《改行表示》39.《ネタバレ》 最初から最後まで、重厚で緊張感漂う中、一切中だるみがない展開 「武士道」というものをこんな正面からリアルに描いた時代劇観たこと無い 只、最後の派手な大立ち回りはやはり時代劇なんですね 仲代達矢の演技が素晴らしく、恐らく数ある作品の中で最高傑作では? それと、仲代=東宝、丹波哲郎=東映のイメージなんですが、松竹映画なんですね。 【とれびやん】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-09-26 01:55:56) |
《改行表示》38.切腹の歴史は知識あまりないのだけども。 落とし前のつけ方とおもってましたが生き恥を晒したくない武士の死に方としてもあったんですね。 ゆすりとしても非常にリスキー。 津雲半四郎演じる仲代の一語一句の重さが物語る重厚な展開。 まさに残酷の美。語り継がれる映画だとおもいます。 |
37.《ネタバレ》 素晴らしい映画です。津雲と家老の一言、一言の攻防、表情にぐいぐい引き込まれます。そして、斬り合うときの刀の持ち方、右手は柄の最も根元を左手は柄の端をしっかり握り、テコの原理で(最大モーメントで打ち合えるよう)刀を相手と交えないと、相手の刀の勢いにはじかれ、それは死を意味する。本当に真剣で戦うことが何かを判らせる殺陣でしたね。40年前位前から、まともなチャンバラを目にしなくなり、今はもうチャンバラお遊戯の時代劇しか、観られない中、新鮮でした。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-12-13 14:21:57) (良:1票) |
36.《ネタバレ》 一見地味目な雰囲気なのだが、観ていくとその世界へ入っていっちゃいますね~。よく練られた脚本と迫力の演技力が素晴らしい。そのなかでもやっぱり仲代達矢の凄み、この一言ですね。おまけじゃないけど岩下志摩若い! いやーすごかったなぁ~感心イタシマシタ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-12-09 11:38:00) |
《改行表示》35.《ネタバレ》 邦画史上まれに見る陰惨な話でなかろうか。おまけにグロテスクだ。 突如井伊家にやって来た(ように見える)津雲半四郎、彼の語りによって徐々に来訪の真相が明らかにされてゆく展開はスリリングで、のどが渇いてくるようで、近年のサスペンス・ホラーでも滅多にお目にかかれないほどの緊迫感だ。 語りのクライマックスに彼の目的が復讐であることが明かされ、さらに介錯人として指名した三人の現状が露わになった時の、老獪な家老 三国連太郎の顔色の変わるさまといい、激情を押し殺した無骨な浪人仲代の一本気の迫力といい、凄い芝居を観た。特に仲代の発声、動と静の表現を声だけでよくもあんなに。近頃の俳優さんで真似できる人がいるだろうか。 脚本も演技も演出も凄いのだが、話がどうしても好きではない。こうも非道にしなくても、と思う。 武士道の鑑を謳う井伊家、実のところは不祥事隠蔽体質の巨大組織でマズイ物件はさっさと片付けるべく、一人の浪人に鉄砲を向けるんだ。しかもラストに跡取りが幕府から褒められるというしつこき後味の悪さだ。なんて話だ。 こら井伊家、あんたんとこだってな、後年には安泰でいられないんだぞ、いばってんじゃねえと後世から遠吠えする小市民のワタシであった。 【tottoko】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-20 00:48:20) (良:1票) |
34.武士の面目などと言うものは、単にその表面だけを飾るもの。家族が死に刀が残った。その事実が言わせるのでしょう。リメイクの方を先に観ましたが、こちらの迫力は凄いですね。 【東京ロッキー】さん [地上波(邦画)] 8点(2015-04-18 13:55:14) |
《改行表示》33.《ネタバレ》 リメイクを先に見てしまったが、こちらも見事。井伊家の3人組が主人公に、ちゃんと竹光の件の嘲りを見せに来ているこちらの方が、若浪人を虐めるイヤラシさ、「うわべだけの面目」を取り繕う浅ましさが、より強調されているように思う。 一つだけ不満な点は、主人公の最後。鉄砲隊を見て、怯えて急に腹を切ろうとしたように見えること。庭先のシーンで「腹は斬ります」と言わせているのだから、当初からの覚悟の行為としての切腹をさせてあげたい。 ところで不勉強な事に「赤備え」という言葉を初めて知った。ネットで調べてみると、戦場で特に優れた精鋭部隊の色だという。なるほど、だからシャアが赤いのかあ。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-03-04 06:26:50) |
