ハート・ロッカーのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

Menu
 > 映画作品情報
 > 映画作品情報 ハ行
 > ハート・ロッカーの口コミ・評価
 > (レビュー・クチコミ)

ハート・ロッカー

[ハートロッカー]
The Hurt Locker
2008年上映時間:131分
平均点:6.23 / 10(Review 150人) (点数分布表示)
公開開始日(2010-03-06)
公開終了日(2010-09-02)
アクションドラマサスペンス戦争もの
新規登録(2010-01-29)【マーク・ハント】さん
タイトル情報更新(2019-06-04)【Olias】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督キャスリン・ビグロー
助監督リー・クリアリー
キャストジェレミー・レナー(男優)ウィリアム・ジェームズ二等軍曹
アンソニー・マッキー(男優)J・T・サンボーン軍曹
ブライアン・ジェラティ(男優)オーウェン・エルドリッジ技術兵
レイフ・ファインズ(男優)民間軍事会社分隊長
ガイ・ピアース(男優)マット・トンプソン軍曹
デヴィッド・モース(男優)リード大佐
エヴァンジェリン・リリー(女優)ジェームズ二等軍曹の妻 コニー
クリスチャン・カマルゴ(男優)ジョン・ケンブリッジ大佐
加瀬康之ウィリアム・ジェームズ二等軍曹(日本語吹き替え版)
坂詰貴之J・T・サンボーン軍曹(日本語吹き替え版)
東地宏樹マット・トンプソン軍曹(日本語吹き替え版)
原康義民間軍事会社分隊長(日本語吹き替え版)
楠見尚己リード大佐(日本語吹き替え版)
竹内順子(日本語吹き替え版)
脚本マーク・ボール
音楽マルコ・ベルトラミ
撮影バリー・アクロイド
ニュートン・トーマス・サイジェル(第二班撮影監督)
製作キャスリン・ビグロー
マーク・ボール
製作総指揮トニー・マーク〔製作〕
配給ブロードメディア・スタジオ
衣装ジョージ・L・リトル
編集ボブ・ムラウスキー
クリス・イニス
録音ポール・N・J・オットソン
その他トニー・マーク〔製作〕(ユニット・プロダクション・マネージャー)
あらすじ
2004年のイラク。米陸軍の爆発物処理班にジェームズ二等軍曹が新リーダーとして赴任した。彼らは任務明けまでの残り38日間を爆弾処理に費やすのだ。ジェームズは自らの経験と信念を元に、危険を顧みず任務に没頭するタイプ。仲間たちは、そんな彼の行動に不安と不満を感じることに。それでも理解と信頼を深めていった彼らだったが、ある時ジェームズが感情的な行動に走ってしまったことから思い掛けない事態を招いてしまう…。女性監督キャスリン・ビグローが、死と隣り合わせの戦場に生きる男たちの姿をリアルに描く。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【クチコミ・感想(8点検索)】[全部]

別のページへ(8点検索)
新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順】
12
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行なし表示
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ
35.《ネタバレ》 意外な低評価に驚いたが、信頼するビグロー監督の作品なので、期待をこめて鑑賞。結論としては、オスカー受賞も納得の傑作だ(正直、『アバター』が受賞すると思ったが)。戦地での爆弾処理という精神崩壊ギリギリの状況で生き延びる唯一の方法は、「戦争中毒」になること。だからジェームズは、任務を終え帰国しても、また戦地に戻る。「子供たちが犠牲になっているから」などともっともらしいことを言っているが、それがただの詭弁であることは、人間爆弾にされた少年を知り合いの子供と勘違いし、ありもしない「犯人」を追跡したり、タンクローリーの爆破犯を独断で深追いし、仲間を負傷させたことからも明らかだ。彼は戦争をやめられないのだ。小便ちびりそうなほどヤバイ状況でしか生きていることを実感できない。ヘルメットを残して粉々に吹き飛ぶまで、彼は戦地を渡り歩くことだろう。そんな状況を作り出した「現代」、いつまで経っても殺し合うことをやめない「人類」。ここには、「反戦」などという言葉では片付けられないほどの逼迫した現実が描かれている。
フライボーイさん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-08 21:06:55)(良:4票)
34.《ネタバレ》 いや~、いい映画を見せてもらいました。
さすがにアカデミー賞をとるだけの事はありますね。
映画を観てるというより自分自身も一緒に戦場で爆弾処理をしてるような緊張感がずっと続きました。いい意味で疲れましたけど。

