1.《ネタバレ》 果汁を「搾り取る」とか、放水で扇動者を「洗い出す」とかの換喩の面白さ以上に、その画面の迫力に圧倒される。
火災が起こったので放水で鎮火させる、といった因果による作劇ではなく、
炎と煙を画面に展開させたので次はさらに水のスペクタクルを披露しよう、というような発想ではないだろうか。
そう思わせるくらい、経営者側がふかす紫煙や、放水攻撃の激烈さは過剰だ。
ともあれ、ここから始まる怒涛の群衆活劇は圧巻である。
高層建築を舞台に、深い縦の構図によって大乱戦が演出されるが、その高度は赤子に対する容赦ない仕打ちとしても利用される。
前半では人物紹介のモンタージュなどに使われる程度の動物たちも後半はアクションとサスペンスに大きく寄与している。
(ポンプ馬車、馬の足元に置かれた子供、牛の屠殺)
こちらもまた、その含意以上に画面の力そのもので迫ってくる。