108.150分もの間ひたすら見せつけられるのは、ナチの残虐非道ぶりと一人のユダヤ人の男が逃げ隠れする様。これでもかこれでもか。ナチスの人を人とも思わない鬼畜な様はこれまでも数多のジャンルで描きつくされてきたけれど、ポランスキーの粘着質なタクトは克明にしつこく糾弾し続ける。気分は良くないしドラマの展開も意外性はほとんど無い。このピアニストさん、本当に「逃げてるだけ」なんですもん。けれど、実話の持つ衝撃の大きさ、覚悟を決めたうえでのピアノ演奏の芸術の崇高さ、作り手の「何が言いたいのか」が100%伝わる明確なメッセージ性、やはりどれをとっても一級品の作品であるかと思います。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-08-28 00:23:09) |
《改行表示》107.無抵抗のユダヤ人を跪かせ背後から射殺する、こういう非情なことが平然と行われていた事実を、感情を交えず淡々と描く。自ら経験を持つロマン・ポランスキーの思いが伝わってくる映画だ。 主人公のピアノに対する思いは、冒頭のスタジオ演奏で砲撃に遭ってもなかなか演奏を止めなかったことからも感じられる。それが隠れ家に潜むようになってから、ピアノがあっても音を出せず、まねだけで思いにふける。そしてドイツ人将校の前で弾く運命となる。あのときの将校はどういう心境だったのだろうか、そしてシュピルマンは・・・。 冒頭と最後に奏でられる哀愁に満ちた曲は、ショパンの夜想曲嬰ハ短調、遺作となった曲だが実に印象深い。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-09-22 13:37:28) |
106.《ネタバレ》 想像を絶する数々の出来事と奇跡的に生き残った主人公。この映画を見て生きることの重要さを再認識しました。主人公は逃げてばかりですが、逃げるしかないというのが伝わってきて、最終的に生き延びれて本当に良かったという気持ちになった。一方で主人公を助けた将校が助けを請う立場になって生きることを渇望している様子に胸が苦しくなりました。戦争を考えさせるという意味で意義ある映画だと思いますし、シュピルマンが生き残ったからこそこの映画が存在するということを考えるとさらに価値を感じます。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-16 02:20:00) (良:1票) |
105.エイドリアンブロディは痩せこけてみすぼらしい役をやらせるとハマりますね。最高でした。音楽。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-09-19 17:36:33) |
104.戦争の中で翻弄される個人。人としてできる事は多くないが、それでも必死に生きる。観終わった後に独特の感傷がる良い映画でした。 【東京ロッキー】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-03-14 17:50:10) |
103.見よう見ようと思っていた作品でハードルが上がっていましたがとてもおもしろかった(もちろんFunnyではない)です。 【シトロエン】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-30 00:31:23) |
《改行表示》102.《ネタバレ》 封切の頃から観たい観たいと思いつつ、遅ればせながらようやく鑑賞。ポーランドとともにドキュメンタリーのような重くて苦しくて長い時間から私もようやく開放。 シュピルマンがショパンの20番を引き終わった後、月光に照らされたドイツ将校の息を呑む表情がとても印象的だった。多分画面を見る私も同じ顔をしていたと思う。最後のエンドロールのアンスピ&大ポロは優しすぎるピアノの音に涙がポロポロこぼれてきた。 ホロコースト関連の映画には興味をひかれてよく見るが、なぜユダヤ人がこれほどの地獄を味わわなければならなかったのか、この映画でもその説明は一切ないし、私もいまだに納得いく説明が得られない。何の理由もなくドイツ兵によって気まぐれに群集から数分の一の確率で抽出され、うつぶせにされて死んでいくという虫けらのような終末。 神が与えた試練なのだとすれば、この人たちは一体なんの因果応報だったのか? 旅行で訪れた原爆資料館で感じた答えの出ない疑問をまた繰り返し考えた。 しかし、映画を単純に史実と同化させることには違和感があり、特に日本=ドイツという世界観で描かれる対日本軍被害国の戦争映画とこのアカデミー賞まで獲得した芸術映画とは根本的に違う!と言い切れる自信もないので、近いうちシュピルマンの原作や関連書籍を図書館で探すことに決めた。へぇ~息子さんは日本の大学教授なんだねぇ・・・。 【りんす】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-18 19:38:57) |
101.見応えがありました。戦時中の悲惨な様子がヒシヒシと伝わってきましたね。エイドリアン・ブロディの演技が良かったです。 【ギニュー】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-12 20:09:01) |
100.《ネタバレ》 悲惨な歴史を直視して描写しているのだと思います。数人を選んで射殺する、それが残されたものの希望と抵抗力を失わせる。家族が連れて行かれる、主人公は救われるが、悲しむまもなくあっさりと途切れる。主人公の知名度を利用して金を集める偽善者、捕まった以降のようすがわからない知人、死と背中合わせの日々。エイドリアン・ブロディ自身の演奏が自然さをましていることもありますが、秀作だと思います。 【mohno】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-02-21 03:03:35) |
《改行表示》99.《ネタバレ》 この作品を観る前にシンドラーのリストを見たというのもあるが、その仕打ちの悲惨さというかユダヤ人が味わった恐怖というのを映像でどう演出するかという製作スタッフの気迫があってひしひしと伝わってくる。 えげつない描写が多いが、痛覚・感覚について鈍いと言われている現代の中・高校生に観てもらいたい映画である。無論、それを学校で上映するのか否かという賛否両論があるであるだろうが。 【湘爆特攻隊長】さん [DVD(吹替)] 8点(2007-02-09 00:23:09) |
