30.13歳の少女の無知からくる無謀さがとても強烈。彼女の自己中的一途さが微妙に変化していく違和感はあるが、その健気でひたむきな行動が次第に心に響いてくる。貧しさの中の逞しさ、大人達の悪意の無い本音や優しさが人間臭く伝わってくるが、同時にこの国の図々しさの源を垣間見た気がする。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-09 23:56:00) |
《改行表示》29.《ネタバレ》 とても好きな作品です。村の子供たちが可愛かったのが印象的。 最初は捜す動機がお金だったウェイ先生が、いつの間にか男の子のことを思っての行動に変わっていたのが凄く自然に感じて良かった。 終盤の先生のテレビ出演とそれを見た男の子の2人の演技がドキュメンタリーのような自然な演技だったので感動に繋がったと思う。 【さわき】さん [地上波(字幕)] 8点(2016-09-30 22:01:21) |
28.《ネタバレ》 お金が行動の基準になる13歳の代理教師の女の子。学校にも通えず出稼ぎに町に出ざるを得ない子供。決して恵まれているとはいえない中国の地方の子供たちの教育事情。この作品に出ている子供たちはほとんどが素人の子供たちなんですよね。それだけに、テレビで華やかに映し出される北京や上海とは違う、巨大な中国の持つもう一つの表情がこの子供達を通してリアルに伝わってきました。それと同時に、チャン・イーモウ監督の描く子供たちや代理教師の女の子の持つ飾り気の無い等身大の素朴さや、純粋さ、たくましさがとても深く印象に残ります。素直に見てよかったなあ、と思えるとてもあたたかい作品です。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-03 02:16:36) |
27.《ネタバレ》 不機嫌な女の子って好き。女の子ったって代用教員なんだけど。不機嫌ではあっても不貞腐れているわけではなく、まっすぐゆえの仏頂面。とにかく彼女には生徒を一人も減らさない、という明確な目的がある。「…とか」といったイマドキの日本の若いモンの曖昧さが一切ない。逃げた生徒を捕まえるとなると、その目的だけに集中する。街にまで追いかけ、墨汁を薄めて尋ね人のビラをたくさん作る。目的の達成のためにあの手この手を使う。テレビ放送まで使う。局長さんがものわかりが良すぎるのが、この映画の唯一の欠点だが、ま、仕方がない。ずっと仏頂面だった彼女がブラウン管の中で泣き、自分を探している人物の存在を知ってホエクーも泣きだす、という名場面が、それがないと成り立たなかったのだから。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-09-15 12:13:12) |
26.風情があって良かったけど紛い物が横行しまくってる国だから「どこまでが本当」とつい疑ってしまい・・。素人のお子ばかりというがそれすらにも懐疑心が生まれてしまってからに。 【ケムール人】さん [地上波(字幕)] 8点(2007-11-02 04:22:56) |
《改行表示》25.《ネタバレ》 おもしろかったです。少女がTVニュースで訴えるシーンでは思わずホロリときました。しかし、自分の近くにこんな少女がいたら鬱陶しいだろうなあ。 【la_spagna】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-04 15:25:32) |
24.《ネタバレ》 ◆僕はチャン・イーモウが好きになってしまいました。◆話としてはシンプルだが、若干ダラダラしている。先生の性格もあまり共感できるものではなく、なんのために生徒を探しに行ったのかよくわからない。◆しかし、それらを差し引いても、この作品は良かった。中国の貧富の格差、教育状況、さらには教育の本質といったテーマを中心として、子供達の可愛らしさや、街の人々のまだ残っている良心を暖かい視点から描いている。◆特に良かったのは、街に行った少年を迎えに行くために、バス代を子供達みんなで計算するシーン。ただ教科書の内容を写すのではなく、実体験に基づく問題をいかに解決するかを考えることこそが本質的なのだ、という監督の教育観が伝わってくる。また、ラストシーンで一人ひとりが色とりどりのチョークを使って一文字漢字を書くシーン。けっして感動を誘うような演出はしていないのだが、子供達の文字を書くときの筆圧や、笑顔、漢字の意味、読み上げる声などが絶妙に折り合わさって、見ているものの涙腺を緩める。◆チャン・イーモウの教育観、人柄、それから中国に残っている温かさ、子供達の可愛らしさ、それらが融合して一つの素晴らしい作品ができあがっている。8点を献上させていただきたい。 【もりたろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-02-18 15:50:57) |
