56.この映画を見てない人に説明するときに、「女子高生がタイムリープしちゃう話」と どうしても言ってしまうのだけど、よく考えると、タイムリープはどちらかというとどうでもいい要素だと思った。 この話におけるタイムリープは、高校三年生の夏の、入道雲や、中庭の木漏れ日や、教室の机の擦れる音や、むせ返るような運動場の匂いや、告白できなかった思い出や、野球のボールがグローブに入る感触なんかを思い出すための舞台装置に過ぎない。それらは、僕らが失ってしまって、もう二度と手に入ることのない、永遠に届かないところにある思い出で、だからこそ心の奥に大切にしまってある思い出である。この映画は、そんな夏の思い出を、ひと時だけ思い出させてくれる。それはとても懐かしく、心地よいことだけど、同時にどこかちくりと痛い。戻れない痛みと、淡い後悔の痛み。 主人公は劇中、気持ちいいほどずっと駆けている。確かにあの頃は今よりずっと駆けていたような気がする。 【コダマ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-11-19 01:05:12) (良:7票) |
55.《ネタバレ》 ここのレビューとぴあでの高評価につられ、リアルタイムで見なければ悔いが残ると思い、家族総出で鑑賞。甘酸っぱくて、せつなくて、見た甲斐があった。みなさん、どうもありがとう。「どこが良かった?」と娘に聞くと、「真琴がタイムリープの時、うおぉーっていうところ」。教育的効果はあっただろうか? 【ジャッカルの目】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-01-13 15:58:48) (笑:3票) |
54.《ネタバレ》 オリジナルとは全く別物だけど、これはこれで単なるアニメの枠を遥かに超えた青春映画の秀作だと思います。・・・実は、自分はオリジナル大林宣彦=原田知世バージョンについて、過剰な程MAX最大級クラスの思い入れがある人間なので、ちょっとでもアラを見つけたら酷評するつもりで満員立ち見御礼、都内唯一の封切り館「新宿テアトル」にて鑑賞してきました。でもそんな自分の姑息な思いなど吹っ飛んでしまう位、原作のテーマを損なわず、しかもオリジナルのファンをも失望させない素晴らしい仕上がりになってましたね。最大の勝因は新ヒロインをいまどきの「ポシティブシンキング」な少女に設定し直した点だと思います。原作(←わりかし幼稚)ともオリジナル(←可憐だが受動的)とも異なる、全く新しいヒロイン像の創造、これに尽きます!思えばオリジナル公開当時でもすでにアナクロニズムに近かった、芳山和子という少女、あのヒロインは尾道という一種ユートピア的舞台設定と原田知世という稀有なる透明感の女優を得た事よって辛くも成り立っていた人物でした。それを20余年経た今、同じ性格の女の子を主役にするっていうのはやはり到底無理が有る。監督も脚本家も頭良いです!「未来で待ってる」や「前向いて走れ!」とかツボにはまる台詞も多数。シーンの合間に挿入される、学校の何気ない日常風景にも癒されます。唯一の減点は、真夏の日差しの様にキラキラ輝く彼等の聖三角関係が、オッサンに片足突っ込んでいる自分にはまぶしすぎ、軽い疎外感というかジェラシーを感じてしまったから。主人公と同年代の方で、今この映画に出会えた方が本当に羨ましいです。自分もそろそろ原田知世という女優さんを「時かけ」=「芳山君」という呪縛から解放してあげなければいけないよなあ・・・。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-08-04 17:55:10) (良:3票) |
53.映画館で公開すぐに観たんですけど今さらレビュー。そしてアニメ初レビュー。この映画の「タイムリープ」は、それを行う者がある過去の一時点の自分と入れ替わるというもので、タイムマシンで移動した場合とちがって自らを他者?として見かけることがありません。そして意識はタイムリープ前と継続性があります。それまで居た世界は意識以外はリセットされ、新しい世界が進行するわけです(やり直しがきくこの世界で倫理は存在しないのでは?。たいしたことしない真琴はバカというより超人。)。とはいえ、脳内現象というわけではないので世界は物質的に存在し、その偶然性は支配できません。この世は思うようには行きません。まあ、こういう設定かな?・・・・と思って観ていたのですが、鑑賞後思いました。そんなSF設定なんてどうでもいい。これはいいかげんで青臭い、まさに青春映画だと。悠久の時を刻む世界の中でちっぽけな個人が行う人生の選択、個人の意思や想い。そのかけがえのなさ、大いなる可能性を本作は描いています。月並みでこっぱずかしい表現ですが、一度きりの人生における青春の一瞬の輝きの眩しさが身に染みて感じられました。それで私はOKです。 【しったか偽善者】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-06-17 01:53:34) (良:2票) |