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98.《ネタバレ》 明日、休みでよかったぁ・・・重いけど良い映画。エンディングのクレジットでの演奏シーンは本当に最高ですね。 【Junker】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-03 22:12:15) |
97.《ネタバレ》 話自体は小説も読んだので知っていたのですが、思っていたよりも重苦しく、緊迫感もあり、いろんな意味ですごい映画だと思いました。序盤からユダヤ人の迫害が全面に出てて、苦しい仕打ちを受けたことが良くわかりました。後半、主人公が場所を移しながら、戦場から逃げていく様はとてもリアルでした。エイドリアンブロディもはまり役で、軍曹の前でピアノを演奏するシーンやエンディングのラジオでの演奏シーンも心打たれました。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-09-01 22:23:07) |
《改行表示》96.私はピアノ調律師で、オーディオおたくだけあって”ピアノ映画”はいろいろ観ている。そんなわけで”戦場”ってどこ?”オオーツ!ひさびさポランスキーね、どーれ!ってな調子で何も知らんで観始めたわけですよ。そしたらなんと!なにこれ?ホロコースト!ひょっとして超大作?おおすげえ。ジョンフランケンハイマーじゃない? ってな具合で、引き込まれっぱなし。圧倒されっぱなし。きわめてリアル。重厚で、うーん、考えさせられるなあ。主人公がバラード弾くグランドピアノ調律狂ってねーなあとか。しかし暗いまんまで、ごくごく平凡に終わると思ったら、なんとびっくり。私にとって映画史上1,2を争う素晴らしいラストが待っていました。それは”音楽”です。ラストクレジットに入り、(っていうのか知らんがエンドロールっていうのか)”映画史上初”のきちんとした、きわめて良質で高度な”音”音声”音質"演奏”ピアニストの手の演奏の映像”が、”映画”という媒体の中できちんと最後まで表現されました。これは感動的でした。断言しますが、いまだかつてクラッシック音楽の演奏中の状態の音を、画像を、風景を、これほどまでにきちんと”映画”という媒体のなかで表現した作品はありません。(あってあたりまえだとずーっと思ってきたが、なぜかいま現在までまったくなかった)今後は、すこしずつでてくるでしょうが。そして、これによりこの作品は”芸術”として開花しました。言い換えると”コンサート”を観にいったのに値するぐらい。もっともわたしは、よほどすばらしい作品、気に入った作品以外はラストクレジットは全く興味がありませんが。この作品は、エンドロールが完全に”作品の一部”になっていた。人類の暗部である、”戦争という行為”を、人類の脈々と続く、大いなる遺産である、ショパンの芸術作品を現代の演奏家達が”演奏表現”して、フッ飛ばし!ている。すばらしい!! 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-07-03 02:35:20) |
《改行表示》95.主人公が役にハマりすぎてました。笑 震えながらパンにかじりつく姿に同情します。 【STEVE-O】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-04-17 07:52:19) |
《改行表示》94.人種・思想・国境を越えて「音楽」が人々に感動を与える。「音楽」って素晴らしいと讃える映画。 ではなく、 どんな残虐非道なことをする人々にも「音楽」を愛する心がある。その事実、同じ人間であることを哀しむべき映画なのではないか? 【虎尾】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-05-05 16:35:35) (良:1票) |
【むーみん】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-04 19:56:13) |
92.「生きて歴史の証人となる」事は値打ちのある事だと感じます。ナチスの所業とドイツ国防軍の存在。ポランスキーがその時代に見聞きしたことなのでしょう。シュピルマンが万感の想いで演奏したように、ポランスキーも万感の想いで作り上げたのでしょう。忘れられない作品です。 |
91.やっぱり、ナチスドイツの映画はどれも酷い。それが、またリアルで良いというのか。 【幕ノ内】さん 8点(2005-01-26 22:57:17) |
《改行表示》90.★十数年前に「アンネの日記」を見たとき、その内容がそれまで抱いていたイメージと全然違っていて、えらく拍子抜けしたのを覚えている。実際に見るまで僕は、屋根裏で一人、息を潜めて隠れている少女の話だと思っていたのだ。しかしそれは僕の勝手な思いこみで、彼女には家族もいるし、恋だってする。不幸ではあったが、けっして孤独な少女の話ではなかったのだ。さて、この映画は言わば「シュピルマンの日記」。とくに後半はまさに彼が一人で隠れている話。これはかつて僕がアンネに抱いていた思いこみそのものだった。誠に勝手ながらこの映画によって、かつて粉砕された先入観に対して、リベンジを果たした気分になった。 ★アウシュビッツは出てこないし、派手なドンパチも無い。それでも人は理不尽に殺されてゆく。戦争ではなく、占領後の日常風景として。この歴史的事実はもちろん以前から知っているし、いろいろな映画で見てきたけれど、それでも見るたびに切なくなる。 【flyhigh】さん 8点(2004-12-18 16:47:52) |
89.《ネタバレ》 原作(=シュピルマンの手記)を読んだあと見ました。こういうのって映画にするとしょぼくなるのが通例ですが、この作品は全く遜色ない完成度でした。でもって、あれは実話なんです。それがすごい。こんな設定ありえねーよ!と言いたくても事実なんだから突っ込みようが無い。ただただ主人公の運のよさと、人間の生への執着心に感服するしかないです。ただやはり、将校の前で演奏した曲は確か原作とは違うと思ったな・・・。 |