる訳ですし、何よりも怒り心頭でイーライが目覚めちゃう訳で。父親はある意味可哀想。頭潰されお亡くなり。母親は元々悪魔に魂を売ってるからとりあえずはドライバーとして使われるけれど、二人が悪魔のもとに着いたら御用済みってところでしょうね。
悪魔が絡むと何でもありだから悪魔モノはあまり好まないのですが、本作は先が読めない展開を大いに楽しめました。傑作とまでは言いませんが観て損のない佳作ですね。勿論、事前情報なしでという条件付きで。