23.この監督の冗談って笑えない。レンガ運びのアレはないだろぉ。主人公は最後まで痛々しかったけど、監督の力だろうな、見終わった後、最高な気分でした。映画から感情ってのがあんまり感じられんかったのは視聴者に感情を与えるためなんだろうな。 【lllだりlll】さん [地上波(字幕)] 8点(2005-12-08 02:07:19) |
22.近頃はハリウッドに進出し、CG多様のアクションものなど撮っているチャン・イーモウ監督だけど、この頃までのチャン・イーモウ監督は良い。この作品も中国ならではの作品という雰囲気の中で一人の少女が迷子となった男の子を捜すというだけの話であるけれど、自然体の演技が何か観ていて癒されます。 【青観】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-06-26 19:15:13) (良:1票) |
21.一本のチョークが学校の一番の貴重品という、中国の寒村の学校の子どもたちの表情がなんと生き生きとしていることか。プロの役者を1人も使わず、中国の農村をリアルに表現している。これは多分、終戦直後の日本の状況と似通っているのだろう。戦後60年、日本が、日本人が物質的に豊かになった分、どこかに置き忘れてきたものを思い出させてくれる作品。 |
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20.急速な近代化へと突き進む都市部と、その時間の流れに取り残された貧しい村。現代の中国が抱える問題点が描かれています。ウェイ先生の愛嬌を振りまかない仕草が逆に涙を流す場面を引き立ててくれています。おもわず涙腺がグッときて、自分もチョークを送りたいと思っちゃいましたから。素朴で心安らぐ良い映画です。 【tantan】さん 8点(2004-11-14 22:25:29) (良:1票) |
《改行表示》19.中国の農村や街の様子その他の人々も飾ることなく表現されていて、ストーリー以外の部分の情景の映像にもずいぶん心惹かれました。少々常識からかけ離れた考えからの少年の捜索ではありますが、その必死さ真摯さに連れ込まれてしまう感じがありました。テレビに出ての彼女の様子や、もうお腹が空いてしまってしようがないホエクーのあの表情、そしてやっとありついた食事をかき込む様子など、どれをとってもリアルと書けば語弊があるのかも知れませんが、自然さ本当にそうだったらこうなんだろうなぁ ~という様子を映像に映しとってあるところがスゴイ!と感じました。涙をながして訴える先生を見た時のホエクーの表情が印象に強く残っています。彼はこの時あんなに手を焼かせたにもかかわらず、こんなにも心配してくれる人が自分にはいることで、大きな信頼、愛情を強く感じたのではないでしょうか。 【ぱんた】さん 8点(2004-11-07 14:42:03) (良:1票) |
《改行表示》18.いい映画だった。たった13歳の少女が「退学者がでなければ賃金に10元上乗せ」という条件を満たすために、必死で生徒を連れ戻しに行く、という身も蓋もないシチュエーションだが、豊かさが当たり前になってしまった日本と違って、生きるためにお金を切実に必要としているヒロインの行動には、偽善臭さが全くなくて、私にはそれがむしろ健全で爽やかにすら映った。 色とりどりのチョークで黒板に書かれた子供達の文字に、驚異の発展をとげつつあるこの国の大きな希望を見た気がする。 【poppo】さん 8点(2004-08-06 13:50:40) (良:1票) |
【刹那主義】さん 8点(2004-04-10 01:45:01) (良:1票) |
