1.《ネタバレ》 フランコ独裁下のスペインを離れ、遠くメキシコで相当数の映画を撮ったブニュエルの異様な迫力に満ちた一本。巷間、メキシコ時代の彼にとってベストワークとして名高い。比較的ストーリーが晦渋でなくストレートでとっつきやすいからだろう。とは言え、イタリアのネオ・リアリスモを思わせる、いや遥かに酷薄無残で容赦の無い強烈なタッチは脳裏に焼き付くインパクトではあるが個人的には好きにはなれないタイプのモノ。特にペドロの悲惨な死に様は思わず目をそむけてしまう。ガブリエル・フィゲロアによるカメラワークも悪夢のイメージを増幅させて見事だが、矢張り好感は持てない。娯楽を王道と考える私としては、申し訳ないが2点マイナスさせて頂く。悪しからず!