52.《ネタバレ》 「待ってられない未来がある」というコピーに恥ずかしながらヤラレた。。過去の作品も含めて全く内容は知らなかった けれど、このコピーのおかげで見に行った。確かに。待ってられない! で、観た感想は、割とさらっとしててさわやか。そう、高校時代って「とりあえず大きくなったけど、これから何したら いいのかわかんない」という漠然とした未来への不安感とワクワク感がある。無限大の可能性を持てあます贅沢!そういうのが 滲み出ているのが良かった。あと、人の微妙な想いに揺れ動いたり、反対に人はこっちをどう想ってるのか、クヨクヨ悩んだり ・・・いいなぁ。2者間のドキドキ攻防戦!そして何より、高校時代は全てのことが新鮮だし、全てのことに真剣。 まっすぐな主人公たちが輝いていた。演出面でも、あんまり泣かせようとか胸キュンさせようとかせず、上品な感じだった。 音楽もとても良かったし、夏の高校の感じも臨場感があった。キャラクターの作画もさわやか。 唯一、映画の後半、タイムリープという不思議な力の出所について語られ始めるが、これは私はなくても良いかもと 思ってしまった(原作にあるのかも知れないけど・・)。素直に不思議なエピソードにした方が、よりすっきりしたかな思う。でも、それを差し引いてもさわやかでいい映画だった。 【おしりはばとび】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-08-13 21:45:37) (良:2票) |
51.《ネタバレ》 ルールも勝敗もないから、永遠に終わりのない3人野球。 真琴の、いつまでも3人で、ずっとこのままが良いって気持ちが凄く伝わる。 それがいつまでも続くとは思っていない功介。続かないことが解っている千昭。 真琴が同じ時間を何度も繰り返すことによって、徐々に3人の気持ちが先に進み出す描き方が上手い。 過去に行けるというトンデモナイ能力を、あんなどうでも良いことに使えてしまう真琴がとても良かった。 バカなことばっかりの真琴が、意を決して友梨に、千昭が好きなことを告白するシーン。好きな人の突飛な話を信じられる真剣さ。行動力。アニメの声優は初のようだけど、ドラマで目にする仲里依紗がビックリするくらい上手に演じていた。 可愛い絵柄でドギツイ内容のアニメ、心を抉り取られるような鬱展開のアニメが増えた中、パンツも見えない、キスシーンすらない、カラッと真っ直ぐな高校生たちの物語は、逆に新鮮だった。 後輩3人もまた、毎日が楽しそうで、悩み多くて大変そうで良いね。功介に告白するとき、メガネしてないのは何でだろう?コンタクトにした?功介がクッキリ見えるのが怖いから? 魔女おばさん。単に超常現象に理解がある人だと思っていたけど、芳山和子だったんだな。1983年版をもう一度観なくては。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-05-26 23:18:05) (良:1票) |
50.《ネタバレ》 タイムリープと少女、この掛け合わせと絵のタッチが絶妙でした。 マコトとチアキ、コウスケのキャラも立ってて安心して物語を楽しめました。 なんせアホなマコトの勢いは凄まじく、グルグルグル、ドーンの繰り返しに笑っていたら、 ズドーンと真相を知る展開に。 『大切な話をちゃんと聞いてあげられなかった』と泣きじゃくるマコトに共感。 人生、大事に生きなくちゃいけませんね。 【ろにまさ】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-07-18 22:14:58) (良:1票) |
49.《ネタバレ》 なるほど、世間で評判良かったわけだ。 かく言う自分も、知世版、里依沙実写版と比べて、これが一番面白かった。 オリジナルなストーリーでちゃんと時をかける少女になっているし、何より少女と少年の気持ちが、自然で(特に知世版にあった)不可解感がない。 そして、この版の一番の特徴で、私の一番気に入っている所は、「真琴の気持ちが無かったことになっていない」という事だ。劇中、少年の告白を「無かったこと」にした真琴が、それを再び言わせてあげる物語で、真琴の気持ちを無かったことにされていたら、私はその作り手に対して、かなりがっかりした事だろう。 今回、私はさるTVドラマの「消された思い」の連想で各版の時かけを見てきたが、(春樹版は別として)最後に行き着いたこの版で、とうとう少女の思いが少女のもののまま、言わばハッピーエンドを迎えたのをとても嬉しく感じている。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-07-17 22:21:15) (良:1票) |
48.《ネタバレ》 ほとんど興味もなく、テレビ放送を子供が観てるのを一緒になって観てるうち引き込まれました。告白されそうになると頑に逃げまわって回避し続ける主人公がラストに思いっきり泣く姿にもらい泣きしてしまいました。気が済むまでいくらでもシチュエーションをやりなおしできたのが、残りがなくなってみて初めてそれまでの自分の態度に後悔する。ゲーム世代のリセット感覚みたいなお気楽な人生時間ぽく展開させつつも、非常に質の高いところまで引っ張ってくれたなーと、素直に感心しました。これまで触れてきた数作の「時をかける少女」のなかで最も良質と思った作品です。 【だみお】さん [地上波(邦画)] 8点(2011-06-06 01:48:26) (良:1票) |
47.《ネタバレ》 見てて何かがこみ上げてきました。何の感情なのか自分で分からなかったけど、沢山泣いてました。真琴と千昭と功介の3人で、青空の下ただキャッチボールをしているシーンが何度も出てきます。さりげなく普遍そうでいて、でもすぐ壊れてしまいそうな日常の風景。かけがえのない時間って、その時は何も意識せず過ぎ去っていくけど、後になってからどれだけ素敵な時間だったのかが分かるんですよね。 【VNTS】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-03-06 16:32:02) (良:1票) |