3Dを使わずとも莫大な予算を使わずとも”ストーリーすらなくても”いい映画は作れる。

アバターではなくこちらだった事は、これからの映画の方向性としてとても意義があると感じる。
Pea Shanさん [映画館(字幕)] 8点(2010-04-05 22:50:01)(良:2票)
33.ハッキリ言わせていただくが、これはれっきとしたエロ映画です。過剰なまでのオスの表現が最後までみっちり詰まってます。男の記号【無茶・無謀・大酒のみ・無意味な裸】が満載。個人的にはかなり萌えましたが、日本女子にはうっとうしいだけかもね。気になったのは全体にわたる手ブレ映像。ライブ感があるけれど、だんだん見るのに疲れてくる。それでもスクリーン全体から匂いたつようなオスの香りでチャラになります。なんていやらしい。
ケルタさん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-08 11:35:14)(笑:2票)
32.《ネタバレ》  主人公が「定年まで勤め上げて晴れて自由の身になったけど、家にいてもやることがなく奥さんに邪魔者扱いされる。ああ、こんなことなら仕事してた時のほうがよっぽどよかった」っていう、よくいるリタイア後のサラリーマンとダブって見える。戦争映画というより自分の中での仕事のウェイト(生きがい、存在価値)と、それを家庭と天秤にかけたときあなたはどうしますか…ってことを考えさせる映画なんじゃないのコレ。
 戦場に嫌気がさしたサンボーンが息子が欲しいというシーンとか、爆弾を体に巻き付けられた男が家族のことを延々しゃべって命乞いしてるシーンなど、振り返ってみると「家族」というキーワードがあちこちで見られたように思える。主人公自体も、任期が終わって家に帰れば優しい夫や父親をちゃんとやれてるし、奥さんを侮辱されたらブチ切れるなど、家族に対して確かな愛情を持っていることは見受けられる。でも仕事とどちらを選ぶかとなると話は別。仕事場が戦場で死の危険がついて回る爆弾処理という仕事をしているから異常に見えるだけで、こういう人は割とどこにでもいるんじゃないか。金型職人とか調理師を主役にしても同じような話は作れたと思う(面白いかどうかは知らない)。
 「仕事」っていう視点でみて面白かったのは、人間爆弾発見後に主人公のすることが何もかもうまくいかなくなるくだり。私もおぼえがあるけど、いい仕事ができる時って心の中は無、頭と体が勝手に動いて適切な行動をとってくれるような感覚がある。「お客様に最高の商品を」とか高尚なこと考えちゃうと100点満点中60点の仕事を量産することになってしまう。物語後半はあるあるネタとして楽しませていただきました。
池田屋DIYさん [DVD(字幕)] 8点(2017-07-19 08:09:42)(良:1票)
31.《ネタバレ》 恐ろしいほどの緊迫感。砂漠での戦闘シーンはこれまで見た事がない演出、これってリアルなのか? この現実が余りにも自分たちの日常と違い過ぎるのでこれがリアル(この場合実際におこなわれている現実)なのかも想像もできない つまりどちらかの(アメリカ側かイラク側かの)立場に立っているフィクションであるという判断すらつかない、これがこの作品の一番の問題点ではなかろうか 戦争が身近な外国人ならば肌で感じられるのかもしれないが ただ、単純なアメリカ側に立ったイデオロギー賛美ではないことはわかる、ラストで主人公は自分の子供に戦争が好きだと告白している そして嬉々として又戦場に戻るシーンで終わる、これは少なくともアメリカの戦争好きをシニカルに描いていると思う 一部の人が言う様に、アメリカのプロパガンダ映画だとは思はないが、アメリカ側のイデオロギーを否定するものでも無い 女性監督らしい控えめな反戦映画じゃなかろうか
にょろぞうさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-01-02 16:19:52)(良:1票)
30.《ネタバレ》 主人公が言う「皆、何かを恐れている」という台詞もあるように、僕はこの映画を「疑心暗鬼」の物語だと受け取りました。
