《改行表示》46.《ネタバレ》 いいね、これ。現実にまとわりつく狂気。外国映画だからこそいい。日本映画だと目撃者が殺されると可哀想になるけど 外国映画だと、なんて運のない奴だ、で済んじゃう、済ませちゃう自分がいるし、それはそれで面白いんだけど。 こういう、いわゆるDQN連中が一番厄介だし、面倒だし、だけどそこが面白いんだよな、ここから見てるだけならさ。 映画に何を望むかにもよるけれど、感動とか共感とかじゃなく、こういった気持ちの共有も必要なことだと思う。 もう一度、色々想像して見てみたい。 【がらんどう】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2019-08-04 09:49:24) |
《改行表示》45.《ネタバレ》 片田舎で起こった殺人事件。 署長のマージが淡々と仕事をこなし、事件の真相に迫る。 対する悪党どもは、仕事に対する情熱もプライドもなく、当然用意周到さもない。 悪事を働いて手にする数万ドルと、真っ当に働いて事件を解決し、切手のデザインに採用されること。 マージが終始熱くならず、仕事に徹する姿がつまらぬ悪事に手を染めることの虚しさを教えてくれる。 残された主犯の息子が可哀想でならない。 |
44.《ネタバレ》 些末な動機で始まった犯罪があれよあれよという間に大惨劇に。これは仕事がうまくいってないときに見てはいけないヤツだったかもしれない(笑)。状況の悪化は底なしなのだ。ウィリアム・H・メイシーが演じきってみせるつまらない男の「器」の小ささ、プロっぽいのにいつも最悪の方向に向かってしまう悪人2人組+同僚、そんな狂った歯車を一人で飄々と解いてみせるフランシス・マクドーマンド、みんな素晴らしい。コーエン兄弟の作風は好みが分かれるとは思うが、90分という時間に悲劇と喜劇を圧縮して見せたという点ではやっぱり最高傑作だと思う。ラストにマクドーマンドがどうやって「あいつ」をパトカーに乗せたのか、ってことだけは謎だったのだけれど、案外マクドーマンドのあのペースには悪人たちもかなわないということなのかもしれない。あと、今年見た『ブレードランナー2049』を思わせるロジャー・ディーキンスの雪の遠景や、同じくド田舎を舞台にした『スリー・ビルボード』でマクドーマンドが見せた本作とは全く違ったアプローチなど、20年後の現代映画につながるあれこれを再発見できるのも楽しい。 【ころりさん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-18 17:20:27) (良:1票) |
《改行表示》43.目撃者から特徴は変な顔、とにかく変な顔としか言われないスティーブ・ブシェミがコーエン作品では珍しく準主役級を演じているので好きな作品。悪役ながら妙に憎めないとぼけっぷりが最高。最後はやっぱりトホホな感じになる所もお約束で笑えます。 サスペンスとユーモアの絶妙なバランスが最高だが、ちょっと都合良すぎる展開も目立つ。 悪役たちに焦点を当てているせいか、女性警官の捜査の過程があまり描かれないので、いきなり事件を解決しちゃってる感じがするので、そこはもう少しじっくり描いて欲しかった所。 【ヴレア】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-11-13 19:51:24) |
《改行表示》42.笑える怖い映画。というより、怖いコメディ映画か?とにかく不思議な空気が常に画面の中に漂っているようだった。笑いと狂気がここまで共存している映画はあまり観たことがない。しかも、笑いと狂気のどちらにも偏っていない。それどころか、笑いが怖さを増幅させ、その恐怖がまた滑稽に見えてくる。でも、めちゃくちゃ笑えるとは言えないし、スゲー怖いわけでもない。個性溢れる登場人物たちは皆、愛らしくもあり憎たらしい。一面に広がる白い雪景色は冷たく厳しい印象を与えるが、愚かな人々を優しく見守る寛容さも仄かに感じられた。 そんな中、フランシス・マクドーマンド演じる婦人警官だけが唯一、明るくて優しくて強い。癖のあるキャラクターが次々に出てくる中、映画の中盤から登場する彼女の存在感が際立つのは、このコントラストによるものなのだろう。 「コーエンで一番好きなのは?」と訊かれたら“バートン・フィンク”や“バーバー”と答えるが、「最高傑作は?」と訊かれたら、やはり“ファーゴ”なのかもしれない。 役者たちのハマりっぷりも本作の大きな魅力だ。 【Y-300】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-05-09 16:21:44) |
《改行表示》41.《ネタバレ》 それにしても出てくる男という男が全てまあなんて使えないダメ男ばかりだこと…。最たる奴は駐車場で「いやあでも規則ですから」と言ってマニュアル通りにしか働けないあいつ。あの半笑い加減とか見てるこっちが本当に腹たちましたもん!! 真面目に真っ直ぐ働いてる婦長さんを尻目に、アホ男どもは勝手にドタバタして勝手に人生台無しにしてましたね。てかほとんど死んでるし。 そこそこ楽しめた映画でした。誰かにまた見ようと言われたら全然オッケーって感じです。 |
