7.《ネタバレ》 ダリオアルジェントらしさが開花してる作品。
サスペリアの姉妹作といえそうだ。
少女ばかりを狙う殺人鬼の猟奇性と異常性そして変態性はホラー映画随一といっていい。
ダリオアルジェントはホント変態だと思う(敬意をもって)。
そしてこの作品は狂気が漲ってる。
ヒロイン(ジェニファー・コネリー)があまりにも美しい。
美と酷の対比がされていて、この点もホラー映画で一番かもしれない。
多感な時期にある少女のサイキックな力が事件を解き明かす鍵となる話は他にもありそうだが、
この映画では少女のサイキックと虫が結びつく独創性が最も評価されると思う。
また猟奇殺人とともに、その土地の気候や自然現象もそこに影響してくるかのように描かれている感じがする。
さらに動物までもそこに関わらせてしまうところにダリオのホラーワールドの深さを感じる。
清涼感あふれるスイスの風景と戦慄を感じる電子音楽が白昼夢のような独特の雰囲気を作り出す。
メタル(アイアンメイデン)のギターは猟奇的にかき鳴らされ、一種のアドレナリン効果をもたらす。
不条理な謎解きは
まるでプレステのホラーアドベンチャーゲームをプレイした時の興奮と、
不思議の国のアリスを感じさせる場面もある。
閉鎖的な恐怖を感じる映画で、1回目に見たときよりも畸形児は怖かった。
「クロックタワー」の元ネタを感じさせる恐怖と展開、そして美しすぎるヒロインに大満足です。
名作サスペリアと比べると美術や演出は抑え目にされ、エッジは弱いが、
独特のダークな雰囲気が見事。
(「虫と少女」といえば同年に「風の谷のナウシカ」が重なったというのが個人的に興味深いです)