1.少しあっさりしていますが(後に「アイ・ラブ・ルーシー」のルーシーとなったルシル・ボールの聖母然とした印象のためか?同時にそれがウリにもなっているが)、巧い展開ですし個々のキャラクター造型とその配役や白服に鏡の使い方、そしてノワールらしい影と闇が良い味を出しています。電話を盗み聞いている?子どもがいますが、登場した瞬間に観客にはその子の役割に察しがつきます。単純なことですがこの混沌世界で唯一の手がかりであり伏線の張り方として憎い演出です。また、ここで煙草を吸いたいなぁと思うところで主人公はチッとマッチをすって一服する。そこら辺りの感覚が観ていてとても心地良いのです。