《改行表示》40.ウイリアムに、どうしても感情移入してしまって、見ていてとても怖かった。。ウソは、ウソでしか固めていくしかなく、そうすると胃の方がせりあがってきて、とても気分が悪くなる、あの感じが始終していた。「殺す気はなかった」とゆうセリフを聞くたびに、「そっちのほうがよっぽど怖いしっ!」て思ってたけど、ウソをつき続けていくと、自分もいつか殺人を犯しそうで、とてもとても怖くなりました。俳優さんたち素晴らしいネ。フランシスが、だんなさんにキスされてソースがつくのを嫌がった所がとてもよかった。 【小星】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-11-23 03:01:20) (良:1票) |
《改行表示》39.どうしてだろう。数年おきに、ウィリアム・H・メイシーの顔やスティーヴ・ブシェミの顔を見たくなります。その顔を眺めながら、優柔不断で愚か者の結末をたどっていくのがたまらなくイイ。 ちなみに、本当は実話じゃないようです。(wikiによると) 【紅】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-06-03 01:03:53) |
《改行表示》38.《ネタバレ》 冒頭で「実際の事件に基づいて・・・」なんてタイトルとともに、真っ白な道を車が進んでくるオープニング。大げさなようで、絶妙にマッチした音楽使いも、コーエン兄弟らしくセンスがいいですね。 後に「『ビッグ・リボウスキ』は『ファーゴ』よりも事実の要素が多いんだ」、「『ファーゴ』は本当のところ殆どがでっちあげから成っている」と言い放つコーエン兄弟。何を考えてるんだか分かりませんが、このウソが作品全体に妙な雰囲気を与えているように思えます。それだけでなく、人物描写が本当に上手い。特にウィリアム・H・メイシー。ほんの思いつきの犯罪が、どんどん血みどろの凶悪犯罪に変わり、どうしようもなく苦悩する姿は、観るのが苦しくなるほど。どいつもこいつもマヌケで、馬鹿なまねをするのに、リアルで残酷で悲しい。作品の雰囲気、展開が静かでのんびりしている分、バイオレンスシーンも強烈に印象に残ります。静けさ、無邪気さ、残虐性が混じったような演出は流石。 悲劇の物語なのにぼんやりと明るく、何度でも見直したくなる不思議な作品です。 【Sgt.Angel】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-03 20:43:28) |
37.なにもかもが上手くいかない展開はなかなか面白いけれど、内容的には一回見れば充分。というか見なくても充分。何も心に残らないし、二回以上見ても毎回大して面白くないな、という印象を持つのに、変な顔と言われまくるブシェミと雪景色を見たくなり、DVDまで買って何度も見てしまっています。人にオススメはしないが、変に中毒性と愛着のある映画。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-07-29 16:36:33) |
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《改行表示》36.コピーだった「人間はおかしくて、哀しい」なんて文句が切なく響く良作。 婦警の存在が唯一の救いですが、個人的にはあれはあれで哀しいものを感じてしまうので、人間の哀しさばかりが募る作品です。 【カラバ侯爵】さん [DVD(吹替)] 8点(2007-06-25 17:58:06) |
《改行表示》35.《ネタバレ》 昔、母から「ひとつ嘘をつけばその嘘を隠すためにまた嘘をつく必要がある。 嘘の上塗りは自分も苦しめ、他人をも傷つける」と教わった。 この映画はまさに、嘘の上塗りによって訪れた悲劇の数々。 深い理由も無く、各々の私利私欲や自己防衛本能が引き起こした悪夢。 そんな人間の汚れなど知りもせず、壮大な地を覆う純真無垢な雪景色。 純粋さの象徴である自然でさえ人の手により汚される様は、 その生々しさに思わず息を止めたものの、 皮肉なことに美しさに魅せられてしまったこともまた事実だった。 淡々としたストーリーなのになぜか最後まで飽きず食い入るように観てしまうのは、 映像の見せ方の巧さと、人間の本質を突いた心理描写よる貢献が大きいと思う。 まさにコーエン兄弟ならではと言ったところか。 登場人物の誰も幸福そうに見えないのが、何ともいたたまれない気持ちにさせた。 そして、人を殺す事に何ら躊躇いの無い人間は狂気だが、 私利私欲のために動く人間の業の深さ・欲深さには恐怖と哀れみを感じざるを得なかった。 【港のリョーコ横浜横須賀】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-04-11 16:24:51) (良:1票) |