32.《ネタバレ》 仲代達矢、三國連太郎両巨頭の生々しくも迫力ある演技に圧倒されました。中心となるのはこの二人の対峙。こういう邦画って今の時代には絶対できないんだろうなあ。失礼ながらお二人ともお年寄りの役しか知らなかったのですが、そのスゴさがとてもよくわかりました。が、映画としては凄まじい完成度だと思うのですが、如何せん竹光で切腹した婿には共感できないというか違和感さえ感じる。病に苦しむ幼い我が子と疲れ果てた妻のために、武士の誇りを捨てて決断した行動のはずなのに、ちょっと通じなかっただけで自死を選ぶ!?そんなことしたらみんな死ぬぐらい想像つくやろ?そういうギリギリのところでどうしても誇りを捨てきれなかった武士の哀しみを描いているのかなあ。 【来た別府】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-02-27 23:22:55) |
31.《ネタバレ》 最近の藤沢周平を元にした、軽い時代劇を見慣れていたらとおもったら、内容的には勧善懲悪の単純なものではなく、よくねられた素場らしいシナリオでした。当時の法、対面しきたりで勝る井伊家と、情で捨て置けない親子、これが始末に悪い。現代劇でも成り立つような、シナリオとセリフのやりとりだけで魅せるすごい映画でしたな。 【min】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-02-26 23:03:14) |
《改行表示》30.《ネタバレ》 いろいろと考えさせられる映画です。戦が終わって平和な時代になり、侍はどう生きていけばいいのか。単純に考えれば、戦士から政治家に転身すればいいわけですが、そう簡単に適応できない人もいる。政治家になっても、戦士時代の価値観が残っていれば、よけい難しいでしょう。 本作での悲劇は、要するに「中途半端な武士道」が生きていた時代の悲劇、と言えるかもしれません。半四郎が指摘したように、武士道などは形骸化して上っ面だけ、しかし、それがあたかも健在であるかのように扱うところに問題があるようです。生活のために武士道など捨ててしまったような求女が、切腹を騙って金を得ようとしてのも中途半端です。結局かつての侍の精神を持っていたのは半四郎くらいのものですが、それも時代の現実とは合わなくなっていたというのもまた悲劇……。 最後の斎藤勘解由の処置は、事実隠蔽で現代の会社が行えば非難されるでしょうが、江戸家老としての判断は間違っていないでしょう。親藩・譜代であろうとも改易やお取りつぶしになる時代であったことは、作中で語られています。藩存続を考えて事件を隠そうとしたこのは、まさに政治的判断でありましょう。 小林監督初の時代劇だそうですが、それらしく、全編リアルなタッチで描かれています。最後に斬り合いが出てきますが、ここも型にはまらずかなり現実的にありそうな立ち回りでした。仲代・丹波の対決も見ごたえあり。そういう点では時代劇の的を外しておらず、うまいと思います。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-08-17 22:40:32) |
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29.《ネタバレ》 これはいま観ると、正社員の職を得た者と派遣労働者の話に重なって実に生々しい。ほんのちょっとした運命の違いで生じた格差が、段上の命じる者と庭で腹を切る者とにまで広がっていったことが、怖く迫ってくる。立場が逆転していてもおかしくなかった。そういう苛烈な武士の社会と似たようなものが、現在でもあるんだろう。これのとりわけ前半はシナリオの名品であり、二人の切腹志願者の物語が反復しつつ並行し、千々岩のうちひしがれぶりと津雲の不敵さが対照され、後者がどんどん謎として膨らんでくる興味。追い詰める側が追い詰められていく展開の妙味。シナリオの力でこれだけグイグイ引っ張っていく映画は、あんまりない。後半ちょっと説明的で弱くなるが、しかしあそこらへんをちゃんとやっておかないと、千々岩が「武士として有るまじきさもしい行為」に及んだことを十分説得させられず、話の骨が崩れてしまう。津雲が語っている庭はゆっくりと陽が傾き、やがて風も吹き出す。あんなに武士の哀しさを語った津雲も、やはり刀でしか決着をつけられないところが痛ましい。竹光を嘲った井伊家が、最後には「武士の魂」の刀ではなく「卑怯な」飛び道具を持ち出してくる。儀式としての切腹は限りなくグロテスクだが、鉄砲で撃たれる前の腹切りは、美しくはないがグロテスクではない。あれはあくまで乱戦の延長であって意地の発露だった。でも井伊家の下級侍にとっては、秋葉原事件のようなとばっちりだったなあ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-12-07 10:44:17) (良:1票) |
