《改行表示》17.まあ長いとは思うけれど、ちゃんと最後まで観ていられるクオリティ。 恵まれない人々を描く水上文学は好きなので、きちんとした映画を作って頂いて感謝である。 【くろゆり】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2020-05-29 16:39:17) |
《改行表示》16.《ネタバレ》 雷の場面から多吉を脅かし絡みつくシーン、爪をいとしげに愛撫するシーン、左の演技のすごさが でています。実際のリアリティで真剣な場面は間が空くのでしょうが、現在の台本読みのテンポの 早い猿芝居になれた人には、その間を読むのが辛いのかもしれません。実は、今のサスペンスが 全くリアリティがない「お芝居」にしかみえない、つまらなさは、この間と作られたセリフ、脚本に あるのでしょう。一方、沢村貞子の自然な演技はさすがだね。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-11-22 18:46:56) |
15.《ネタバレ》 この作品では、タイトルとは裏腹に、「飢餓」というものはあまり描かれていません。というのはつまり、三國連太郎演じる主人公・樽見の過去については必ずしも深く描かれてはいない、ということでして。もうひとりの主人公、左幸子演じる八重との出会いから、彼女を中心に描かれる戦後の描写は、貧しさはあるけれど、一種の自由さもあり(無論、犬飼から渡された大金のお陰ではあるものの)、その自由さは例えば東京の光景をどこまでもクレーン移動するカメラで拡がりをもって描く場面などからも感じられます。それに比べると、戦後10年以上たち、過去から決別し封印したはずの樽見が描かれる後半の、不自由さと圧迫感。貧しさイコール悪、とかいう単純な図式ではなく、暗い過去に閉じ込められた人間の姿そのものを、刑事との対決の中で描き(過去に閉じ込められた人間は樽見ばかりではない、伴淳三郎演じる弓坂刑事もその一人であり、その事実がまた樽見を過去に閉じ込める)、また北海道行きの船上という、開放感の光景の中で、「死」という最後の逃避を選ぶ姿を描く。もう、これ以上に追いつめられた三國連太郎を見ようと思ったら、『真剣勝負』の宍戸梅軒を見るしかないでしょうなあ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-06-02 23:33:17) |
《改行表示》14.2014.04/20 鑑賞。見逃していた作品の一つ。半世紀・50年も経つのか。健さん以外、スクリーンでは見なくなった。3時間が濃厚であっという間に過ぎ去った。( ・∀・) イイネ! でも敢えて言う。ラストシーン気に入らない。予測出来汽船も停泊しないとは・・。舞鶴まで会いにゆくのは解るが相手が困る立場が理解できないのか。台風遭難シーンは現在の視点に立つとちゃちすぎる。八重の気持ちは痛いほど理解出来るが・・。「羅生門」の“藪の中”がふと浮かぶ。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-04-21 17:15:36) |
13.樽見京一郎の少年時代をもっと見たかったですが、原作からこれ以上のものはもう差し引きできなかったのでしょう、多少のアレンジはありましたがほぼ忠実でした。これでも3時間ですからね。八重の左幸子が特出しています、本当に待望の一作をみられてよかったです。すばらしかったです。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-11-07 09:42:40) (良:1票) |
12.ずいぶん昔に見た感動の映画。主役は三國連太郎だが、弓坂刑事の伴淳三郎、杉戸八重の左幸子の印象が強い。伴淳三郎はコメディアンとしか見ていなかったし、左幸子がこれほど情の深い役をするとは思っても見なかった。爪を大事にとって哀願するさまは目に焼きついて離れない。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-09-30 07:12:34) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 名作と言われる本作をようやく観た、あれだけの原作を一体どう映画化したのかと思ったら、実に素場らしい。脚本、演出、名演技の素場らしいバランスで成り立っている。長い映画だから淡々としてるが、要所をしめ、記憶に残っている。まあ、淡々とした感じを受けるのはW106方式をあえて使ったんだから、監督の意図だろう。とにかく、安っぽい推理ものに陥らずここまで出来たのは感じいる。 【min】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-02-12 20:37:12) (良:1票) |
10.少しストーリーに粗さはあるけど、独特の骨太な迫力に引っ張られて、楽しめて観れました。戦後すぐの混乱期を描いた映画は数あれど、この映画の映像が一番説得力がある気がする。ラストシーンも素晴らしい。 【ashigara】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-07-06 23:51:30) |
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9.《ネタバレ》 良心を持ちながらもいざという時押さえきれない衝動、思い続けていた恩人に命を奪われる不条理を見事に描いた内田吐夢渾身の大作。地道に執念の捜査を続ける伴淳三郎が渋い。成功者が暗い過去を隠すべく殺人を犯すところは「砂の器」に通ずるものがあるが、「天国と地獄」も含めて個人的には邦画の3大犯罪サスペンス大作と評価しています。 【きーとん】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-08-07 16:06:31) |
