6.《ネタバレ》 インディアンに何の由縁もない自分にとっては遠いお話だったが、初監督とは思えぬショーン・ペンの雰囲気作りには脱帽した。真面目な兄と不良の弟。ありきたりな設定だが、二人の葛藤は見事に表現されていた。警察官で世の常識に従い上手く生きていく兄に対し、はみだし物の弟。弟にとって世間の風当たりは激しい。しかし、そういう風にしてしか生きていけないのだ。そういう弟の持つ恐怖は暴力へと変わり歯止めが利かなくなる。父親の自殺で一度は救われたかに見えたが、また新たな恐怖が襲ってくる。そんな弟に手を差し伸べる兄だが、お互い努力しても距離は離れるばかり。凄く切ない。子供は出来たものの結局全てを捨てて逃げるしか選択肢がないまで追い込まれていたんだと思うと凄く悲しくなる。この二人をデビッド・モース、ヴィゴ・モーテンセンが見事に好演し、脇もこの上ない演技を見せている。冒頭の兄のエピソードや弟のベトナム帰りのエピソードが伏線としてもっと効いていたら更に良かったと思う。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-06-09 14:04:13) |
5.この物語の時代は70年代でしょ、でもショーン・ペン自身はその時代はまだ子どもだったはず、そのペンが初監督作品としてコレを選んだこと、兄弟の確執を中心にもってきてること、このあたりにペンの熱さを感じるのよ。デヴィッド・モースとヴィゴ・モーテンセンも最高でした。そして父親役にチャールズ・ブロンソンときちゃう。街の風景を映し出すショットも美しい。去って行くフランクとリアルな出産が交互するシーンからあのラストまでの緊張感とモースの表情、観ているこっちも熱くなりました。これが製作された頃って、このテのタイプの映画は少なかったように思う。「忘れかけられているアウトロー」みたいなものを蘇らせた?そんなところもショーン・ペンらしい。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-28 21:49:50) |
4.ヴィゴの狂気の表情がすごい。彼女に豆をはきかけるまでの流れが圧倒される。デイヴィッド・モースの大男なのに慈愛にあふれる表情と対照的。彼らの演技力がこの映画を支えている。フランクって役はショーン・ペンそのものなんだろうなあ。 【蝉丸】さん 8点(2005-03-26 09:36:06) |
3.いいねぇ~~哀愁が漂う。ショーペン初監督作品らしいが、いかにもショーンペンらしいって言うか… ブロンソンが髭ないから分からへんやん!!モースもいい演技するし。家族って?幸せって? 愛って? いろんなもの無言で語りかけてきます。 不器用でも熱いな!!イイ映画やわ~ |
2.《ネタバレ》 痛い。観ていて、ひたすら痛い映画。あまり内容が整理されていなくて、役者の演技で持ちこたえているようなところがある作品だが、兄弟の葛藤物語として良くできている。この兄弟の容姿も性格も立場も極端に違う姿は、あまりにも神話的で寓意的である。喜びも悲しみも内包して、一見無表情で、ひっそりと物静かに幸せを探すかのような兄。じゃれたり甘えたりはしゃいだりしながら、どこか斜に構えて冷笑し、ふいにゾッとするような禍々しさを見せる抑制力の無い弟。この二人の対照的な存在が、あまりにもあざやかで、印象深い。ベトナムから帰ってきて、兄の家までは来たけれども「ママとパパはいい」と会わずに帰るフランク。何度か鑑賞していると、その時点で悲しくなってくる。実の親にたった一目でも会うのがイヤだと言ってしまうほどの絶望。そこにあるフランクのナイーブさ。そういうフランクが妻の出産に立ち会うことが出来ずに逃げ出したくなるのは、分かるような気がする。分かるような気もするが、私は女なので、フランクの自己世界に入れてもらえないドロシーとも気分が同調するので、痛い。イタイ。ラストなどは、ほとんどせりふがないのに、二人の苦しみと絶望が伝わってくる。この辺の演出にはただただ感嘆するのみだ。映像も、禍々しさと不条理に満ちながら、それでもいつも兄のほうへ視点を持っていくので、心にストンとおさまる。締めくくる兄の言葉には、現実を受け止めて生きる男の、万金に値する重さがある。人生はすばらしい。 【ルクレツィアの娘】さん 8点(2003-05-20 21:40:42) (良:2票) |
1.ショーン・ペン。演技を見るだけで只者ではないのは分かるが、処女監督作のこの映画を観ていると更にリスペクトの念が増す。で、リスペクトの気持ちでLDを購入したのだが、いっぺんも再生していない。重すぎて(笑)。 【3Mouth】さん 8点(2002-05-14 19:07:54) |