爆弾解体モノでは、まず最初にその爆弾の威力を見せつけ、その後の緊張感を持たせるのが定番のパターン。この映画も例外ではなく定番通りの演出をしています。このシーンがあるから、芋づる式に爆弾が目の前に現れるシーンはゾッとするし、防護服を着ていたって安心できないハラハラを味わいます。しかし、冒頭で刷り込まれたのは爆弾への脅威だけではなく、他人に対する「疑心暗鬼」も含まれています。これ以後、米兵たちの人を疑う心がどんどん肥大化していくんですね。
どこからテロリストが仕掛けてくるか分からない。何の罪もない一般市民にでも銃を向けなければならない。味方であってもミスをするかもしれないし、裏切るかもしれない。装備は欠陥があるかもしれない。敵か味方かはもちろん、イラク人たちの顔の見分けも付かず、何を考えてるのかも分からない。
映画中盤では、爆弾の話がどっかにいってしまいますが(笑)、「疑心暗鬼」の物語だと思えば筋はしっかり通っていると思います。
「人を疑う心が、暗闇に鬼を見る」というように、何もない暗闇や、自分が理解できない人間の中に鬼を見いだし始めると、自分自身が鬼と化している。米兵が銃を構える度に、アメリカ自身が鬼と化しているように見えてきて、考えさせられます。
元軍人の方が「不正確」と言ったそうですが、多分リアリティを重視した作品ではなく、もっと観念的な作品なんじゃないかな、と思います。
「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。」
これは、この映画を観ている観客にも当てはまるんじゃないでしょうか。この映画の中にいる鬼を見ようとして、自分自身が鬼と化しているんじゃないかと、ちょっとゾっとします。まるで鏡を覗き込むような作品。賛否両論沸き起こるわけですね。
「ハートロッカー」というタイトルや、「戦争は麻薬だ」という序文からすると、この解釈はズレてるところがあるのかもしれませんが・・・。
ラストシーンは、何もない道(爆弾があるんでしょうが、映像では映っていません)を、主人公が黙々と向かっていく、そして「任務終了まで365日」のテロップ。答えも出ずに永遠と続く結末に、めまいがしました。
ゆうろうさん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-24 03:57:59)(良:1票)
29.《ネタバレ》 妻投稿■この映画の主人公は戦争に狂ってしまった・・・・のではなく、戦争に適応したのだと思う。この映画の主人公は決して狂ったわけではない事を私は主張したい。そのうえで評価すると。■私の友達の強姦被害者の言葉を、映画を見て私はずっと思い出していた。「私たちが戦わなければいけない感情は、怒りでも憎しみでもない。無力感だ」という言葉だった。暴力、虐待など圧倒的かつ予想不可能な力による死の恐怖に向かい合わざるを得ない状況下で、人間は無力感に押しつぶされやすい。実は人間の愚行、自分を傷つける、他人を傷つける、人生をダメにするという様々な悲劇のかなりの割合が「無力感」によって生まれているのではないかと私は思う。主人公は人間の生存、自己保護本能によって戦争に適応した。しかしそんな中でも彼は予想だにしない死の恐怖を、その果てにある無力感と戦っているのだ。この映画は、そういう極めて普通の人間の当たり前の姿、しかし平和のなかでは異端視されやすい姿を直視した映画であり、それ以上でも以下でもないのではと私は思う。■ただしそういう映像を表現するのに必要以上のカメラのブレはいただけない。私はカメラのブレは「カメラがその場に存在する」という現実味を与える事は出来ると思うが、「観客がその場の空気を感じる臨場感」を与える事は出来ず、むしろ逆効果だと思う。観客の人間の目って、日常生活でブレを意識したりしないでしょ?
はち-ご=さん [DVD(吹替)] 8点(2010-11-15 22:25:17)(良:1票)
28.イラクの戦場、日々尽きることの無い爆弾処理の最前線を描いた今作が、アカデミー賞を勝ち取ったことに対して、個人的には若干穿った見方をしていた。
果たして、本当にアカデミー賞にふさわしい映画なのかどうかと。

