40.観たのは公開時。当時このサイトから離れていたので、書きそびれていました。私は「ゲロッパ!」は好きになれなかったのと、前評判が少し大げさとも感じていたので、観る前はさほど期待していませんでした。でも、一番思ったのは、「見直したゾ! 井筒さん」ということ。彼の「人間が好き」という姿勢は他の作品からも伝わってきますが、本作のように若い男の子を主人公にした作品が、一番井筒さんらしい。オジサンが若者を描くときにどこかににじんでしまいそうな説教クサさがないのがいっちゃんいい(説教臭いというコメントも読みましたが、私の言いたいのは若者に抑圧的な、という意味での説教クサさ。イデオロギーの意味ではありません)若者に対するエラそーぶりがないから、過剰とも思える暴力表現もゆるせるのです。それと、今の世の中の閉塞感は、私たちが、社会に内在する矛盾に鈍感になってしまっていることとつながっているような気がするのですね。それを、この映画は「そのままでいいんかい?」と問いかけているように思います。心を突き動かす熱いものを本来持っているのが人間(あるいは若さ)なんじゃないの?と。デリケートな題材を扱いながら多くの人の共感を得たのはそういう点ではないでしょうか。但し、わるいけど女の描き方は下手なのね。男が女をよくわからないのはまあゆるすとして、出産シーンの撮影には助産師さんの監修くらいつけてくださいよ。 【おばちゃん】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-01-31 12:12:43) (良:2票) |
39.頭ごなしに気に食わない映画を毒とも言える発言でコテンパンに否定する、あの井筒監督が苦手でした。 『この映画、ゴミやで。評価するに値せんわ~』 とかなんとかってあんたの心はどこまで濁ってるんだって思ってました。 己も同業者ならちょっとくらいは敬意を払って発言したらどうだって叫びたくなる。 そりゃあ私のような業界には無知なただの映画ファンに言えた話でもないが、とにかくあのおっちゃんのバカでかい態度が嫌でした。 あんたの好みが違うからってそこまで言うことないだろって。 とうとう見てしまった、そんな頑固オヤジの作品。 『パッチギ!』 ・・・なかなかやるじゃないか。悔しいけど、楽しんでしまった。 最初は関西弁が聞き取れなくて苦労したけど途中からそんなのどうでもよくなってしまった。役者の表情の演技で十分伝わってきて。 前半はすごくわざとらしいわ~なんだ、この演技。 井筒のおやじ、こんな撮り方するのかよ~って思ったけど、後半はかなりグングン惹き込まれちゃったからね。まじ悔しいわ。 日本人の男の子が朝鮮学校の女の子に恋して、歴史的背景がずごく反映されてる映画なんですけど。 全然知らなかった事実とか気づいたり、勉強になりました。それだけじゃなくて、人間模様がめっちゃ楽しかった。泣いたり笑ったり忙しい映画です。ちょっとバイオレンスで引いちゃったりもしましたが・・・でも全体的に非常に良かった。井筒監督、見直しました。 【未歩】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-12-05 22:38:28) (良:2票) |
38.もっと話題になってもいいかなと思うぐらい話をあまり聞きませんが、これは間違いなくいい映画だと思います。暴力が友情の手段となり得た時代を井筒監督が自分もその世界に入り込むようにして作ったんだろうから、つまらないはずはないです。だってあの人なら当時の話を面白おかしく何日でもしゃべりそうじゃないですか!登場人物がみんな魅力的なのは井筒監督のノスタルジックな愛情ゆえです。ただ、やっぱり政治的な面の説教はつまんないです。が、それがいいんです。だってあの高校生たちが高尚な民族問題語るより青臭い理想論ぶら下げてる方が全然本当でしょう。この人はその理想論に地で乗っかる熱い漢(おとこ)魂を全面的に信じているということです。だ・か・ら・こ・そ、ダウンタウンの松っちゃんも書いてましたが彼なりの「答え」を見たかった。これはかなり残念。なんか、いざ答えに向かう時に限って急に都合がよくなるんですよ(笑)。例えば「GO」でもそうでしたが、死んだ奴が全然「生きて」こないんです。キモの部分がビックリするぐらい形式的で事務的なんですね。まるで在日問題そのもののように。でも、それはこの映画では問題でないんでしょう。そもそもそちら側に突っ込んでいって苦悩する井筒監督って一体誰?って感じですし。テーマはあくまでパッチギ!ということなんです。お前らワシの頭突きで目ェ覚ませと。余計なお世話?いやいや、これは必見です。井筒監督は本当に純粋なガキなんだな(もちろんこれは褒め言葉です)と思いました。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-03-07 12:44:37) (良:2票) |
37.この映画は確かに"井筒監督の言う"日本人の罪とやらを表現し切れてはないと思う。割と表面的な印象を受ける。イムジン河を歌うシーンは泣かせるし素晴らしいけど、お葬式で康介に向けられた悲しい憎しみが歌うことで拭いきれるわけじゃない。二つの恋愛だってうまくいったけど、だからといって朝鮮学校と日本人の学校が喧嘩しなくなるか?といえば、絶対にない。 だけど、いいのではないのだろうか?こういう小さな交流が、少しずつ溝を埋めてきたのではないだろうか。映画で描かれているこの小さな交流が私は好きだ。もどかしい交流に心打たれた。リアルだし、素直に感情移入できた。日本映画のよい作品を久しぶりに清々しく見たと思う。 そーして!単なる自慢で恐縮ですが、本当に一言だけこの映画で台詞を言いました。自分の声を聞くのは照れた(笑) 【うらわっこ】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-02-10 12:09:34) (良:2票) |
