1.《ネタバレ》 まさに「人生は戦場だ!」を信条に生きる事となる風吹ジュン演じる女の戦いの記録とも言える一篇。成瀬巳喜男の「あらくれ」を髣髴とさせる風吹ジュンの爆発的突発的なエモーションに打ちのめされてしまった。暗闇の映画館の中で厳しくスクリーンを見つめるクライマックスの野心に満ち溢れた眼差し(その先で写されるのは何と「ひまわり」、これはずるい!笑)を獲得するまでのプロセスをダイナミックに演出した阪本順治も見事だが、その阪本順治に「女性映画」を撮らせたプロデューサーも素晴らしい選択をしたと思う。登場する人物は皆生き生きしており、また作品の随所で吹く風が彼らの表情に厚みを与えている。傑作。だと思うけど、「トカレフ」なんかと比べると、少しまとまり過ぎた感があるかも。