1.《ネタバレ》 噂になるだけのことはあります。
まさにトラウマ映画というコアなジャンルの頂点。
生理的な不快さがホラーであるならこの映画はホラー映画の頂点。
とにかくグロい。
ゴアあり、サイコあり、生々しさあり、とホラー三点セットがそろってる。
それにB級ではない。
B級ではないところでグロいのをやるのが凄い。
考えてみればB級Z級映画こそ安易といえるハッピーエンドや中途半端なバッドエンドを持ち出す。
この映画はそういうのではない。
生々しい暗さが重く後味として鑑賞後に残る。芸術とさえ感じるとは言い過ぎか。
美と酷、生と死、これらの混在が終わりを深いものにしているのか。
この映画のホラーとしての評価点は脳のダメージまでもホラーとして怖くやってること。
このサイコ女はどんなホラー映画にも出てこない不気味さだ。
不条理な狂暴さがホラーというジャンルにおいて素晴らしい。
そしてこの女のゴスなファッションスタイルがナイス(個人的にサイレントヒル3(TVゲーム)のクローディアを終始思い出した)。
この作品はホラー映画にあるべき狂気というものがしっかりとしている。
部屋の照明が不思議な雰囲気を出す。
音楽は時にメランコリックに美しく、時に奇妙な電子音が箍の外れた狂気を彩る。
ホラーへの妥協が生む明るさも一切ない。
愛憎の切り替わり、モンスターの切り替わり、強さと弱さの切り替わりがあって面白い。
母性本能の強さと、自衛本能の強さと、赤ちゃんってスゲーなーってのと、女って怖えぇ。
マっジで胎教に悪い映画だなと思った。
それに僕は先端恐怖症の人も見ないほうがいいと思う。 (2012年の映画メモより)