《改行表示》28.脚本家、橋本忍さんの自伝で書かれていたのですが、実は黒沢明監督は「七人の侍」や「用心棒」のような娯楽作品には興味が薄れて、ただひたすら2時間、切腹のシーンを映す映画を考えていたそうです。脚本を依頼された橋本さんは、これが現実に出来るわけがないと思い、当然、映画会社も却下されたそうです。 その切腹の脚本から生まれたのが本作。 現代社会を皮肉に風刺されたシーンを散りばめながら描かれた武家屋敷の連中、仲代達也さんも脂が乗った時期。時代劇が、暴れん坊将軍だけではないことを証明した日本が誇れる作品だと思います。 【クロエ】さん [地上波(邦画)] 8点(2011-12-01 00:31:32) |
27.時代劇の姿を借りながら、まるで法廷劇をみるような緊迫感と驚きの展開。異色的な復讐劇の傑作。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-07-20 21:35:39) |
26.おそろしいまでの迫力。今じゃとても予算がつかないシナリオ。ということは似たようなものが今後生まれないということだから、日本映画史上に残る唯一無二の名作といっていいと思う。 【コダマ】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-06-05 22:21:47) |
25.井伊家も極悪という訳ではないから、複雑な気もするのだが、殺陣のリアルな感じは良かった。これが「暴れん坊将軍」なら松平さんの無双で終わる。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-05-06 19:35:14) |
《改行表示》24.《ネタバレ》 御政道とは非情なもの。自ら詰め腹もせず、責は下々になすりつけ、腹を切らせ、 挙句に事件を都合のいいように作り変え、自らと井伊家の武勇をさらに高める事に成功。 斎藤勘解由はある意味為政者の鏡と言えなくもない。 見てる方としては最後に半四郎にもっと大暴れしてもらって家老共々ばっさばっさと 切り捨てて欲しかったですが、これはそういう映画ではないので仕方がない。 【TAKI】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-11-22 23:07:48) |
23.《ネタバレ》 ボロボロになった仲代達也が、井伊家の家老のみを残し、全部なぎ倒して去っていくラストシーンなぞ、この冷徹で完璧な脚本家に望むべくもない。それじゃあ、いきなり「ランボー」だもんなあ。でも、ちょっと期待しませんでしたか? 【なたね】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-02-28 15:33:20) |
22.《ネタバレ》 並々ならぬ緊張感、その映像に目は釘づけでした。このただ唾を飲むような静けさ、それでいて圧倒的な迫力。ただし後味としては複雑。本作の柱となる竹光にまつわるエピソードには、確かにハッとさせられた。しかし、このような勘違いによる落とし方は、喜劇や人情劇にこそ向いており、悲劇にするとあまりにも後味が悪いように思える。凄い映画だと思うだけに、余計に複雑。 【よし坊】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-01-17 11:37:49) |
21.《ネタバレ》 武士道という格式や様式というのはそれ自体は美しいが、ときに本質を曇らせ、空虚な建前を出現させる。たとえば奉られた甲冑は歪んだ武士のひとつの象徴。津雲半四郎自身も武士らしさに凝り固まっていた人物だったが、瀕死の状態のさなか奉られた甲冑を見上げ一瞬動きが止まる。甲冑を武具として扱い、戦う武士として死んだ。 【michell】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-10-21 13:40:50) |
20.切腹、復讐、隠蔽。壮絶な映画です。仲代さんかっこええ。現代のでかい組織を彷彿とさせる社会派時代劇サスペンスですね。脚本が良く、中盤の若干の中だるみを除けば全編緊迫感があってひきこまれます。見た後はなんともいえないいや~な気分になります。ほほ~う。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-05-26 14:29:10) |