《改行表示》34.頭の悪いバカ二人が短絡的殺人が繰り返されるのに全体的に淡々としていてのどかさすらも感じてとても不思議な映画ですね。 壮大なドラマ、サスペンスを期待すると肩透かしを食らいます。 役者達がとにかく素晴らしい。 主演のフランシス・マクドーマンドの妊婦の署長の庶民的な匂い全開ながら鋭く事件の核心を突いてみせたり絶品です。 オスカー受賞も納得。情けない、頼りない首謀者のオヤジのウィリアム・H・メイシーの 演技に個人的にオスカーやりたい気分です。 最初はすっげー物足りなさを感じたのですが段々と好きになった作品です。 【まりん】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-04-09 16:13:31) |
33.《ネタバレ》 ほとんどの場面で雪が映しだされていて、全体的に冷たい空気の映画だった。特に殺人犯とディーラーのシーンはそんな感じだった。殺人犯が車の扉を開けて外に出ている時にアラーム音が鳴りつづけたり、ディーラーが外出する時は必ずコートを羽織るシーンが出てきたりする。彼らには安息の時間があまり与えられず、ずっと寒い中を動き回っている。一方で婦人警官はよく布団にくるまっている。何でもない話をしたりテレビを見てくつろぐシーンが多い。だからと言って婦人警官が絶対的に幸せだというわけでもない。警察という業務上、彼女のまわりではいつも悲しい事件が起こり業務として対処しなければならない。また、悲しい人生を送る日系人等も登場する。車の中で殺人犯に対して話す言葉はそんな悲しい気持ちがあふれた言葉だったと思う。日常の小さな幸せをかみ締めながら辛いことも味わい、生きていくってのが人生なんだなと思った。 【マイアミバイス】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-15 18:11:13) |
32.面白いですね。完全犯罪を目論むものの、ちょっとしたことでほころび始め、そのほころびが次第に大きくなっていき、ついには破局を迎える・・・コメディータッチで、ストーリーが暗くならないのも良い。唯一つ、言いたいことが有るんです^^「関係も無いのに、変な日本人を出すな。」 【H.S】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-14 21:28:45) |
31.これもまたいかにもコーエン兄弟の世界て感じの作品で好きな作品です。なんでこうおかしな人間、普通でない変な人達を面白可笑しく描くのか?最近のアメリカ映画、今のアメリカ人監督の中では独自の映像感覚を持っているという意味ではティム・バートン監督と並んでコーエン兄弟は好きな監督の一人です。この作品がきっかけで、ウィリアム・H・メイシーも好きな男優の一人になりました。そして、スティーブ・ブシェーミは相変わらず良い。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-07-19 21:48:18) |
30.そんなに面白い話じゃないのに、面白い。不思議な映画です。 【カジ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-06-24 21:21:01) |
《改行表示》29.《ネタバレ》 これって実話だったのか・・・初めは楽に金が入る計画だったのに、結末には何故あれ程の血が流れてしまったんだろう?全ては計画を立てた時点で起こるべくして起こってしまったものなのだろうか?偶然にも、ナンバープレートが付いてないと呼び止められ警官を殺害してしまった時点で事の全ては傾き始めた。そして最後にはどうだろう?計画とは180度違った形で幕を閉じてしまったんだ。全ては主人公の平穏から逸脱し対と言う思い、そして逸脱した考えに辿り着いた事によって引き起こされた逸脱した事件。 ストーリーでは、主人公の私利私欲が絡んだ汚い場面と女性警官の夫との暖かい場面が、コントラストの様に映し出される。この辺りが監督の最も伝えたい所なのだろう。 ラストでは何でもない切手の話をしながらお腹にいる赤ん坊を気にして、自分たちは平穏で幸せだと会話する女性警官夫婦。ファーゴという雪国で起こった赤い惨劇。数年後、いつもと変わらぬ平和な町並み。人間が平穏に暮らしてゆけるという事、が、どれだけ幸せなものなのか。しみじみと納得できるではないか。 【ホーラン℃】さん 8点(2004-11-02 17:54:10) (良:1票) |
28.これがコーエン兄弟の一番、というのは悔しいけど、そうなんです。この映画以上に雪の厳しさとロマンティックな世界を描いている映画はないと思う。 【みんな嫌い】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-10-25 13:34:08) |
27.コーエン兄弟初体験。率直な感想は、何て悪趣味な兄弟だ、と。袋の中のミミズやさらわれる奥さんの大股開きなど、いちいち見せなくていいよ、と言いたくなるシーンが多い。しかし主題として力を入れるべき犯罪や殺人シーンへの執着を手放し、淡々と突き放して撮り続ける妙なセンスは他の作品も見たいと思わせるのに十分な魅力があった。 【ラーション】さん 8点(2004-04-14 01:31:13) (良:1票) |