36.《ネタバレ》 「ゲロッパ!」と同じ監督さんとは思えません!(ぐるぐるさんごめんなさい)。あの激スベリを自覚反省して細部まで気を入れ込んでいるのがよくわかります。井筒さんは「おっちゃん」より「にいちゃん」を撮るほうが断然いいですねっ。セリフがもひとつ聞こえにくくて小ネタが若干消化されませんが、60年代をこれでもかと、わざとらしく強調するしつこさに、関西人の哀しい息づかいを感じてしまうので目をつぶります(笑)。ロケ地の選択やファッション、流行り言葉の時代考証もちゃんとできてるし、何よりあの時代の若者、大人の熱さと情が伝わる! 伝わる!んやけど、でも、ラストのあの丸め方と美形役者の配し方には、やはり北の宣伝、と言われても仕方ないかな、とも正直なところ思ってしまいました。そやないですやろ、甘ぅおますえ・・と伝統ある京都のお人は感じたかもしれないなぁ。主人公の前に立ちはだかる恋の障害にもう少し踏み込んでくれれば、と心残り。母親役に上手い余貴美子を使ってツカミ入れたのになんで尻切れなんでしょ? しんどい恋だけどこれからどうする?どもならんかもなぁ、という切なさを投げかけて終わってくれるのが井筒さんなんや、と自分が決めつけてるのもあるけど・・。でもそれこそがこの映画の大きな軸のはずやで、とも思っています(しつこい性格、自分でも嫌んなるわ、’パチキ’入れてもらお。)。 【かーすけ】さん 8点(2005-02-05 02:23:20) (良:2票) |
35.《ネタバレ》 地図の上に引かれた国境というライン、もしこれが消えてなくなることがあったら・・・。 以前この映画を薦められながら、けんかやバスを横倒しすることが嫌で途中で見るのをやめてしまったのを、数年ぶりに最後まで見た。あれだけ嫌だったシーンを乗り越え、何度も何度も・・・。 この映画では私はいつも涙するシーンがある。それは「イムジン河」の歌が歌われる場面だ。この歌は昔フォーク・クルセイダーズが歌っていて、いろいろな逸話がありその後の「悲しくてやりきれない」と続くのだが・・・。 「歌に国境なんぞ、ないんだ」とディレクターが叫ぶ。そして朝鮮語で歌われた歌が、日本語で歌われ、想いは一つの感でしめくくる。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-04-17 07:10:24) (良:1票) |
34.《ネタバレ》 凄い。文句つけようが無いくらいの勢いというか情熱と言うか、登場人物一人一人が精一杯生きてます。 【osamurai】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-09-15 15:00:39) (良:1票) |
33.デリケートな題材をとても上手く処理して、嫌味にならない程度にメッセージ性を盛り込めた作品だと思います。 京都在住歴があるので、より身近に感じられたこともあるかと思いますが…。 最近、昭和を題材にした作品が多くなり、しかも高評価を得ていると感じますが、「現在」に何となく違和感を感じたり、「未来」のことに思いを馳せる余裕も無くなってきたことの表れでしょうか? 【なおてぃー】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-02-11 14:25:25) (良:1票) |
32.理屈じゃない。好きな子のために歌を届けることも、気に入らない奴を殴ることも、子供が生まれる喜びも、ヒッピーにかぶれることも。複雑な事情あるけど、人の気持ちに国境はない。そんな気持ちの良い青々とした春をみた。 【michell】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-09-09 22:38:14) (良:1票) |
31.日本と朝鮮の時代背景を根本で描いてるかもしれないけど、やっぱり井筒節はおもろいよ。とりあえずいったれ的な無茶苦茶シーンも不器用な真面目シーンも楽しめる。好みは別れるだろうけど、面白いというか、楽しいよ。それでいいのでは? 【Andrej】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-02-18 05:32:43) (良:1票) |
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30.かっこいいバイオレンス映画なら好きだけど、泥臭い暴力青春映画か、と前半はがっかりして観ていました。しかし後半は良かったです。葬式で朝鮮人に無知を責められ、橋でギターを叩きつけるシーンは、私も無知なのでいたたまれなく、一緒にギターを叩きつけたい気分になり、涙がでました。最後の川を挟んでの喧嘩のシーンは、それまで怒りの発散しか感じられなかった暴力なのに、温かいものを感じます。パワーに溢れた作品! 【サイレン】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-26 05:57:47) (良:1票) |
29.久しぶりに男の血がわさわさと騒ぎ出すような日本映画に出会いました。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-05 10:19:55) (良:1票) |
