《改行表示》20.《ネタバレ》 タルコフスキーは、歳とって観ると、いいんだなぁ・・(しみじみ) この映画を観て、手塚先生は、火の鳥のSF版の構想練ったんじゃないかなぁと思える。 頭脳を持った惑星っていうのがいい。 宇宙船のクルーのイメージを物体化するという惑星。 個々の抱くイメージのお客がくる。 果たして、主人公には死別した奥さんが現れる。 このお客との接し方が、惑星との対話になるんだね。 で、ラスト、この惑星が、地球人をどう受け入れたかが分かる。 いいよね~ 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2024-02-18 19:46:57) (良:1票) |
《改行表示》19.この手のテーマの映画をはじめて見たので、素直に感動しました。 冗長な部分もありますが、独特な世界観は必見です。名作。 【めたもん】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-01-21 23:14:06) |
《改行表示》18.《ネタバレ》 久々にブルーレイで鑑賞したが、映像が鮮明なだけに大昔にVHSで観た時より堪能できた。 (ブルーレイの画質、色味に批判的な意見もあるが、それでも美しいと思う) こういう作品は理屈でわからなくてもいいのだと思う。じっくり不思議な時間を体験すればいい。 芸術を楽しむコツは、観ている間はあまり考えずに、じっくり観て聞いて感じることであろうと思う。 この作品は劇映画というより、オペラや能と同じ類だと思う。 首都高のシーンに象徴されていると思うが、科学の発展によって人間の生活テンポは限りなく早くなり無機質になってゆく。 人間は、もともとどうやって暮らしていたか、どういう生活のリズムを持っていたか、 度々回想される主人公の家庭のシーンが表現しているように思う。 なにしろアメリカと宇宙開発、核ミサイルの数で競っていた70年代のソ連である。 体制批判と取られないような表現で、この作品を作ったことは相当すごいことであるように思う。 「恥を知らなければ人類は滅びる」自分はこのセリフが最も印象に残る。 現にこの国でも科学に対する盲信が原発事故を起こしてしまったのだとはっきり思うし、 こういうことを予見していた映画だと今の自分は解釈する。 解釈は人それぞれで良いと思うし、多くのハイテンポな映像ばかりに溺れるのではなく、じっくり「時間」を体験するということは若い人たちにおすすめしたい。 【どっぐす】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-08-02 00:59:16) (良:1票) |
《改行表示》17.《ネタバレ》 間違いなく素晴らしい映画だが、このテーマをこの題材で扱う必然性はかなり薄い。 無重力のシーンや夢のシーンは美しかったが、無意味に世俗的なラストシーンなど、この映画を台無しにする部分が幾つかあった。 音楽の使い方がうまく、ぐっとするシーンもあったが、それらのシーンは「ソラリス」とは関係のないシーンばかりであった。 題材をより直接的なものにした後期の作品での方法で、このテーマが扱われていれば、おそらくより良かった。 【浅田荷葉】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-03-26 15:58:50) (良:1票) |
《改行表示》16.《ネタバレ》 清廉な水の映像から映画は始まる。 クリス・ケルヴィンは妻を自殺で亡くした心理学者。時のソ連は「ソラリス」と呼ばれる星の探査を続けていた。どこまでも続く海と霧(雲)。その探査がどうにも不調であるとのこと。探査チームはクリスを送り込み、ソラリス探査を続けるかどうかを判断する。 無事にソラリスのステーションにたどり着くと、荒れたステーションと感情の海が彼を待っていた…。 SF史上類を見ないくらいに叙情的な一作。 クリスとクリスの妻のコピー(美しい!)と海と。本当に細やかな人間や男女の心情の変化をつぶさに描きとらえたタルコフスキー監督に感動。そして本作は間違いなくラブロマンスではない。SF超密室サスペンスだと強く思う。わざと冗長に、映像・間・完璧な音楽・思わせぶりな博士たちの発言。どれもがラブロマンスであることを否定している。 何といっても海の描写。怖いくらい。「溜まる海」「留まる海」がカメラの中に。 驚愕のラスト! 謎だらけで謎のまま終わるのに、テクストとして完全に成り立つSF界の異色の大傑作! 【JF】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-12-02 14:20:57) |
