36.《ネタバレ》 「シザーハンズ」の妹、まさにそういう作品だ。 不運な花嫁の破れたヴェールを透して、実写ではアーティスティックな職人となりつつあるティム・バートンの本質が仄見える。 朽ちかけておよそ不気味な存在であるエミリーが観る者の心を惹きつける様は見事というしかない。 それも彼女が欲しくてたまらなかったものを手放すほどに大人になったからだろう。 名前のように似た、愚直な親の影響を受けていない「2人のヴィク」も魅力的で罪はないせいでいっそう切ない。 口下手のヴィクターが自分を表現し、2人の女性の心に触れるピアノも素敵だ。 月の光を受けて呪縛から解き放たれるエミリー。 青白い腕からは骨がのぞいていても、見惚れるほど美しい脚をした彼女はバートンの人魚姫かもしれない。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-11-25 10:41:56) (良:2票) |
35.《ネタバレ》 映画らしい映画を撮ってくれるからティム・バートンは大好きなのですが、これも期待を裏切らない良作。ヴィクトリアもエミリーもそんなにかわいくはないのに、自分がヴィクターになったつもりで、ぐいぐい引き込まれてしまう。そして、だんだんと二人のことが好きになってくるから不思議だ。快活でウィットに富んだエミリーと物静かで心優しいヴィクトリア。ストーリーがうまくできているのはもちろん、アニメで90分程度の上映時間でミュージカルのシーンも多いにもかかわらず、ここまで彼らのパーソナリティを描ききれているところには脱帽せざるを得ない。いつもながらダニー・エルフマンの音楽は素晴らしいし、ラストシーンの美しさも感涙もの。小粒な映画のお手本となるべき傑作。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-06-24 00:23:58) (良:1票) |
34.まさしくわくわくさせて、どこかいつも哀しいティムの映画ですね。 結構ラストはジーンとしたりして・・ 常々、やはり人間も死者も、老人も子供も、男も女も可愛いのが一番と思っているのですが登場人物たちはみな可愛く切なくて良かったです。「チャリチョコ」が陽ならこれは月といったところかな。ただ、「ナイトメア・・・」ほど衝撃的な作品ではないかもしれません。 【シェリー・ジェリー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-16 19:31:40) (良:1票) |
33.ビックフィッシュやチャーリーに「ティムバートンもすっかり落ちついちゃったな」なんて気持ちを忘れさせてくれるコアなバートンワールド。パペットの無機質感が気弱で悩めるビクターをより際立たせると共に、欲望渦巻くダークで愛のない生者の町と彩り鮮やかで明るくポップな死者の町の対比が見事、ありえないこの三角関係の中にいつの間にか引き込んでしまう魅力的なキャラ達もいいです。真実の愛とは永遠なる想いなのか、無常なるものなのか。かなりの毒を持っていながら真はストレートなロマンスで全体をファンタジーで包み込む流石です。 【亜流派 十五郎】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-10-28 22:03:29) (良:1票) |
32.《ネタバレ》 よい映画なので最初に文句を。何度か書いてるけどカタカナ邦題はやめてほしい。一体どれぐらいの日本人がコープスを「死体」だと理解しているというのか。「死骸の花嫁」と訳した方がずっといい。……邦題はともかく内容はよかった。ナイトメア(これも「クリスマス前の悪夢」でいいじゃないか)よりも実写のシザーハンズ(これだって「ハサミの両腕(のエドワード)」でいい)に酷似していると思う。「結ばれない愛」が主題となっていること、そしてその「結ばれない」相手がより高い存在へと昇華して映画が終わること(シザーハンズではひたすら氷の彫刻をつくり続ける姿が神々しく、死骸の花嫁は最後には無数の蝶へと変化して消えさってしまう)、またその最後の場面で悪玉的存在が死んでしまうところまで完全に同じだ。この主題はこの作者にとって繰り返し取り上げたいことなのだろう。確かに愛情は人間にとって厄介な代物で、人はこれによって満たされもすれば傷つくこともある。満たされる場合はともかく、かなえられない愛をどうすればよいのか。「ハサミの両腕」にせよ「死骸の花嫁」(もう勝手に日本語にする)にせよ、愛はかなえられない。その悲しみを描く一方で、それでも人を愛することは美しいことなんだと映画は訴えている。悲しい物語なのに同時に心が満たされるような気分になるのはその訴えかけに見ているこちらが知らず識らず共感するからだろう。 【空耳】さん [インターネット(字幕)] 8点(2017-08-27 01:08:33) |
