7.《ネタバレ》 悪女が男を破滅させる「ファム・ファタール」ものジャンルでは、B・ワイルダー監督作「深夜の告白」が一番の傑作と自分は思っています。そのレベルには及ばないものの、この作品も、ちょいとつつけば穴だらけのストーリーの脆弱さを除けばかなりの出来だと思います。当時リタ・ヘイワースの旦那だったウェルズ氏が、いかに彼女をキレイに画面に映えるように魅せるか、シーンごとに変わる衣装、カメラワーク含め涙ぐましい結晶の跡が伺えます。ホント、この時期のリタは全身パン粉ではたいたような美しさ(←誉めてます)まるでTPOをわきまえない、時には場違いとも思えるおキレイな衣装の数々は一見の価値あり。評価を上げたのは、やはり映画史的にも有名な、クライマックスの「クレイジーハウス」での銃撃場面が良かったから。この映画の結末同様、完成後このお二人離別してしまったようですが、何となくラストのウェルズ氏の表情が「(実生活も含めて)もうお前に振り回される人生は御免だ!!」って言いたげに見えたのは自分の穿ちすぎでしょうか? 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-10-30 23:21:47) |
6.すごいですね、この時代にこれだけのアイデアをつめた映画を、オリジナルで作り上げるというのが。その後の映画に影響を与えるのですから。古いから、後の映画の方を観てからこっちを観てるので、驚きが少ないのが残念。 【min】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-10-24 22:17:42) |
《改行表示》5.この作品はこのサイトで初めて知って見たのですが、掘り出し物を見つけたって感じです。 オーソン・ウェルズの名作「第三の男」にも引けをとらない面白さ。 「燃えよドラゴン」の鏡間のシーンの原型も含めて、「隠れた名作」と呼ぶにふさわしい作品。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-07-17 13:41:43) |
4.《ネタバレ》 巧いね! ホント巧い。 やっぱりオーソン・ウェルズは映像作家と言うに相応しい人だと思う。幾人もの思惑が絡み合って、なんなんだ??? と思わせる前半から殺人事件が起き、中盤の法廷劇に移行する。なるほどココで事件の真相が解明されるのか、と思いきや! 終盤にはもう一と転げする3段仕込み。ま、はっきり言って、お話は雑。とくに工夫のある面白い話ではないし、展開的に説明不足の観も否めない。最も雑なのは、主人公が真犯人を見破るところ。その理由も謎解きも無く、ほとんど直感。神憑り。w でもね、そんなことを差っ引いても、この作りの巧みさはお見事としか言いようがない。前半でただの嫌みにしか聞こえなかったサメの例え話が、最後で大きな意味を持つに至っては、もう脱帽の一言。のちにブルース・リーの『燃えよドラゴン』にインスピレーションを与えた鏡の間のシーンも、映像効果としてこっちの方が1枚も2枚も上手。素晴らしい。それにしても、リタ・ヘイワースの作品を観る度に思うが、この人はただのセクシー女優じゃなかったんだなぁ。才色兼備の名女優だわ。 【TERRA】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-12-22 17:30:51) |
3.オーソン・ウェルズの才気、ギラギラしたやるせなさ、そして、何と言ってもこの作品はリタ・ヘイワースです。これほどまでに恐ろしい女を演じているとは観るまではとても想像つかなかったぐらいです。モノクロの画面からひしひしと伝わるギラギラした映像、光と影の扱い方、上手い!今回でオーソン・ウェルズの監督した作品を観るのは3本目だけど「市民ケーン」はさほど面白いとは感じないけど「黒い罠」とこの作品の二つは面白かった。最後の方の鏡を使っての撮影、その映像センスと巧みな画面構成がより一層、味わい深い見事え十分のサスペンスを生み出している。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-10-16 20:58:02) |
2.影と鏡の使い方はほんと上手いですよね。たまに影で登場人物の顔を隠して感情を見せないし、クライマックスなんかは鏡を最大限に利用しさらに音の効果そのシーンをかなり誇張してるように思えます。いろんな映画にパロられる意味がわかるなこりゃ。やっぱ重要なシーンは正面から映さずに上から見下ろすように映してる。ウェルズ映画を見ると勉強になるなぁ~。「オセロ」を何十回も見たから久しぶりに髭の生えてない、ウェルズの素顔を見たような気が・・・。 |
1.《ネタバレ》 上手い。オーソン・ウェルズの作品には時々難解さを感じてしまうが、この作品は割とすんなりと見れた。今となっては普通の悪女映画だけど、そこはやっぱり鬼才。作り方が違います。全編に漂うあやしげな雰囲気がなんとも良い。若干の緩急はあるものの、それはラストまで続きぐいぐいと見ていることが出来ました。法廷の脱走から始まるラストのテンションは凄いですね。こういう名作を見ると、「映画を好きで良かった。」と思えます。 |