8.《ネタバレ》 3時間という長い上映時間は全く飽きずに映画を堪能出来ました。三国連太郎、伴淳三郎、左幸子の重厚な演技は素晴らしく本作の屋台骨を支えています。特に前半のドキュメント的な不穏な描写は息を呑みました。中盤からの左幸子演ずる娼婦・八重が三国演ずる犬飼に出会ったことによって、生きる支えを得て力強く生きていたのに、再び犬飼と再会を果たした時のあまりにも皮肉な結末は胸に詰まります。映画的魅力が数多いのでこれだけで十二分に評価に値する映画だと思います・・・が・・不満もあります。まず再会した八重を犬飼が殺した後、たまたま目撃した若い使用人を殺害し、犬飼は二人の死体を海へ捨て心中という形で偽装しますが、これはお粗末過ぎでしょう・・八重は犬飼の新聞記事を所有したままだし、そもそも二人には何の関連性もない、すぐボロが出るのは目に見えてます(普通なら死体を発見されないように隠すはず)。実際にあっけなく犬飼が疑われて取調べされます。しかも、その犬飼の警察の捜査シーンは丸ごとカットで長々と刑事達が調査結果を報告するだけで捜査のサスペンスも感じられず味気ありません。あとは、ほぼ高倉健演ずる刑事と犬飼の会話のみで物語が進行するので前半と中盤の躍動と比べると、かなり後退した感は否めません。犬飼が事件当時に極貧の中、どこまで切迫していたか、その背景をもう少し時間を割いても良かったのでは?と思いました、そこが足りないので牢屋で犬飼が初めて慟哭するシーンもこちらにはあまり気持ちが伝わって来なかったです。色々不満を述べましたがトータルで見るとやはり、エンディング時には『あー映画を観た!』という満足感は得られてしまうので個人的には好きな部類の映画なんですね。 【まりん】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-11-01 19:50:38) |
《改行表示》7.《ネタバレ》 上映三時間、劇中10年間の歳月を、ある事件・人物にスポットを当てて追ったサスペンスプチ大河ドラマ。世紀の連続殺人事件というわけでもない、どちらかといえば地味な事件をここまで飽きさせずに追っていかせたのは、サスペンスに重きを置きすぎず、人間ドラマを主軸に、濃密な生活臭を撒き散らすことに成功しているからでしょう。 ちょっとイってる左さんの快演は見事だし、主演の三国さんの不敵な表情も貫禄充分。サスペンスとしては地味ながらも、手抜きはなく、こちらに与える情報の量が絶妙で、こちらだけが知っていることもありながら、真相については知らされず、刑事側の人間の立場で物語を一緒に追っていけるような流れが巧い。 ただ、前半部の事件の見せ方が良いぶん、後半の「コロシ」に関しては、ちょっと場当たり的というか、流れに無理矢理さを感じてしまい、物足りなく感じてしまった。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-02-09 12:56:52) |
6.僕は初めて日本映画に恋した。左幸子にも恋した。 【トマシーノ】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-11-13 00:43:35) |
5.《ネタバレ》 設定自体はとりわけ複雑ではないが、貧困、不信、疑念、執念、感謝、後悔、と多くのエッセンスが詰まっていて3時間と言う長尺も充分納得できる内容。特筆すべきは、保身への葛藤から八重を殺してしまうシーン。巻き込まれたのではなく実際犯してしまった罪への後悔、愛情が画面に溢れている。やたら陽気な八重ちゃんに笑ってしまったり、貧乏な刑事に違和感を覚えたりしてしまったが、この映画が火サス系サスペンスの頂点にあることは自分の中で変わらない。そんなジャンルねぇよ、と怒られたとしても、自分の中で、変わらない。 【stroheim】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-15 12:51:22) |
4.かつて日本映画界に名匠がいて、名役者がいて、名スタッフがいた時代の秀作。モノクロしかも3時間強という上映時間に怖れをなし、長い間観るのを躊躇してましたがここの評価通りずっしり見ごたえある重厚な作品でした。ただ強烈な存在感を放っていた情深い娼婦、左幸子が画面から姿を消したあたりから(代わって若き日の健さんが登場してくるのだがやはり貫禄負け)凧の糸が切れたみたいで、緊迫感が薄れてくるのが残念。普段フツーに生活してるとなかなか気づかないけど、食欲と性欲と物欲ってやっぱ相関関係あるものなんだよなあ。 |
《改行表示》3.《ネタバレ》 映画の完成度としては時代背景も含めて秀逸。本筋とは関係ないのだが戦後の引き揚げ時期(S21年頃)の函館や陸奥の描写がおっとりしている物として描かれているのが新鮮と言うか聊かの驚きだった。確かに東京やその他の軍需地域に比べれば戦中戦後を通して戦地は遠いものだったのでしょう・・・。また、復興後の東京の景色も、存外に穏やかな人々の暮し向きに見える。 しかし、それが故に『飢餓海峡』の飢餓たる所がどうしても今ひとつ伝わってこなかった。劇中に有る「あんな貧乏村に生まれたら絶望感に・・・云々」と言うのも昭和の初期から中期において人格形成を経た人たちにのみ伝わるメッセージなのだろうか?? 後先だが左幸子はエロティックだった・・・。高校生の頃に古文の教師が言っていた「エロティシズムとは、風で舞った着物の裾から見える脹脛の白さだ」という名言を思い出した。 |
2.見終わった後に余韻に浸ることが出来る秀作。みんなが様々な環境の中で、一生懸命生きていた時代というものを感じさせられる。 【アトミック】さん 8点(2004-01-05 15:58:11) |
1.とてもテンポの良い作品。邦画でこんなに夢中になって見たのは久しぶりです。 長さもきにならず、特に伴淳の演技がいい! 三國連太郎も根っからの悪人ではないなんとも言えない物悲しさを感じました。 でもたった一度だけ肌を合わせただけの男を一途に思っていられるものだろうか? 左幸子の演技も絶妙。特に爪でもだえてる姿はたまりませんでした。 【あずき】さん 8点(2004-01-03 16:02:13) |