その理由は、この数年のアカデミー賞作品賞受賞作品には、手放しで賞賛を贈れる映画があまりに少ないということ。そして、9.11以降、アメリカという国の価値観は、人間の混迷や混沌を描いた映画を安直に崇拝する傾向が強すぎる気がしてならないからだ。

もちろん、世の中の数多の「不安」に対して、それを批判したり、影響を受けた映画が作られることは必要だろう。が、それがイコール「良い映画」であるかどうかは、当然別問題だ。

なので、元夫婦対決を制し、「アバター」をかわして、キャスリン・ビグローが女性監督として史上初のアカデミー賞受賞を果たしたこの戦争映画にも、素直に期待出来ないものがあった。

映画は、最前線の爆弾処理チームの3人を中心に、仰々しい展開を廃し、ドキュメンタリータッチに淡々と展開していく。端役でレイフ・ファインズやガイ・ピアースが登場するものの、主要キャストは無名俳優ばかりで安易な盛り上がりは一切無い。

少々疲れ気味の休前日の深夜の鑑賞で、さて眠気が耐えられるかどうか。という危惧は一瞬生まれた。が、そんな危惧は即座に消え失せた。

盛り上がりも、娯楽性もほとんど無い。あるのは、あくまで淡々と過ぎていく戦場の気持ちが悪くなるほどの緊張感だった。

その緊張感は、単に“いつ死ぬか分からない”というものだけではなく、「戦争」という日常に身を置く兵士たちが、静かに静かに精神が蝕まれていくことに対する“あやうさ”のように思えた。

決して、面白味に溢れた映画ではないと思うし、観る人によっては誤解を受けやすい映画であるようにも思う。
それはこの映画が、今この瞬間の「戦争」の表面的な狂気や悲劇を描いているのではなく、まだその実態さえも検証されていないリアルタイムの“混沌”を表現しているからに他ならない。

観終わってみて、「映画」として面白かったのは断然「アバター」なので、アカデミー賞の受賞はやっぱりジェームズ・キャメロンがふさわしかったと思わなくはない。
ただし、この濃厚すぎる程の戦争映画を撮り切った女性監督の“力量”は、間違いなく半端ない。
鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 8点(2010-09-23 02:03:14)(良:1票)
27.《ネタバレ》 「男の成長と生きざま」を描いた作品だと勝手に解釈しました。最初はジャンキーのようにスリルを楽しんでいる主人公が、何も理解していない自分(ベッカムを間違えたり)に気が付き、変化し始める。爆弾処理も出来ず、犠牲者も出し 仲間を撃ち、犯人も捕まえられない。全てが狂いだすなか、それでも彼の出来ることを悟っていく。その成長を感じました。ラストのシリアルは、自分の世界と現実の世界をいま一度考えるシーンだったと思う。だから、最初の戦地に降り立つときとは、明らかに違う思いで再び戦地に立っているのが画面から分かる。単純にまた刺激だけを求めて来たなら、同じ表情をするのでは。

「ハートブルー」でもスリルがないと生きていけない男達(監督の趣味)を描いていたが、今回はその後、そこから成長し悟った男を描いたと思う。キャメロンも大好きな「強い女」ばかり出てくるけど、その内面もそろそろ。元夫婦ともかなりの癖で強烈。
とりのすけさん [映画館(字幕)] 8点(2010-06-05 18:49:16)(良:1票)
26.《ネタバレ》 何年か前にテレビでやってたイラク戦争ドラマ「Over There」を彷彿とさせて
完全なエンターテイメントとして観て、すごく面白かった。
仕事をテキパキこなす兵士達のプロ根性のカッコ良さと、乾いた砂の気候と
いつドカン!!と来るか分らないハラハラで、いや~二時間真剣に楽しませていただきました。
利権戦争に持っていく人々と、現地で与えられた仕事をこなす人々は別ですからね。
Ministryの音楽を使っているので、反戦の立場だと思う。

「今」の瞬間を生きる。
人間は昨日の事や明日の事ばっか考えてて、今、この瞬間をおざなりにしてしまいがちです。
主人公は生きるか死ぬか、の今その瞬間にだけ生きがいを感じられる。
私も、「今」の瞬間を生きよう、と強く思いました。

