《改行表示》41.《ネタバレ》 国家によって台無しにされた個人の人生を描いているけれど、重たくならず場面によってはコミカルに描いているその筆致に感服する。 どの人物も(脇に至るまで)きちんと人間が描かれていることに脚本の良質なことを感じる。母のために献身的にがんばる息子ダニエル、それよりちょっと現実的な姉、彼ら家族を生暖かく見守る周囲の人々と。 お母さん、大変な人生でしたね。幼子を連れてすでに当局に目をつけられている夫のもとへ亡命するなど、怖ろしくて勇気を奮い起こすことなど容易ではなかったことでしょう。反動で共産活動に精を出す、その気持ち分からなくもないです。こつこつ貯めた貯金が価値を失くしても、こんなにも愛のある息子さんが育ったではないですか。 人生の去り際に、わが子のしたことを悟って息子を見つめる母の眼差し。世の中の真実を知っても、皆が心配したようにお母さんは壊れたりしなかった。母の愛は真に強く優しい。 統一後の東側の混乱ぶりを市民目線で知るのは初めてで、勉強にもなった。道路わきに積まれた古い家具、(それもすぐには回収に来ない)我慢に我慢を重ねてきた市民らの思いの象徴のようだった。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-03 00:05:04) |
《改行表示》40.面白い映画でした。 話としては、まあコントやコメディでありがちな、まだ続いています的なウソ話ではあるが、さすがにベルリンの壁崩壊を隠すという話はないので、 東と西の違いを風刺として、そしてどちらの生活が良かったのかを教育として考えさせられる、非常に価値のある映画だと思う。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 8点(2016-07-14 15:15:09) |
39.《ネタバレ》 今までに見たことがあるドイツ映画の中では、一番面白いと思いました。東西ドイツの統一によって、人々の生活や社会環境がどのように変化していったのかがよくわかる映画です。えてしてそのような映画はエンターテイメント性を犠牲にすることもあるのですが、この映画については多くの人が楽しめるようにコメディ色の強い演出も頻繁に出てきます。また、登場人物たちそれぞれに魅力があり、ヒューマンドラマとしても完成度の高い作品だと思います。僕の場合は、母親の命を助けるためとはいえ、ずっと嘘をつき続けることが果たして正しいことなのか、ということを深く考えさせられました。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-07-10 04:35:02) (良:2票) |
38.単なるコメディと思ってましたが、ほんわかと感動させてくれる良作。ああいうお母さんはちょっと嫌だけど。ヒロインが可愛すぎてビックリ。名前からしてトルコ系ロシア人でしょうか。恐るべし。あと映画マニアの友人の造型もいいなぁ…。「ひょうきんなドイツ人」という、ちょっと想像しがたい難役もあの顔立ちなら納得。キャスティングの妙ですね。 【番茶】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-05-30 06:42:55) |
37.《ネタバレ》 笑えて泣ける優等生的な映画でした。最後にしてやったりとニセニュースを自慢げに見せる息子。この時お母さんは、息子の優しさに胸がいっぱいだったでしょう。幸せに満ち足りた安らかな気分で逝かれたことと思います。私も両親の最期には不安や恐怖もない落ち着いた心持ちで息を引き取ってほしいので、しっかりそばにいてあげたいですね。 |
《改行表示》36.《ネタバレ》 展開の小説的な流れが凄く好みだった。 お母さんの病状の変遷とかスリルを引き出す小道具になっていて、良くできてるなぁ。 文章だと受け身でそう思えるところを、映像で作るのはなかなか大変だったんじゃないかと思う。 すぐ突っ込みどころがビジュアルで分かってしまうので。 良くできてる。 この映画の主張がどのあたりまで現地の人の考えと一致しているのか分からないんだけれど、少し真剣に世の中を眺めるきっかけにでもなればいいなと感じた。 この映画のキャラクター達の、どうでも良いような努力が生活の柱を作る。 その類の努力すらやってないな、最近。そう言うところを認識するとちょっと良い薬になる。 そう言う部分の活力が無ければただ仕事で人生がすぎてしまうと思う。人それぞれ違うものであろう生活の大切さを少しだけ感じられた。 【黒猫クック】さん [DVD(吹替)] 8点(2009-03-21 20:41:02) |
