3.“女+猫+ヒーロー=キャットウーマン”この構図は映画の素材として非常にユニークで巧いと思う。
男のヒーロー映画が蔓延している中、「女のヒーロー映画を作ろう!」というのはとても正当な論理であろう。
しかし、そのヒーローをひたすらに正義に没頭させては何の意味もない。
言わせてもらえば、脇目もふらずに正義を貫けるのは、無邪気で幼稚な“男”しかできない発想であろう。
ムカつくヤツは叩きのめし(猫パンチ)、恋もすれば、泣きもする、
そして何よりも“自由”を求める。女がヒーローになるというのはそういうことだ。
この映画はその真理を徹底して表現している。
そして、艶かしいボディを惜し気もなく見せつけるアカデミー賞女優のヒーローっぷり。なんだか大げさだけど、この単純な娯楽映画の中に、荒れ狂う厳しい世の中を己の体ひとつでのし上がっていく強い女の現代像を見た気がする。