8.《ネタバレ》 どうということはない会話が延々と積み重ねられ、映画というよりは舞台劇のような前半は、平坦な印象しかなかったのです。しかし、2人の感情が高ぶるにつれて、かえって雰囲気は虚しさを増していき、一線を越えたところで、一気に色が反転する。むしろそれまでの平凡なやりとりこそが至福であったことが分かる仕掛けです。灯りが1つずつ消えていくラストも秀逸。見終わった後にこそ、じわじわと味わいが出てくる。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-11-14 02:10:13) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 ヒトラーのイタリア訪問の式典の日、子育てに追われ生活に疲れたファシスト党の主婦と、ゲイである事を理由に局を追われたラジオアナウンサーとの交流を描いた話。閑散とした団地で式典の実況が流れる中、静かに繰り広げられる2人の応酬は、不思議と緩やかなのに張り詰めている。個人的にファシズムvs自由恋愛(不倫)みたいな構図は大嫌いなのだが、単に下世話なメロドラマとして終わらせない語り口にはかなり好感が持てた。それどころか扇情的なBGMや戦闘・演説シーンなど一切無しで、反戦・反ファシズムを描き切った見事な映画。脱帽です。 【オルタナ野郎】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-27 16:47:37) |
6.これは、奥の深い作品なんだと思う。ファシズム批判は特に描かれていないのだけれど、ガブリエレがゲイであることで、しかもそのゲイが異端であるとして連行までされてしまうという現実を描くことで、体制批判以上のマイノリティ排斥への憤りを表しているのでは。ともかく、『ひまわり』では感じなかったソフィア・ローレンの美しさと色気を堪能させていただきました。同じ主婦の不倫モノなんだけど、駄作『マディソン群の橋』の肉欲先行の陶酔不倫とは違って、こちらは現実逃避のヒリヒリするような切羽詰った痛みを分かち合う。これはキツイ。前半ガブリエレの電話のシーンが印象的。もちろん屋上のシーンも。「三銃士」の本と直ってしまった電灯が、切ない。 【すねこすり】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-11-30 15:50:23) (良:3票) |
5.《ネタバレ》 冒頭、大勢の人達の大騒ぎ的なパレードのシーンにおける映像に込められた力強さと同じように強い心で生き抜くソフィア・ローレン、彼女にとっての特別な一日は出逢った男、マルチェロ・マストロヤンニとのひと時であり、それはヒトラーが訪れた日がイタリア国民にとって特別な一日であるのと同じであったに違いない。これはそんな特別な一日の出来事を描いた映画であるが、誰だって自分にとっての特別な日が欲しい。そういう思い、願いが心の中にあるばすです。ソフィア・ローレンの演技の凄さと相成って生まれる女の愛、それに対してゲイである為に女を愛する事を知らないのに、何とか応えようとお茶目な姿を見せるマルチェロ・マストロヤンニもこれまたお見事!単なるメロドラマ、不倫ものとは一味違う大人のドラマの奥に感じられる歴史の重さが感じられる作品として見応え十分!音楽を一切、使わない映画作りというのも新鮮であり、聞えてくるのはラジオから流れてくる声や雑音だけであり、そんな中で演じられる名優の名演技が一層、ドラマとしての深みを与えている。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-10-28 22:38:52) (良:3票) |
4.たった半日で終わる不倫でも、紛れもなく恋をしていたんだな・・・ 【mimi】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-05-04 03:33:28) |
3.ソフィア・ローレンって美しいな~。高いところ目指してて・・・ああ収めてしまうのも、なんだかもったいない。でもそう捕らえる自分、そこが青いんだな。 【ジマイマ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2004-11-14 17:06:35) |
《改行表示》2.何事につけ鈍感な自分には、熟年男女の心の機微をちゃんとつかめてるかどうか大いに怪しいのだけれど、そんでもこの作品がものすごく丁寧に作られているのは、分かる。冒頭の流れるようなカメラワークから始まって、垂れ下がってしまう電灯やボタンで作った絵など、小道具の巧みな使い方(小道具といえば、あの手動のコーヒーミル、欲しいなーって思った)、さり気ない台詞や表情で見せる登場人物の心の動き、なんと言っても名優二人の名演技(実は「ひまわり」で初めてソフィア・ローレンを見た時は「うわっ、怖い!(ソフィアファンの皆様、ごめんなさい)」と思ってしまったのですが、この作品で見た彼女は、とても綺麗に思えたのでした)。ラスト、アントニエッタがガブリエレから貰った「三銃士」を戸棚にしまい、電気を消して床につくシーンは静かな感動を呼びます。あと、この作品は(それが主眼ではないのだろうけど)当時のファシズムの文化的・風俗的な影響、あるいは何故ファシズムが人々に支持されたのかということも描かれていて興味深かったです。人は時に、不安定な自由よりも統率の取れた抑圧を求めてしまうものなんだな(別にファシズムを肯定するつもりは毛頭ないけれどね)。【かーすけ】さんも仰るとおり、年を重ねてから観るとより感動できる作品だと思うので、10年後位に見直してみたいです。<追記>決して宣伝ではないけれど、先日この「知られざる名作」のDVD発売を知った僕はすぐさま近所の二軒のレンタルビデオ店にリクエストした。一軒は「発注したらお知らせします」と言ったきり音沙汰がないが、もう一軒の方は先日ちゃんと入荷してくれた。偉いじゃん、ツ○ヤ。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-10-22 18:12:13) (良:1票) |
【仮面の男】さん 8点(2004-02-28 13:16:11) |