2.コメディなのだが、古き良きイギリスの上流社会の、日常生活をのぞき見ることができて、上質な映画。どぎついセリフや過激な場面も無くて、非常にゆったりと上品で、それなのに退屈しないで観た。俳優陣のクオリティもあるだろうけれども、脚本も良いのだと思う。原作は戯曲だそうだけれども、場面展開のテンポが良かった。上品なドタバタに、くすりと笑わせられた。やはり、ケイト・ブランシェットのクラシカルな優雅さが、素晴らしい。上品で清楚で優雅な淑女そのものだ。彼女は「美女」ではないが、生半可な美貌なんか太刀打ちできない存在感を持っている。めがねを掛けても、キスをしても、上品。それにしても、最後にキスをしながら足をばたばたさせているところが、かわいらしかった。ハーレクインの表紙を飾れそうなルパート・エベレットも、眼福だった。いつもは硬質な感じのジュリアン・ムーアが、意外なほど貫禄ある悪女っぷりで、素敵。