《改行表示》16.《ネタバレ》 極度の貧困には無縁の裕福な人から見れば、この作品中の人物達は金の亡者にしか見えないのかも知れませんね。一日の食事にも困るという状況に局面した毎日を送っていれば、当然この作品の中国人の人達のように金に対する執着心が高まるのは当たり前だと思うのですが・・・。この作品はそういう現実を包み隠さず表現した良作だと思います。 初めはお金しか目に入らず、適当に子供をあしらっていたミンジですが、ホエクーが町に出稼ぎに行くという事件以降、生徒達と協力してレンガを運んだりバス代を計算し合ったりと試行錯誤します。結果オーライといった感じで生徒との距離が縮まります。何とか町に行ってホエクーを連れ戻しますが、最後にはすっかり生徒達との間に一つの繋がりが出来ました。ミンジはその後も時々学校に顔を見せるというテロップが最後に流れます。貧困にあえぐ現状を考えるとお金が一番でしょうが、結果的にミンジにとっては生徒と心が通じ合ったということの方が価値有る財産となったのかも知れません。 【おはようジングル】さん 8点(2004-01-23 18:20:23) (良:1票) |
《改行表示》15.13歳の少女の捨て身の捜索活動には色々な解釈があるだろうけれど、私にはやはり「どうしても生徒を減らさず50元を得たい!」という気持ちがベースにあってのことだと思えた。それがいやらしいと言えない時代背景もあるし、むしろ13歳でそこまでがんばった彼女は偉かった。その50元もきっと家族の生活の足しにしたかったわけだろうし。 そして、テレビカメラの前で自分の気持ちをたずねられ、じっくり考えた時に、お金のためだけではない「あの子が本当に心配だったんだ」というもうひとつの気持ちに気づいたのでしょう。その上での止まらない涙だったんだと思う。 芸達者な大人俳優なんて完全に食われてしまっていたフェイ先生と悪ガキのほほえましくもたくましい演技には脱帽。 【Rei】さん 8点(2004-01-07 16:32:45) |
【紅蓮天国】さん 8点(2003-10-12 23:19:18) |
13.役者の演技があまりにも自然で、それだけでも十分見ごたえがありました。レビューを読んでいると、「日本人」の主観が多いなと思います。13歳で教師はどうなの?とありますが、農村では13歳で結婚もできますから、十分に責任を持てる年齢と見られているんでしょう。あの農村が貧しいと見るのも私達の勝手な主観で、彼ら自身が貧しいと思っているかどうかによると思います。自分の民族的感覚で他国と比較するのは、時にとても侮辱的な行為にあたると思います。 【yonyon】さん 8点(2003-07-12 01:23:52) (良:2票) |
12.出演者はほとんど素人をオーディションで選んだ。いかにも田舎っぽい人々がプロ顔負けの役者ぶりです。これには自然な演技を撮るために何台ものカメラを同時に回して、子供達が意識せずにやってるのを編集する、という監督のこだわりのたまものです。わずかなお金のために少女が先生になり行方不明になった男の子を一生懸命探しに行くのは、たくましくも涙ぐましい。撮影裏話を知るにつけ、主人公の彼女や子供達の演技以上の素晴らしさに感動する。カメラの前で泣きながら「帰ってきて」と訴えるシーンはもらい泣きしたが、彼女は本物のテレビ局に緊張してそれでホントに泣きそうになってんだとか。素朴な彼女に監督は女優を薦めず先生になるべく勉強中とか・・都市部の豊かさの影で、農村部では学校にも満足に行けない貧しさがあると、監督は中国の光と影を訴えているのだと思う。 【キリコ】さん 8点(2003-05-16 19:25:22) |
11.彼らの労働力のおかげで100円均一ショップや海洋堂のおまけフィギュアが可能なんだなぁ、としみじみ思った。日給250円、コカコーラ350ミリリットル300円の世界で一ヶ月約1000円+200円の賃金を要求することを拝金主義とは言わないでしょう。そういう貧富の差という政治的な問題を考えさせられる映画だ。ただし、それを抜きにしても涙あり、笑いありの面白い映画だった。あの男の子が特によかった。彼は最初からウェイ・ミンジに好意をよせていたんだよね。日記の女の子もよかった。その日記に心を動かされたミンジのとった行動には笑った(おいおい、それって恐喝だよ)。 【赤いチョーク】さん 8点(2003-05-06 23:30:48) |