31.ストップモーションアニメというだけで、少し採点が甘くなってしまうけど、 大人も子供も楽しめるアニメはやっぱりいいと思う。 |
30.多くの意味において非常にまとまりが良い。 実際の尺もあまり長くないが、音と光にあふれたカラフルな死後の世界と、ド陰気な生者の世界との対比が良いメリハリになって、実尺よりさらに短く感じる。 しかも全編にわたってフィルムに生気が満ちており(死体の話なのに)、退屈する瞬間がなかった。ミュージカルシーンは楽曲面でややパンチに欠けるところはあるが、そうした瑣末な不満を押し流すだけの魅力がいくつもある。 何度も観たくなる良質のアニメーション。 お話は古典落語の怪談話みたいな方向性。こういうストーリーとティム・バートンの作風って相性がいいんだなあと感じる。SMAとCGの相性の良さも抜群だし(正直どこからどこまでが撮影なのか分からない)。 セルで持っておきたい一品。 【肛門亭そよ風】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-07-08 03:38:51) |
29.ナイトメアービフォア~は超えられなかったが、この作品はこの作品でよい。 ミュージカル形式にしたのも挑戦的で面白かった。 |
28.《ネタバレ》 かなり良かった、アニメなティム・バートンは相当良い。 【成田とうこ】さん [地上波(吹替)] 8点(2010-04-09 00:11:31) |
27.《ネタバレ》 ティム・バートン、そして、ジョニー・デップとくれば、そりゃあ見るしかない。だが、残念ながら劇場では見逃してしまった。こういう映画は色が重要だから、劇場で見たかったんだけど。 声の出演は、ほかにもバートン作品でおなじみの面々が担当している。どの人もよかったが、クリストファー・リーがやはり貫録勝ちだろうか。 生者の世界は、人形はもちろん、建物などのセットの色合いも、モノクロかと見まがうような、彩度を押さえた色調で統一されている。あざやかな色は死者の世界にこそある。夜の夢こそ真、というところだろうか。 バーキス卿の正体とか、物語の結末とかは、途中ですぐわかるのだが、バートン印全開の映像に集中するためには、安心して見られる古典的なラブストーリーのほうがよかったのだと思う。 死体の花嫁の造形もすばらしいが、単なる怨念に凝り固まった妖怪でもなく、生者の世界への執着を失った聖女でもなく、その間を揺れ動く彼女の心情がくっきりと描かれていたのがよかった。 ヴィクトリア・ヴィクターのカップルが、絵的にはいちばん地味でさみしいのだが、フリークスが主役のバートンの世界では、まともなキャラの影が薄いのはいたしかたあるまい。 【yhlee】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-07-25 15:28:31) |
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26.《ネタバレ》 あんまりミュージカルっぽく歌が前編に入ってるのって、歌の部分あきてあんまりみてないんだけど、これは登場人物に惹かれてるのかすんなりきちんと見れた。 暗めな感じだけど、それはそれでまたしばらくたったらリピートして見たくなる作品 【kayori】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-06-17 23:34:14) |
【ベルガー】さん [DVD(吹替)] 8点(2007-04-27 16:18:48) |