《改行表示》15.《ネタバレ》 こう言うとタルコフスキーは草葉の陰で激怒するかもしれないが、この映画の魅力の大半はハリー役のナタリア・ボンダルチュクが負っている。容姿の美しさもさることながら「地球外生命体によって造られた人間のコピー」という難役を完璧に演じ切っている。赤ん坊のように天真爛漫で聞き分けのない登場序盤、思春期のように不器用な中盤、生の感情を爆発させ、突然悟る終盤。 ハリーは男の記憶から造られた女で、「男の夢」を具現化している。この映画に惹かれる人の67%(当社比)はハリーに惹かれている。おれもソラリスに行ってハリーみたいな女が欲しい。タルコフスキーはそれに途中で気付いてラストシーンで慌てて否定するがもう遅い。みんなハリーの虜。 終始陰鬱でアンハッピーエンドな作品にもかかわらず不思議と後味は悪くない。タルコフスキーはSF要素を邪魔と感じていたらしく、SF映画と思って観るとかなりのおあずけ感を食らう。映像的暗喩に次ぐ暗喩、特に前半は暗喩による伏線なので一度観終わってからでないと意味がわからない。この映画は何度か見て初めて真価が分かる作品なのだろう。幸い美しいハリーが待っていてくれる。 【tubird】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-09-24 21:43:28) (良:1票) |
《改行表示》14.《ネタバレ》 主人公クリスに魅力がないのが残念だ。中年太り、生気のない眼、もじゃもじゃ髪、心理学者らしいところがなく、現象の解析や心理分析も一切行わない。亡妻ハリーの出現に驚愕し、短慮にもロケットで抛棄したり、わけなく愛の幻影に溺れたりと、全くの素人状態。地球基地に報告も行わない。そもそも単独で調査に乗り込む設定に問題がある。バートン証言が真実ならば、行方不明のフェルネラはソラリスの島の庭園に赤ん坊と暮らしている。海を泳ぐ4mの赤ん坊は、フェルネラの未だ見ぬ新生児で、実体化されている途中。クリスも同じ運命を辿る。彼と父との関わりは不明確だが、出発前に「今生の別れ」めいた会話があったので、父は不治の病なのだろう。亡妻、亡母へのトラウマは癒されたので、父との生活を選んだのである。想像だが、ソラリスの知能の海と交信して、心が癒された者だけが島に留まり、海と共生(意識の交流)するのだろう。海が欲しているのは健やかな精神だ。他の船員は精神の傷が癒せないため、海と正常な関係が結べず、望まない者が出現したり、鬱病になったりするのだろう。海に知性があるという設定が蠱惑的だ。更に人間の潜在意識を実体化する能力があり、コピー人間は元の人間と同じ記憶、感情を持ち、人間と同様愛し、悩み、苦しむ。それなら元の人間とどう違うのか?生命の価値観、愛の価値観の見直しを迫り、意識とは何か、進化とは何か、幸福とは何か、問いかけてくる哲学的な内容。より身近に言えば「故郷地球を捨てて、復元された理想郷ソラリスに住むのは幸福か」という問題になる。 実体化した妻のあわれさ、美しさが感じられれば感情移入できる。心理学では水は無意識の象徴だ。冒頭クリスは美しく流れる川を眺め、池で手を洗い、雨に打たれて濡れる。宇宙船では母に腕を水で洗ってもらい、島の家では天井から水が瀝る。浸透する水は意識の変容を表わす。鏡も同様な意味で使われている。監督は水、鏡、カラーとモノクロの切り替え、テンポの遅さで意識と現実の境界を曖昧にし、観客の無意識に働きかける。「海」が人間にとって「魔物」なのか「救世主」なのか不明だが、自殺者を出すのだから、ローレライの魔女のようなものなのだろう。ただ癒しの力、再生力は不老不死に似ていて「神」に近い。人類がみな虜になってしまう可能性もある。尚、林檎は知恵、馬は恐れ、火は再生の象徴で、それぞれ適確に挿入されている。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-09-16 06:53:25) (良:1票) |
13.ストーリーは非常に分かりやすいが、この映画に何を観たかを説明することは非常に難しい。前半の約一時間は地上の自然を描くが、このシーンがあるからこそ一種の郷愁が宇宙で作用する。タルコフスキーの映画は常に郷愁、ノスタルジーが強烈な原動力になるが、それがあるからこそラストが特に際立つ。結局は良心の問題なのだ。タルコフスキー映画に通底する親子、良心、ノスタルジーといった諸問題を非常に分かりやすいストーリーで描ききった大作。最初にタルコフスキーを観るならこれだろう。 【Balrog】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-10-30 22:20:48) |
12.《ネタバレ》 面白いとは思いません。下手に他人に勧める映画でもないと思います。けれど、僕はこの映画を見たときのショックをずっと忘れることができません。映像では表現されない「ソラリスで見たもの」を語る飛行士がネクタイを緩めるシーンから引き込まれました。何か気味が悪く、そしてとても淋しい気持ちに襲われる映画です。そんな世界からやっと帰還した主人公を取り巻く地球の自然の景色に、とても心が癒されて、織田裕二と同じセリフを言いたくなるのだけれど、最後の最後にどうしようもなく鬱になりそうなほどのラストパンチをもろに受けて立ち上がれなくなる感じでした。 【だみお】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-11-03 01:46:08) |
11.《ネタバレ》 SF映画と思って観たので、その仕立ての質素さにちょっとびっくりしました。しかしドッカンドッカンした感じのSF映画があまり好みではない私にとっては良い驚き。よく考えると背筋の凍るような出来事が起こっているのに(何か背丈の低い人間が一瞬だけ出てきたがあれは何だったのだろう、すごく怖かったけど改めて観るの怖いからやめました)、そこんところは「ギャ~~~!」的なリアクションも音響も映像効果も何もなくサラッと流されてしまうところが逆にリアルでぞっとします。ちょっと間を置いてから「え、ちょっと待って今の何?」と考えてしまう。現実でもそんな感じじゃないでしょか。哲学的な面については考えるのに体力がいるのでここで語るのはやめておきます。しかし皆さん眠くなったとおっしゃってますが、確かにこうした雰囲気の映画は観るのにものすごく体力がいりますね。コンディションが良い時にしか楽しめないかもしれません。 【クリロ】さん [地上波(字幕)] 8点(2006-01-10 22:59:28) |