「子供の頃はあんなに沢山好きな事があったのに、今は一つだけかも・・・。」
麻薬でも酒でも何でも依存症状とは、それ以外は二の次(以下)になってしまう事。
主人公にとっては息子でさえも、爆弾処理の前にはかすんでしまう・・。
家族がどのシリアルを食べてるかさえ知らない。
「俺は何で自分がこんななのか分らないんだ・・考えないようにしてる。」
何かやるせないですね。
戦争映画をエンターテイメントとして観れる自分の状況がどれだけ恵まれている
か、としみじみ思います。
梅干御飯さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-04-04 22:23:29)(良:1票)
25.明確な悪を描かず、エンターテイメント性の高い作品に仕上がっている所に、キャスリン・ビグロー監督の真摯な映画作りへの姿勢が表れていると感じました。元夫のジェームズ・キャメロン監督のアバターは、人間を単なる悪としてしか描いていなかった点から、アカデミー作品賞をハート・ロッカーに奪われてしまった事は必然であったと思います。
民朗さん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-30 22:31:46)(良:1票)
24.《ネタバレ》 たとえアカデミー賞という肩書きがなくても評価したい作品。完璧な作品とは言いがたいが、賞賛されてもおかしくはない。戦争モノやイラクモノ作品が溢れている中で、他の作品とは異なるアプローチを試みて、独特かつ個性的な作品に仕上がっている。声高々に野暮ったいメッセージを発するということも必要だが、本作のようなユニークなアプローチで戦争の現実や悲惨さを伝えるということも必要ではないか。イラクモノ作品の多くは真正面からマジメに向き合い過ぎている感もあったが、本作のバランスは優れており、イラクの現実を描くだけではなくて、エンターテイメント的な要素も含まれている点も評価したいところ。
個人的に評価したいところは、針を刺されたように突き刺さる張り詰めた“緊張感”をビグロー監督が演出できているということだ。ハエが目に入ろうと、口に入ろうと集中力を持続させる主人公たちのように、あまりに画面に集中しすぎたために、「自分が今どこにいるのか」「自分が今何をみているのか」かが一瞬分からなくなるほどの異様な緊張感で溢れていた。数多くの作品を見ている自分でも、現実(ドキュメンタリー)なのか、虚構(フィクション)なのかを混乱するほどのリアリティ度の高い作品といえる。
また、戦争ジャンキーのリアルな姿も描かれている。冒頭に語られる「戦いは中毒症状を引き起こす」といった趣旨の引用も活かされている。恐らく爆弾ならば、どんなものでも判別できるだろうが、現実社会においては種類豊富なシリアルを判断することができないというのはユニークな皮肉となっている。
ただ、主人公をカッコいい英雄のような存在にも感じられたが、果たしてそれで良かったのかどうかという問題もある。中途半端に英雄のような存在として描くよりも、もっとクレイジーさがあり、もっとぶっ壊れていてもよいのではないか。彼には人間味や善悪の感情が残りすぎているような気がする。マトモな神経を持っているようでは、この世界では生きていけないだろう。メッセージ性という観点からすると、英雄的では弱くなってしまうのではないか。あまりゴチャゴチャさせると作風が損なわれるので、難しいところでもあるが、戦争ジャンキーの主人公によって他の兵隊の人間性などが喪失していくような過程も描いて欲しかったところ。主題の“戦争ジャンキー”という扱いに対して、やや中途半端な仕上がりという印象は受ける。
六本木ソルジャーさん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-23 22:05:18)(良:1票)
23.《ネタバレ》 「人様の食卓に勝手に上がりこんで、糞タレておきながら、てめえのケツを拭くのに苦労してやがる」ってのはあるんですけどさ、そこで思考停止してたら結局戦争を始める連中なんかと同じ視点でしかモノ見てないんじゃねーの?とも思うワケですよ。現場で動いてる人間ってのは、実のところ、国を背負ってたり、義務感を抱いてたりっていう、国家が生産したロボットっていうかクローンみたいなモンではなくってね、自分達と同じ次元に存在している人間なワケです。戦争に行くにも色んな事情を抱えていて。ハナっから好きで戦争に行くようなヤツぁ、そういなくてね、どんどん戦場に慣れて行ったり、どんどん戦場を嫌悪していったり、怪我したり死んだり。仲間同士での意思の疎通もままならない人間が個として責任背負って向き合うには限界があって、その個を呑み込んで政治があり、戦争があると。そのデカいケツを拭かなくちゃならないハメになるのは一体、誰の、何のせいなんだ?と。人としてプロフェッショナル魂と戦争の異常性との折り合いを付ける、あるいは付けられない人々のギリギリな状態を描いた力作だと思いました。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-11 14:40:09)(良:1票)
22.生と死の狭間で仕事を全うするジェームズがカッコイイ。緊迫感溢れる刹那の一瞬。平然と爆弾処理の任務をこなす彼には過去の経験と夥しい爆撃の傷があるからこそ。帰還しても彼の戦争話に嫌な顔をしない奥様。ホームに支えはあっても戦場になし。ラストは戦争特有のシック感と哀愁漂った。世界に争いがある限り一匹狼の戦いは続く。
mighty guardさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-20 11:54:00)