28.井筒監督のものの見方が好きなので観てみたいと思っていたら、たまたま友人宅で観る機会に恵まれた作品。数ある不良たちの喧嘩のシーンは20そこらの自分には実感わかないけど、井筒監督の見てきた当時のリアルな光景なんだろう。自分の通っていた高校のそばにも朝鮮学校があったので他人事ではなかった。まあ、自分の時代にはいざこざはほとんどなかったんだけど、当時はそれこそこの映画のようなシーンがたびたび見られたんだろうな~。肝心の映画の中身はというと、のっけからひきこまれてすんなりハマれる。在日の問題(葬式のシーンが印象的)にしっかりと切り込みをいれつつ、たっぷり青春の味、涙のスパイス付きってかんじです。泣きはしなかったけど、最後のイムジン河はニクイ演出だぜ。あと梶原京子は虎の門のとき監督に嫌われてるんかと思ってたけど、体当たり演技しててびびった。しかもあとからあの役者魂を監督から大層評価されたそうな。全体的にそこまで重くないのはいろんな人に観て欲しいっていう監督の意図なのかなと思った。 【スペクター】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-04 16:40:16) (良:1票) |
27.《ネタバレ》 前作「ゲロッパ!」とは打って変わって、内容も深く、とても真面目に創っていますね~..朝鮮をテーマにしている作品としては、重すぎず、軽すぎず..秀作です!..「GO」なんかに比べると、遥かに出来が良い..作中に“歌”を引っ掛けるあたりは、秀逸..そして、大友康平の一言は、心を打ちました..ラストの彼女への告白も洒落が効いてて ◎(二重丸).. 笑い有り、涙有り、感動有り、、単純かつストレートに訴えかけてくる作品です... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-08-18 12:15:19) (良:1票) |
【武蔵】さん [DVD(吹替)] 8点(2005-08-13 11:06:09) (良:1票) |
25.《ネタバレ》 冒頭の修学旅行のバスのシーンから一気に惹きつけられて最後まで観てしまいました。ここまであまりに痛々しい暴力群像劇には慣れていないけど、いまの時代にない、ギラギラしたパワーを感じました。アリラン戦線、南北統一は険しいけれど、国籍の関係ない恋愛(キョンジャや桃子ね)や下町の絆だけは失いたくない、という気概を感じました。主人公がキョンジャを通して知る在日朝鮮人社会。決して話を美化させない井筒監督に一本取られました。よく考えると、この映画のクランクインって、ちょうど拉致問題でワイドショーを賑わせているときなんですよね。よくぞこの時期に撮ったもんだ。桃子の子供は、日本と朝鮮の明るい未来を予感させます。この映画の真の主役は、配役がばっちりハマっていた大友康平をも動かした『イムジン河』と、壊れたギターと若者の血潮が流れ落ちた、『京都の川』ですね。2つの川が象徴的でした。 【どんぶり侍・剣道5級】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-08-04 23:36:03) (良:1票) |
24.《ネタバレ》 けんかに、恋に、音楽にと燃える男達の青春が、コミカルにかつ力強く描かれていて、物語にもグイグイ引きこまれた。なんとも熱い映画である。ストーリー自体はベタだし、あまり真新しさは感じなかったが、強引ともいえる演出のおかげで思わず感動させられた。とくにラストの大スペクタクルけんかシーンに、主人公の唄う「イムジン河」がオーバーラップしつつ展開するという大味な演出には思わず、狙いすぎやろ!と突っ込んでしまったものの、やっぱり泣けた。 【きのすけ】さん 8点(2005-03-01 20:09:40) (良:1票) |
23.いい話なんだなこれが! 沢尻エリカの「朝鮮人になれんの?」は、ぐっときて考えさせられます。 【へまち】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-08-20 13:46:26) |
22.《ネタバレ》 握りこぶしであちこちゴツゴツ叩く。素朴で愚直で、後ろ向きでなく、幸福であるための覚悟がわかりやすく、魅力的でした。だいいち登場人物が生き生きと、変に屈折してないのがいいよね。映画でなければならない理由が確かにここにはあるのだが、ただ楽曲「イムジン河」へのこだわりは、シンボリックではあるが少々説得力を欠き、ストーリー展開の小道具としての印象に終わった。 【ねこひばち】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-05-20 18:41:34) |
21.《ネタバレ》 出演者が皆パワーがあって、熱い映画。 色々考えさせられるテーマですが、サクッと観れて面白かったです。 仲良くなれたチェドキのお通夜で伯父にどやされた時は、本当に『悲しくてやりきれない』想いにさせられた。 そして『イムジン河』を唄う時には、南も北もない・・・朝鮮人や日本人という隔たりもないという想いになり、ジーンとさせられました。 アンソンが、新しい生命を抱きかかえた時には、涙・涙・涙。 笑いどころの『あなたの犬が食べたいです』とラストの『二人で一緒にヤリたいです』もツボでしたし、涙あり笑いありの傑作でした。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-01-17 13:58:39) |