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46.《ネタバレ》 大林監督の「時をかける少女」が大好きで、なんとなく躊躇して見逃しているあなた。あなたにこそ、見てほしい。「芳山和子」と「紺野真琴」は、まるで別人ですが、見終わったあとの何ともいえない感じは同じです。【再見150715】面白い。細田監督、最高傑作。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-01-06 00:22:37) (良:1票) |
45.真夏の花火のような爽やかで儚い映画でした。 なんとなく、 アニメでなければできないこともある、ということを再確認した気がします。 時間も短いし、アニメでサクッと見れる映画にぴったりの内容でした。 また来年も見たいと思います。 |
44.1983年版のリメイクだと思ってたが、完全に別プロットの別物。 だけど、2006年版のこれはこれで良さがある。どちらも良い。 同タイトルが複数あるけど、もしかして全部別プロットなのか。 2010年版も観てみたくなったので、いずれまた。 現代化、アニメ化という強みの良さも。 奥華子の曲がまた哀愁を誘って良いですねぇ。 結論「時をかける少女」はどれもおもしろい。 おそらく原作が良いからなのでしょう。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-05-24 22:02:56) |
43.タイムリープものだが、それに固執しすぎず、甘酸っぱい青春を描いている。3人の会話のテンポも素晴らしく、観ていて飽きない。 サマーウォーズもいいが、やっぱり細田守作品はこれが一番。 【アクアマリン】さん [地上波(邦画)] 8点(2019-07-21 18:42:41) |
42.《ネタバレ》 原作は未読で大林監督作品も観ていないが、結構楽しめた。ありそうでなさそうな高校生の日常の中に、タイムリープというSF要素を絡めた、爽やかな青春ドラマ。主人公の行動は基本的に幼稚なのだが、その幼稚さゆえに誰の記憶にもある二度と戻らない青春の日々を追憶させる力を持っている。実際には本作のような「男2人と女1人」の友達関係を経験した人はあまりいないと思うが、誰もが憧れるシチュエーションだったりもする。夏の日、自転車、キャッチボール、堤防、そして友達……全てがかけがえのない日々だったことを思い起こさせる不思議なアニメだった。 【田吾作】さん [地上波(邦画)] 8点(2015-07-21 11:47:00) |
41.《ネタバレ》 いいね。安定してると思う。サマーウォーズみたいにキャラが多すぎて役割や展開が散漫してるってこともないし、変に萌え要素とかもないし。シナリオも展開はSWよりは少ないけどよくできてると思います。人間関係や進路のこと、タイプリープによって生じる問題点など、どれも回収できてるかなーと。ただ自転車を罰金5000円で片付けていいのかなぁ。命に関わる問題なのだから、買い換えるとかもうちょっと徹底して対処してほしかったかな。SWも時かけもどっちも好きだけど、自信もって人に薦めれるのはこっちです。 |
40.青春の瑞々しさ、甘酸っぱさがギュッと90分ちょいに濃縮された作品。これは名作ですね。 【ashigara】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-07-10 18:13:05) |
39.《ネタバレ》 タイムトラベルのモチーフが生かされていて面白かったです。 【*まみこ*】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-02-23 19:31:49) |
38.《ネタバレ》 面白かった。 設定や登場人物の芯の部分はすでにある「時をかける少女」から持ってきたことで、旧作をあまり面白いと思わなかった私には単純なリメイクをしてももの凄くつまらないアニメになると思っていたが、そうではなくかなり楽しむことができた。 設定や人物の基本的なところが共通だが、本作オリジナルのキャラクタや舞台設定や世界の広さが旧作よりも遙かに上手に作られている。旧作と違いマーケティングと印象操作で一人歩きした評価ではなく、どこの国の人が見てもおそらく面白いであろう映画にきちんとまとめ上げられている。 この作品の最大の魅力は、原作の持っていたジュブナイル小説的なキュンとくる味わいをさらにキュンと昇華させてキュンキュンくるお話にある。主人公とその友人の3人の関係のゆっくりと静かに回る時間が、何とも懐かしく切ない感じを思い出させる。本当の高校生活であればあんなに放課後がノンビリしている訳はないのだが、そういう部分も意識させない世界観作りが巧妙だった。 願望と記憶と現実を上手に割り切ってみせるストーリーはアニメ映画ならではの巧さを持っている。萌え要素に頼らない日本のアニメ映画は、何となくレベルが凄く高くなった感がある。特にここ何年かは同年のジブリのアニメよりも面白いんじゃないかと思える作品もある。凄く良いことだと思う。 【黒猫クック】さん [地上波(邦画)] 8点(2010-05-04 20:44:47) |
37.最初はタイムリープを私利私欲のために使いすぎてるんで、なんだかな…って思ったけど、最後はほんと良かった。「今」の大切さを教えてくれる素晴らしい映画だと思います。声の演技に関しては主要3人の中では千昭役の人だけは多少気になる部分があった。超絶棒読みの妹などは論外ですが。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-03-26 18:30:38) |