35.《ネタバレ》 序盤はナレーションが多くいまいちだったが、アレックスの同僚や姉のダンナ等、魅力的な人間も出てきて、気づかぬうちに入り込んでいた。あそこまでいったら最後まで・・・と思い、ララの行動にはブーイングものだったが、ラストのビデオのシーンを考えると納得。息子のあふれる程の愛を感じながら、空に散った彼女は幸せだっただろう。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-04 22:29:21) |
34.《ネタバレ》 素直に感動できる映画でした。コメディと聞いていたけど、ヒューマンドラマですねジャンル的には。主人公が母親にドイツ統一のことを必死で隠そうとするのがとてもすごかったです!「そこまでするか?」みたいな感じで見ていました。でもそれは、母親のためでもあり、自分のためでもあったというのが好印象でした。最後に母親にみせたビデオに編集したものは、主人公が理想とした東西ドイツの統一だったと思います。良い映画でした。 【のび太】さん [DVD(吹替)] 8点(2008-01-22 21:31:55) |
《改行表示》33.《ネタバレ》 エピソード・小ネタ情報を今拝見しまして、やっぱり!と思いました・・・ なんかおかしいと思ってたんですよね 笑 これは素敵な映画ですね。キャラクターの軽さが、ちゃんと見てる人を中心まで案内してくれます。 母は聡明で強く、愛にあふれていました。いや、映画全体に愛があふれています。 暖かくなる映画でした。 しかしお母さんの前をレーニン像が飛んでいくのは、見てる方がはらはらしました・・・ 【しゃっくり】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-12-09 02:54:19) |
32.《ネタバレ》 嘘も使いようによっては、薬になるばかりでなく、人を幸福にする。愛する肉親の精神的な安定と安らかな死への旅立ちのためなら、歴史さえも変えることは苦にしない。何と言うメルヘンだろう。何と言う愛だろう。ついでに理想の世界を描いてみよう。わかる、俺もそうするだろう。想定外のハプニングにも臨機応変に対処する心意気が泣かせる。どんな事があっても、ごめん、実は・・・なんて死んでも言わない。父親が協力した場面は、さすがに笑ったが。嘘でも言い続ければほんとになる。夢もあきらめなければ実現する。全てが母親への愛なのだ。 【パセリセージ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-07 23:41:34) |
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《改行表示》31.《ネタバレ》 『ベルリンの壁崩壊』を扱った映画が(自分の中では)あまりない上に本作は「東側」の視点から描いたものだ。正直世界史の授業では「西ドイツと東ドイツが一つになって民主化されていきました、めでたしめでたし」みたいに教えられたから、『ベルリンの壁崩壊』に対するイメージはそれしかなかった。だが、「東側」からの視点で観てみると、必ずしも彼ら全員にとってはハッピーエンドではではないことが分かった。自分が今まで信じてきた教義がある日を境に反転してしまって、いきなりマクドナルドとかが進出してくる、・・・ってなったら実際「ポカ~ン(゜ρ゜)」でしょ笑 お母さんに嘘をつき続けることを貫徹する息子。やっぱ観てる側としては正直「本当のこと教えようよ・・・」って心苦しくなってしまう。だけどそんなこときっとお母さんは分かってたんだろうな。分かってても息子が自分のために嘘をついてくれることに親孝行を感じたんだろう。そう信じたいものだ。 【たいがー】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-07-16 16:18:56) (良:1票) |
30.まだ最近だからかもしれないが、冷戦の崩壊をテーマにした映画って少ないような気がする。西と東は同じドイツ人の国でありながら文化や価値観がまったく違くなっている。(ピクルスやトラバントが好例として挙げられているけど)日本人はまずコメディとして見てしまうだろうけど、当事国であるドイツ人にとっては、この映画は切実なものだろう。社会的メッセージ性があり、かつ程よい笑いもとれる良作だと思う。 【こまごま】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-01-04 11:55:43) |
29.《ネタバレ》 良かった。母を思う息子の気持ちに涙。母も息子の嘘に気づいていたんだと思う。最後の母のアップの映像が良い。発想も良い。 【あしたかこ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-26 03:44:43) |
《改行表示》28.《ネタバレ》 母のための嘘が、いつしか己のための嘘に。 息子の母への思いが切なくも暖かく感じられた。 嘘をつくよりも良い方法があるのでは?と思われるが、 やり過ぎとも感じられるアレックスの不器用さが出ていて良かった。 真実を知る者達に囲まれ、遺灰が撒かれるシーン。 個人的に印象深く、深い余韻に浸れた。 東も西も、資本主義も社会主義もそこには無い。 ただ深い愛が・・そこにはあった。 画的に洒落たシーンが多く、深いようで重くはないので気軽に見られる。 【HIGEニズム】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-04-23 23:54:32) |
27.東ドイツ市民から見たドイツ統一を描いた作品で非常に面白かったです。時代が新しく生まれ変わる際に捨て去らなければならないもの(価値観等)への郷愁が母親の姿を通して描かれており、すこし切なくなりました。 【TM】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-18 12:55:08) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 題材自体は面白いものの、あまり上手くいっていないように見えます。例えばヘリに吊るされたレーニンの銅像と母親が対面する象徴的な場面などはアイデア以上のものにはなっておらず、もっと何とかならないか?と期待してしまいます。 …しかし、最後のインチキニュース上映会にて母親のために一生懸命インチキ世界をデッチ上げる息子を見つめる母親の優しい眼差しに、やっぱりどうしてウルウルしてしまうのです。これまで嘘をついて母親を必死に守ってきた息子を、騙され続けられているフリをしてジッと見守る母親。息子と母親の立場が逆転する(親と子の関係が元通りになる)瞬間が本当に〝素晴らしい〟の一言に尽きます。 勉強不足の私は小ネタをたくさん見逃しているのかもしれませんが、究極的には本作は〝東〟も〝西〟も関係ない母と息子の愛の物語なのだと思います。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-06 00:12:09) |
25.昨年、観た外国映画の中でこれは拾い物の1本!ドイツの国柄をきちんと描いた内容で、単なる政治ドラマでもないし、けしてお堅い映画ではありません。コメディタッチな要素も上手く取り入れて良質の映画になってます。この映画に出てくる俳優、誰一人として知ってる人はいなかったけど、映画って撮り方によっては一人も知ってる人がいなくても十分楽しめるんだということを教えてくれるそんな作品です。とにかくこの映画に出てくる人達みんながとても良い人達で温かい気持ちにさせられる。ララ、私も可愛いと思いました。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-26 19:26:26) (良:1票) |
24.話の芯もしっかりした物があり軽い笑いもあり、なかなか良くできた映画だと思う。気持ちが良い映画。 【miso】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-06 22:26:27) |
23.タイトルが「グッバイ、レーニン! 」なんです。グッバイです。だからこそあの時代を笑い飛ばせるんです。皮肉れるんです。評価できるんです。許せるんです。でも、グッバイ、なんです。十数年でこれは早いのか、十年もかかったと見るべきなのか。そういや、バブルっていつだっけ? 【笹】さん 8点(2005-02-20 03:34:57) |
22.《ネタバレ》 嘘をつらぬくために演出された「東ドイツ」は、しかし統合で失われた心のなにものかだった。けれど、この「東ドイツ」は、本当は以前でも実在していなかったのだ......、というお話。オススメ。 【goro】さん 8点(2005-02-09 07:24:53) |