21.いい緊張感。
これからが楽しみな監督。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 8点(2014-08-19 01:27:50)
20.《ネタバレ》 やっぱ爆弾処理の話は鉄板ネタですね。緊張感が面白かったです。
爆弾処理だけでは無く、砂漠の銃撃戦も入れてくるのが良いし、ジュースの
くだり、ベッカムとのくだりで主人公の人物像がよく描かれていたと思います。
爆弾処理ロボってけっこうショボイのね。
naokin4617さん [DVD(吹替)] 8点(2014-08-12 16:51:17)
19.主役級の大物役者が割りとすぐに消えてしまうところがまたさらなる緊張感を生むし、少年ベッカムの件もいたたまれない一つのエピソードになっている。それに引き換えこの監督はすばらしいと思った。音響もさすがでしたね、息遣いとか、あのスーツが「棺おけ」なのかも。
HRM36さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-04-30 11:18:12)
18.《ネタバレ》 始まりもなければ終わりもないような泥沼のごとき任務に就く爆弾処理兵、決してカタルシスを与えてくれる映画ではないが、今までにない戦争映画だと思います。表現としての手ぶれ映像は最近の流行りだからもう珍しくもないが、爆弾処理班の三人に徹底的に近接した視点は戦争ものとしては珍しい。彼らの上官はいっさい画面には登場しないしどこから命令が下りてくるのかも判らない。ガイ・ピアースやレイフ・ファインズという主役級のスターが、まるで雑踏の中の通行人の様な軽さで画面に登場したかと思うとあっけなく死んでゆくのには驚かされました。考えてみれば、どんなにハンサムだろうと高潔な人格だろうと戦争ではいとも簡単に死んでしまうものだし、贅沢かもしれないけどこういう俳優の使い方はありかもしれません。 この映画を観ての最大の収穫はジェレミー・レナーを知ったことで、こんな不敵な面構えの俳優がいるとはハリウッドも奥が深い。邦画界に彼と同年代でここまで存在観のある風貌の男優がいるでしょうか。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-12 21:30:26)
17.《ネタバレ》 冒頭の爆弾処理のシーン…わずかな刺激で爆発しかねないという緊迫感がすごすぎて息苦しくなり、さっそく映画館を出たくなりました…。「戦争は麻薬である」という言葉が映画に出てきますが、爆弾処理という死と隣り合わせの極限状態を、むしろ楽しんでいるかのように見えるジェームスを見ていると、その表現も分かる気がします。ラストシーンの虚無感といったら…
nyarameroさん [映画館(字幕)] 8点(2012-05-02 12:07:24)
16.《ネタバレ》 かっこえええええ。こんなかっこいい主人公は初めて。無鉄砲で何も考えてない命知らずのバカだけど、根っこのところで人の命を奪う爆弾はテロは許さないという使命感がある。平穏な生活もつかの間、また死と隣り合わせの戦場に向かっていく主人公の後ろ姿、任務明けまで365日の文字。かっこ良すぎます。しびれます。
全編通してリアリティーがあってよい。まわりの現地人がみんなテロリストに見えて恐怖する。手を上げろ、下がれ、と言っても、言葉も通じないもどかしさ。そういう緊張感みたいなのがビンビン伝わってくる。
椎名みかんさん [DVD(吹替)] 8点(2012-03-12 01:32:51)
別のページへ(8点検索)
新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順】
12
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 150人
平均点数 6.23点
021.33%
121.33%
210.67%
364.00%
4117.33%
52315.33%
63221.33%
73120.67%
83523.33%
953.33%
1021.33%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.50点 Review8人
2 ストーリー評価 6.26点 Review15人
3 鑑賞後の後味 6.57点 Review14人
4 音楽評価 6.18点 Review11人
5 感泣評価 4.28点 Review7人
chart

【アカデミー賞 情報】

2009年 82回
作品賞 受賞 
主演男優賞ジェレミー・レナー候補(ノミネート) 
監督賞キャスリン・ビグロー受賞 
脚本賞マーク・ボール受賞 
撮影賞バリー・アクロイド候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)マルコ・ベルトラミ候補(ノミネート) 
音響効果賞ポール・N・J・オットソン受賞(音響編集賞として)
音響賞ポール・N・J・オットソン受賞 
編集賞クリス・イニス受賞 
編集賞ボブ・ムラウスキー受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2009年 67回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
監督賞キャスリン・ビグロー候補(ノミネート) 
脚本賞マーク・ボール候補(ノミネート) 

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS