1.冒頭、刑務所内のやたらと濃い人間関係が描かれる中、千葉チャンからおつかいをたのまれて仮出所する健さん。なんやかんやでトラック野郎をあいつとめることになり、なんやかんやでこのトラックに様々な人物たちが乗り込んでくる。脈絡なく登場人物たちが集まってきて、脈絡なくさまざまな事件が発生し、でも最後には何となく収まるべきところに収まった気がしてくる、摩訶不思議。自分がコレにどう納得できているのか、まだ自分でも説明できませんが(笑)。
とにかく、雑多な登場人物をトラックに乗り込ませ、雑多な事件が起こりつつ(トラックの暴走シーン!とか)なんとなくそれぞれにドラマがあって、何となく皆、この旅を通じて何らかの感情を動かされ、成長したような感じがあるのですが(そんな結構なもんでもないか)、主人公の健さんと敵役の安部徹は別。この二人は何にも変わりゃしない。なので、こういう二人は最後は対決するしかないですね。雪の中の対決!
ここで登場する、意外な人物。意外というより、ほとんど意味不明なんですが、しかしこれもどういう訳だか、ここで登場するならこの人しかいないでしょ、これが正解でしょ、という気になってしまう。意味合いは全然違うけれど、注文の多い料理店の最後に思わぬ助っ人が現れる、あの意表をつかれつつも感じる納得感に通じるものが。
それにしても、娑婆は娑婆で、こうやってさまざまな人間模様がある訳で、刑務所内はいわばその縮図なんだろう、そうそう、オカマだって一生懸命生きてるんだ、と、しみじみ・・・。