ヨーロッパのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

Menu
 > 映画作品情報
 > 映画作品情報 ヨ行
 > ヨーロッパの口コミ・評価
 > (レビュー・クチコミ)

ヨーロッパ

[ヨーロッパ]
Zentropa
1991年デンマークスウェーデン上映時間:114分
平均点:6.29 / 10(Review 7人) (点数分布表示)
ドラマ戦争もの
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2010-08-30)【S&S】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督ラース・フォン・トリアー
キャストジャン=マルク・バール(男優)
エディ・コンスタンティーヌ(男優)
バルバラ・スコヴァ(女優)
ウド・キア(男優)
ラース・フォン・トリアー(男優)
マックス・フォン・シドー
脚本ラース・フォン・トリアー
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【クチコミ・感想(8点検索)】[全部]

別のページへ(8点検索)
【新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
1
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行表示 ※《改行表示》をクリックすると個別に改行表示致します
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ
1.《ネタバレ》 この監督で初めて観たのが『エレメント・オブ・クライム』だった。タルコフスキーを思わせる水への惑溺、水中で馬の死骸がゆらゆら揺れているあたりは陰気なブニュエルといった感じ。次の『エピデミック』ってのは字幕なしのビデオ公開で観られたが、これはドライヤーのトーン。この人独自のタッチがも一つつかめなかったものの、どちらも催眠術シーンがあることで共通していた。そしたら本作も催眠術で始まった。映画全体も催眠術のような夢魔の連続である。室内の鉄道模型を俯瞰していたカメラが引いていってその家から出、本物の列車の中に入ったかと思うとそれが走り出していくまでをワンカット、とか、カメラがバスルームのドアの上にゆっくりとねじれのぼっていくと、ドアの内側の血の洪水が見えてくる、とか、並行して走る列車越しの会話がやがて二つに分かれていくところ、とか、スクリーン・プロセスを使って背景とその前とで同じ人物が出たり入ったりするところ、とか。話は、戦後のドイツの復興の役に立とうとやってきたドイツ系アメリカ人の車掌としての放浪譚。カフカの「アメリカ」を裏返しにした設定ではないのかな。もっともあれ、カフカとしては珍しく爽やかな小説だったが、こっちは深いメランコリーを滲み出している。ヨーロッパの映画でよく感じるのは、こういったメランコリー。アンゲロプロスの登場人物が国境線の手前で遠い目をしているように、アントニオーニの登場人物がここではないどこかへ憧れ続けているように、タルコフスキーのノスタルジーのように。文化の伝統を重く背負い続け、そういう風土への憎悪と愛着とが常に憂鬱という気分を導き、そのメランコリーを文化の一つの型として自分たちの中に公認することで、彼らはなんとか耐えているのかも知れない。アメリカ育ちの主人公が単純に考えていた国家の再建というイメージは、列車の旅とともに複雑にグロテスクに屈折していく。ナチの残党が国家再建という大命題の前でうまく生き残っていく状況も、政治的メッセージとしては語られない。ナチズムという明瞭な傷口でさえ、ヒリヒリとしみわたる感覚ではなく、鈍痛のうずきに変わってしまう底なし沼のようなヨーロッパの風土、それをこの映画は捉えていたと思う。このタッチで先もやっていってみてほしかったんだけど、また次から変えてっちゃうんだな。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2010-01-08 12:10:41)
別のページへ(8点検索)
【新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
1
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 7人
平均点数 6.29点
000.00%
1114.29%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7571.43%
8114.29%
900.00%
1000.00%

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS