3.《ネタバレ》 ブルーノ・シュルツの原作を映像化してしまった(褒め言葉)クワイ兄弟の作品。
窓ガラスの壁を開く仕掛け、天井から吊るされた腕、ガラスの天井の上を駆け抜ける何か。
地図、実写、扉を開けて訪れるもの、ネジ、ネジ、ネジ。
男が台の上の拡大鏡で地図を覗き、ガラスの中の鳥、動き出す機械、現れる人形の男。
腕から伸びる糸。糸を、男を解き放つように糸巻きは周り物語が動き出す。
無数に蠢き、風に舞う落ち葉の様に地面を転がり土中に埋まるネジ、ネジ、ネジ。
寂れた街中と曇った飾り窓の中で動くもの、拾う子供。ネジは意思を持っているのか、あるいは誰かが操っているのか時折あらゆる場所からひとりでに外れていく。
懐中時計はネジが亀裂を入れ突き刺さり生物のように血を流し、動く電球人間、鏡の反射で照らすもの。
空から降り注ぐネジ、振動、マネキン、ネオンのように光る、その光に反応するもの。
飾り、何処かに引かれていく鉄線、蠢く地面 鞄に何かを入れているもの、 暗闇から響く音、光と音、タンポポ?光の玉のように、手を繋ごうとして繋げられない風にも見える。
飾り窓は鏡に、店員に誘われる来客、糸を巻き取るもの、腕を這う針、出迎えるもの、密室でうごめき来客を仕立て上げるものたち。
人間と思っていたものは人形のように首をもがれても動き続け、眼の無い脳味噌が空の人形かと思えば人間の様に豊かな視線や動きを見せる人形。手が吸い寄せられる乳房。
内臓に刺さった無数の針、針が刺されても鼓動は絶えない、紡がれる糸、ネジは靴の踵に、人形たちの針も、地図。
仕立て屋たちが“抜かれていく”瞬間、来客は扉の外へ。