1.男の子は皆そうなのかも知れないけれど、子供の頃から恐竜が好きで好きで、恐竜図鑑ばかり見ておりました。当然、恐竜映画も大好きで、ストップモーションアニメのあのギクシャク感が、かえってタマラナかったり。それにしてもこの映画、スゴい。尻尾を引きずった「(我々にとって)正しい恐竜像」が描かれてます(最近、恐竜についてつまらんこと言われ過ぎ。何が羽毛恐竜だよ。夢を壊さんでくれ。でもその昔、TV番組で初めて「恐竜ってのは尻尾を引きずらなかったんです。足跡の化石はあっても尻尾を引きずった痕はありませんから」という説明を聞いたときは、正直感動した。勿論、ジュラシック・パーク等が製作される前の話です)。というのがスゴイ点ではなくて、ですね。スゴイと思うのは、コナン・ドイルの『失われた世界』を下敷きにしつつも、あくまで徹底して“バトル”にこだわっている点。我々が観たいものを、先んじてちゃーーーんとこんなに昔から把握してくれているのです、オブライエン師匠は。しかもラストには原作100%無視で、都会のど真ん中に恐竜を登場させて見せるという、超絶的アクロバット。どうしてこんな映画を作ろうと思い、作れると思い、実際に作ってしまうのか。どうしてこんな昔に、私が観たいものを見抜いていたのか。勿論、観たいと思うのは私だけではなかったことは、その後のSF映画の歴史がしっかりと示しています。むしろ本作よりも最近の映画の方が、確かに技術が比べ物にならないほど優れてはいるけれど、「我々の観たいモノ」から逸れていっては、いませんか? 技術は高くても内容的には「ほどほど、それなりのモノ」に安住しては、いませんか? (ところでDVDのBGM。なんでバルトークなの?と少々気が散る)