24.アニメーションでもなく,CG でもない独特の質感がとてもリアルで観ていて飽きないし,ミュージカル仕立てで時間を感じさせない。 ストーリィも簡潔で結末が容易に想像できるにもかかわらず面白い。 生者と死者の世界がとても対照的。 生者はいろんなしがらみで死んでるみたい,背景も含めてモノクローム調。 死者のほうはカラフルで自由奔放,とても生き生きと描くことによって現実を皮肉っているけれど,実のところまさにその通り。我が振り直れ。 【YHWH】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-02 11:57:40) |
23.驚きの映像クオリティに素敵な音楽、物語はハッピーエンドとは言えないようなちょっと切ない感じだったけど、素晴らしい作品に仕上がってるんじゃないでしょうか。 キャラがちょっと気持ち悪いというか、好みじゃないような気がしていたのだけど、動き出すと魅力的に感じるのが不思議です。 特に犬がとっても可愛かったです。 【もとや】さん [DVD(吹替)] 8点(2006-12-31 23:04:08) |
22.良作。生きている花婿と死者の花嫁、この組み合わせで結末は必然的に想像できるのだが、やはりエミリーに感情移入してしまう。この映画全編を通じて一番表情豊かなキャラであるし。(最も半分以上ガイコツなので表情も何もないわけだが)エミリーがあまりにも魅力的(自分にはそう感じた)に描かれているため、ヴィクトリアがちょっと霞んじゃってる。いや、ヴィクトリアもいいキャラ(ヴィクターに対する一途さが嫌味にならないギリギリのライン)であるのだが、やっぱりもう少し掘り下げて欲しかった。ラストシーンは切なくも美しい。 【ばたあし】さん [DVD(吹替)] 8点(2006-10-28 16:55:06) |
21.これまたティムバートンの子供向け映画。ですが何かノリノリで楽しいです。観てて何も考えずにいられるのもいいですね。相変わらず内容は薄っぺらですけど楽しいからそれでもいいかって感じです。 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-19 17:00:09) |
20.作りも良く出来てたし、センスのいい映画だった。何より斬新で面白かった。 【たこら】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-17 11:36:13) |
19.事前にストップモーションアニメという情報を得ていたにもかかわらず、あまりのなめらかな動き、表情の豊かさにメイキングの映像を見るまですっかりCGアニメーションだと勘違いしていました。制作スタッフに頭が下がります。もう少し尺を長くしてその後のストーリーなど描いてもらえれば9点、あるいは10点献上するところですが、そこまで要求すると制作スタッフに殺されそうですので、素直に8点献上致します。 【丸に梅鉢】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-04-28 00:22:04) |
18.表のヒロイン、コープスブライドがなんといっても魅力的です。頭蓋骨には虫が喰い、ところどころ白骨化していても、悲しい位に明るく主人公を想う姿に心動かされます。彼女が表のヒロインだとすると、裏のヒロインは没落貴族の娘、ビクトリアです。彼女は気位ばかり高くイヤミな両親から生まれたとは思えない、とても純朴な娘です。彼女の一途な想いにもまた心動かされます。死者の世界が「表」、現世が「裏」というところが、この作品のキーポイントです。死者の世界のほうが色調も明るく、楽しい感じで描かれているのに対し、現世のほうは暗く陰気に描かれています。この対照的な世界がビクターと観客に問いかけます。「楽しいが悲しみを秘めた死者の世界」と「あなたがいるべき陰鬱な世界」、あなたはどちららを選びますか?と。美しすぎるエンディングが忘れられない作品です。 【目隠シスト】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-25 17:54:12) |
17.《ネタバレ》 スタッフの努力に頭が下がります。ストーリーはシンプルで、死後の世界の方が現世よりも楽しげというテーマもステレオタイプな感がありますが、とにかく映像と音楽が美しい。ピアノのシーンでは音程と指の位置がしっかり合っているんですよね。ドラマなどで俳優が弾いてるより違和感が無くて苦笑しました。 【ジェフゆないてっど】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-04-22 15:09:31) |