9.《ネタバレ》 小津さんの映画は、ほっこりするね。
昭和の戦後の高度成長の頃だろうか?
出稼ぎで上京してきた親子の子供がはぐれて、長屋にお世話になる。
まぁそういう話なのだが、この頃は本当に貧しくて、ルンペンと言われるような
乞食のような子供もいたから、長屋の人たちは、最初は子どもを邪険にする。
ところが強情なのだが、どこか憎めないこの子に、情が移って来る。
最後のおたねさんの涙の訳を聞いて、長屋のみんなは「ほう」と思う。
分かれて悲しくて泣いたのでなく、その子供がどんなに嬉しいだろうか、思って泣くのである。
もうこういうハートの分かりやすい映画は昨今ではないねぇ・・