10.《ネタバレ》 映画のブルーノーもそうとう気味の悪い奴だが、原作読んだらもっと気味悪かった。ガイへの一方的な崇拝・好意がつのってて、褒めてもらえると信じて犯行に及んでるの。映画よりもサイコっぽい。また映画だと犯行後すぐに会って、ガイは事件を知る前にブルーノーの犯行と知ってしまうが、原作ではなかなか分からなく、まさか…それとも…とジワジワ疑念をつのらせるあたりが読みどころになっていた(映画はガイのアリバイが不確かなときにやってしまうので、交換殺人の意図があまり生きてない)。映画ではブルーノーの脅迫者としての面が強く、ガイはヒッチコックお得意の「間違えられる男」の面が強調されている。映画と小説とで、それぞれ見せ場の設定を違えることがよく分かった。映画を見直し今回いいなと思ったのは、殺しの前にブルーノーが力自慢のハンマー叩きをやるところ、これから絞め殺す女の目の前で、その凶器となる両手を見つめてから自慢げに腕試しをする、実に気味の悪い奴だ。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-29 10:46:30) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 ヒッチコック映画の殺人シーンと言えば『サイコ』のジャネット・リー刺殺がもっとも有名だけど、実は彼のフィルモグラフィ中で刺激的で登場回数が多い殺人手段は絞殺ではないかと思います。やはりファーリー・グレンジャーが出演した『ロープ』は絞殺がファースト・カットだったし、『ダイヤルⅯを廻せ!』でのグレース・ケリーが絞殺されかけるシーンのねちっこさは官能的ですらある。そりゃ極めつけは『フレンジー』ですが、ここまで来るとヒッチコックの変態性がもうバレバレです。本作でもブルーノがミリアムやカニンガム夫人の首を絞めるときの表情や演出には時代を感じさせない凄みがあるし、個人的にはノーマン・ベイツよりブルーノ・アントニーの方がよっぽど怖い。演じたロバート・ウォーカーは実生活でも酒乱で奇行がひどかったそうで、撮影終了直後にそれが原因で急死しているという事実もまたゾッとさせられます。プロット自体はヒッチコックお得意の“巻き込まれもの”であるけどそこに“交換殺人”というこれまた推理小説のテーマとしてはありふれた要素をぶち込んでいるのに飽きさせない見せ方、凡庸だったパトリシア・ハイスミスの原作を見事に再生しています。偶然入手したガイのライターを殺害現場に残しておくのが普通ですが、交換殺人のつもりだからガイが疑われてしまっては意味がないので持ち帰ってしまうブルーノ。ところが思惑が外れて今度はガイを逮捕させるために現場に戻ってライターを置きに行くのに大変な苦労をしてけっきょく破滅する、なんとも見事なストーリーテリングであります。映像的にも有名なテニス場観客席のシーンやワシントンで豆粒のような遠景でガイを見つめるところなど、ブルーノの異常性が強調される絵造りが上手い、やはりブルーノ・アントニーはヒッチコックが産み出したキャラでもトップクラスのサイコ野郎です。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-04-21 18:17:57) |
8.巻き込まれ型サスペンスはあまり好きではなくて、他のヒッチコック作品でも物語より演出を楽しむようにしているんだけど、本作はとてもおもしろい。何も悪いことをしてないのに狂人に気に入られ、勝手に行動を起こされる恐怖。不条理だね。フィルム・ノワールのファム・ファタール的でもある。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-12-11 02:20:45) |
7.交換殺人がネタでヒッチコック映画ではおなじみの突然事件に巻き込まれる系のストーリーですが、ファーリー・グレンジャーの狂いっぷりがなかなか。モノクロ映像ならではで伝わってくるサスペンス調に小道具を多用し物事を印象付けるシーンが随所に見られて楽しかったしメリーゴーランドのツッコミ所満載のシーンはちょっとウケました。ブルーノが有名なテニスプレイヤーという設定はなんか新鮮味を感じましたがテニス自体があんまり上手いように見えなかったんでその辺あれ?な感じでしたけど色んな所にヒッチコックらしさが溢れてるんで個人的には満足ですね。 |
6.《ネタバレ》 なんでやねん?と言いたい箇所以上に場面ごとの演出が上手くて困りますね(笑)。 監督はコントラバスを抱えて登場しますが、サスペンスのベースは常に押さえて弾いてます、っといったとこかな(知らんで。)。 触れる二足の靴、ゲイさんに好かれるガイの容貌、ガイを遠くから見つめる犯人、犯人のラスト(&イニシャルも姓のこと?ひょえっ)、とまぁ同性愛を匂わせる描写にも驚かされました。切羽詰った感じやしつこさをうまく出す主演の二人は見事でありますが、常に緊張の続く中、観ててこちらがつい頼ってしまうような感覚にしてくれるパトリシア嬢の助演も良かったです。(山村紅葉はこの路線でえらい成功している、と私は信じてますが。笑) 愛川キンキンと山田康雄の掛け合いも大変うまくて、私は吹き替え版の方が好きなんですが、、↓音楽が?、、犯行時に遊園地が流す音が楽しそうで皮肉だな、とは思ったけれど、、どの場面で違うのか全然気がつきませんでしたぁ。鈍感なんで勿論、me知らぬ 乗客、、スミマセン。2006.3.4らぬ(爆爆っ) 【かーすけ】さん [DVD(吹替)] 8点(2006-03-04 23:54:05) |
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5.映画の感想じゃないんすけど・・・。すっごい不思議なんだけど、この映画って吹き替え版とオリジナルとではディミトリ・ティオムキンの音楽が何故か全く異なってるんですよ。もちろん吹き替え版っていうのはテレビ放映の為に短縮なんか当たり前で、台詞自体も代えてしまうって事は良くあるって事はよく知ってるんですけどね。じゃあ自分が深夜に観た、改悪版の中でほぼ全編に流れてるBGM(←やけにノリが良い音楽だった)はどこから流用していたんでしょうか?しかもそれ自体俺結構好きなんです。こういう事に詳しい方がいたら是非教えて頂きたいです!長年のギモン点なんで・・・。あと同じヒッチコック作品だと「白い恐怖」でのスキーシーンと「断崖」のクライマックスシーンって音楽かぶってなかったですか? (追記)かーすけ様、いつもフォローありがとうございます!これは自分の中で永遠のナゾとして残しておきますw 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(吹替)] 8点(2006-02-26 11:44:30) |
4.最初から最後まで飽きさせないですね。 最後のメリーゴーラウンドなど いろいろつっこみたいところもありましたが、 おもしろかったのでやめておきます。 【すごろく】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-02-06 07:20:48) |
3.ストーリー・テリングとカメラワークで非現実的な状況をもっともらしく描く、ヒッチコックならではの映画でした。テニス・シーンはかなりうまく撮れていると思いました。逆に回転木馬シーンは無理な感じがしました。いずれにせよ、サスペンスのお手本映画の一つでしょう。 【モリブンド】さん 8点(2005-03-12 22:25:49) |
2.なんだか意外におもしろかったよ。カメラワークもすごい凝っててヒッチコックはやっぱすごいなぁー、、 【あろえりーな】さん 8点(2001-07-13 00:01:24) |
1.ヒッチコック中期の名作。ラストのメリーゴーランドでの格闘シーンは鳥肌もの。ホモ映画としても有名。 【プリン】さん 8点(2001-02-15 13:27:03) |