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【ニコレット】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-08 18:18:21) |
9.プロットは最高なんですけど、見せ方が…。というのも僕ね、徹夜で大学行きまして。授業終わってフラフラになってる時に、図書館という静寂の中で見たわけです。そりゃもう…ソラリスZですよ。いや、断言しますけど寝てはないですよ!! 全部観ましたよ!! 第2部はすごく見やすかったですけど、1部は徹夜の翌日には少々辛かったです。僕にとっては、愛の話です。あと「知識が不安にさせる」でしたっけ? あの言葉が「フムフムなるほどなぁ」と 【ようすけ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-12 00:50:11) (笑:2票) |
8.《ネタバレ》 てっきりあの乗組員全員ともがソラリスの創り出した幻で、最後に主人公が家に帰ってみるとそこには本物の自分が…などというオチを勝手に予測していたのですが、いやはや。一度嵌ってしまうと抜け出すことのできないソラリスの海、恐ろしいです。しかしキューブリックの「2001年~」と言い、どうしてこの手のSF映画は馬鹿みたいに退屈なのでしょうか?(褒め言葉として)そのどうしようもない気だるさが逆に心地良いのですが。やっぱり宇宙という広大さが念頭にあるからでしょうか。それから高速道路のシーンは何故に日本?確かに近未来っぽい雰囲気は出ていましたが。しかもこれ微妙に低予算っぽくB級臭さを感じさせます。本作に限らず映画というものは、どんな状況下においても面白い作品を作ることができるということを証明しているような気がします。尤もこんな神業みたいな作品を観せられた後では、撮る方も意欲が失せるでしょうが…ガックリ。 【かんたーた】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-02 18:47:08) |
《改行表示》7.この映画はどのように観ようとするかで、ずいぶん印象が違う。 原作者レムはこの映画の出来に怒ったとか。 たぶんタルコフスキーのテーマがレムの描きたかったこととずれてたんだろう。「ノスタルジア」が好きな人なら、最高のSF映画だと思うんじゃないかな。僕は「ノスタルジア」好きです。でもあんまりSF好きじゃないんだよなあ。 【clown】さん 8点(2003-12-17 05:12:49) |
6.《ネタバレ》 テーマは面白い。SFではあるが内容は哲学。ソラリスの海によって何度も何度も蘇る妻、それに苦悩する主人公の姿が悲しくて印象的。要するに人間のように心が不完全な生き物は、ソラリスに触れてはならないということなのだろうか。原作を読んでみたい。 【КОФЕ 】さん 8点(2003-12-10 15:35:10) |
5.これはある程度、年がいってからわかってくるテーマも多い。望郷、過去への郷愁、失われたものへの償い等々。それらがSFという設定の中で、幻想的な映像と美しい音楽を通してうまく表現されている。 【空栗鼠】さん 8点(2003-05-23 22:08:16) |
4.ソラリスによって作り出された妻(材料は主人公の心)との再会は、涙涙... 【キングD】さん 8点(2003-05-07 23:39:18) |
3.前半はだるいが後半はひきこまれる。テーマは「組織と失恋」だと思う。http://www.asahi-net.or.jp/~ix6k-smur/solaris.htm 【ソダちゃん】さん 8点(2003-04-10 23:19:22) |
2.社会から隔絶され続けた人間の精神的閉塞状況を具現化したようなラストシーン、恐すぎる。思念も生命をもその胎内に包み込んでしまうかのようなソラリスの海って、いったい?? 【mic550】さん 8点(2002-10-21 00:00:51) |
1.難解です...母親を失い彼女の面影を求めた妻ハリーにも先立たれた主人公クリス。惑星ソラリスの調査に向った彼の目の前に自殺したはずの妻ハリーが現れる。この物語はやはりこの主人公の「魂の救済」を描いたのではないでしょうか?少し長い作品ですが一旦足を踏み入れるとタルコフスキーの世界にハマります。特に妻ハリーの強烈な印象と演技にうっとりします。逆にクリス役の俳優さんの終始汗ばんだ感じがむさ苦しかったです。(枕にも汗びっしょりはキモかった)ただ私はこの作品一回観ただけでは理解できませんでした。ラストの父親はソラリスが創り出した物体?ッてことは地球とソラリスの関係って…。冒頭の少女、一瞬しか出てないんですが、表情のアップとかあってどうも怪しいんですよね。あ~、クラクラする~… 【さかQ】さん 8点(2002-05-13 14:53:48) |